No.233:ベンチの紛議
《第一打席ではセンターバックスクリーンへのグランドスラムを放ち、第二打席では見逃し三振を喫している鬼頭天が打席に入ります。大場は現在10連続奪三振を記録している5回の表、楽秦工業の攻撃、ワンナウトランナー無し!》
鬼頭天(今度こそ打つぜぇ…!)
ビュゴゥゥゥッッッ!!
鬼頭天『オラ!』
ズゴォォォーーッッーーッーンッッッ!!!
≪148km/h≫
《初球はストレート!!しかし空振り!!鬼頭天も思いきったフルスイング!!》
鬼頭天『はえーなぁ!』
ズゴォォォーーッッーーッーンッッッ!!!
《二球目も空振り!!ツーナッシングと追い込んだ!!》
鳴島剣『おいおい。誰か止めようぜ。』
鬼頭天(こんなに速く感じるサウスポーは生まれて初めてだ…。尚更ぶっとばしてー。)
ビュゴゥゥゥッッッ!!
カァァクゥゥゥッッッッッ!!
鬼頭天(くっ…!)
ズバァァーーッーッンッ!!
《最後はフォークで空振りの三振!!!止まりません大場翔真!!これで11者連続!!》
鳴島剣『おいおい。天が2打席連続三振かよ。』
鳴島破『すげーな。誰か止めてくれ。』
鬼頭天『…』
西口『どーした?三振だぞ?』
鬼頭天『悔しい…』
西口『?』
鬼頭天『殺してやる…ぶっ殺してやる…なめやがって…。』
西口『お前なに言って…』
鬼頭天『この試合中にてめぇを必ず殺すからなぁ!!』
鳴島剣『あーぁ。天。怒っちゃったよ。』
鳴島破『さっきまであんなに楽しそうだったのにな。』
鳴島剣『これだから餓鬼はめんどくさい。』
増田『おめーらが言うな。悪童コンビ。』
てくてく…
主審『君。走って戻りなさい。』
鬼頭天『あ?ぅっせーな。』
主審『…。』
武田『わー。戻ってきた。』
ガンッッ!!
天がヘルメットを投げる
鳴島剣『まあそー怒るな。』
鳴島破『大場が凄すぎるよ。しょーがねぇべ。』
ガンッッ!!
天がベンチを蹴る
鬼頭天『黙ってろ。』
鳴島破『あ?なんだ?てめぇ。』
鳴島剣『ちょーしのってんじゃねーぞ?』
増田『まぁまぁ。落ち着け。試合中だぞ。』
鬼頭天『気に入らねぇんだよ!!!』
増田『?』
鬼頭天『この俺を2打席連続で三振にするだぁ?うぜぇ…。うぜぇ…。この俺が打てない球なんてねえんだよ。』
鳴島剣『大場の本気の球は打てないみたいだな。』
鳴島破『大場が打てなきゃ兄貴の球は打てねえぞ。俺らがよーく知ってる。』
鬼頭天『俺じゃクソ兄貴の球を打てないって言いたいのか?』
鳴島剣『大場を打てないようじゃ無理無理。お前の実力なんてそんなもんだよ。』
鬼頭天『ふざけんな!!!!!!!!』
鳴島破『別に俺らは本当のことを言ってるだけだ。身の程知らずが。』
鬼頭天『…。』
鳴島剣『なんだ?もう言い返せないか?』
増田『やめろ!お前ら!』
鬼頭天『消えろ。死ね。』
鳴島剣『消えろ。か…。』
鳴島破『じゃあもう守備やんね。』
鬼頭天『…。』
鳴島剣『賛成。』
増田『なに言ってんだ!』
武田『おいおいまずいことになってきたぞ…。』