No.238:鬼頭兄弟記Ⅲ
『ついにきた…。このアメリカの地…。俺はここで兄貴を越える実力を手にいれる…。』
ジョナサン『ヘイ!ソラ!カモン!』
天『ジョナサンおじさん!』
苑子(そのこ:母)『天。慣れないこの地での生活はすっごくすっごく大変だけど、絶対に逃げちゃダメ。強くなるのよ。ジョナサンファミリーでしっかり礼儀よくね。』
天『うん。』
当時、天は中学一年生。
博行は中学三年生だ。
…
そして夏休み
ジョナサン『ソラ。今日のピッチング。ベリーグッド!』
天『あぁ。どーも。』
プルルルルル…
ジョナサン『Hi. This is Jonathan.Who are you?』(もしもし。ジョナサンです。どちら様ですか?)
天『グラブでも磨いとくか。』
ジョナサン『Oh! Sonoko!ドウシタノ?』
天『?』
ジョナサン『ヒロユキガ、大怪我?』
天『!?』
ジョナサン『ボールヲ投ゲスギテ、肘ノ靭帯断裂?』
天『おい!?どーゆーことだ!?ジョナサンおじさん!代わって!』
パシ!
天『おいお袋!兄貴が肘の靭帯断裂ってどーゆーことだよ!?治んのか!?』
苑子『落ち着いて。天。博行なら大丈夫よ。』
天『違う!野球やれんのか!?』
丈陽『おい。天。俺だ。』
天『親父…、兄貴はどーなんだ!?』
丈陽『全治3年。大丈夫だ。野球はまたいつかできるようになる。』
天『大丈夫じゃねえだろ!高校になったら俺はあいつを倒すんだ!それなのに…』
丈陽『無茶言うな。事実はもう動かん。あいつが野球人として復活するのはもはや、不可能に近い。あいつは俺が校長をつとめている、進学校、邦南高校に進学させる。野球はもうやめだ。』
天『え…なんだよ…それ…』
丈陽『とにかく大規模な手術をしなければいけない。色々と手続きがある。またな。』
プツン…
プー、プー
天『そんな…馬鹿な…。』
“あいつが…野球を辞める…?”