No.230:鬼頭博行vs鬼頭天
ビュウッッッ!!
ブワァァッッ!
鬼頭博(こんなに浮き上がるのか…。)
カーン!
『ファールボール!!』
鬼頭天(初見で俺のストレートを当てるか…気に入らねえ…。)
鬼頭博(今大会はまだストレートしか投げていないが…そんなはずもない…。天は何かを隠している…。俺との対戦まで披露しなかった球がある…。そんな気がする…。)
鬼頭天『あんたに負けるつもりはねえ…』
ビュウッッッ!!
鬼頭博『!?』
ズバァァーーッーッンッ!!
『ストライク!ツー!!』
≪140km/h≫
鬼頭博(速い…アンダースローでこの球速…。そりゃどの高校もてこずるわけだ…。こんな球練習したことねえからな…。)
増田(行くか?天。)
鬼頭天(当たり前だぜ。)
鬼頭博(天の感じが違う…何か来る…)
鬼頭天(あんたを越えるために練習したこのボール…今ここで見せてやる…。そして証明する…。俺はあんたを越えたんだ!)
ビュウッッッ!!
鬼頭博(速い!!ストレート!!)
カァァクゥゥゥッッッッッ!!
鬼頭博『なっ…』
ズバァァーーッーッンッ!!
《空振りの三振!注目の兄弟対決は弟の鬼頭天に軍配!!最後はシンカーでしょうか!?変化球で空振りの三振!!》
≪138km/h≫
鬼頭博『ストレートと同じ速度の超高速シンカー…。陽灘学園の薮内のシンカーも良い球だったが…アンダースロー独特の軌道、変化量…そして何よりストレートと変わらぬスピード…。これを打つのは相当厳しいぞ…天め…甲子園準々決勝までこんな球を隠しておいたのか…。』
大場『ストレートと変わらぬ超高速の変化球…。』
西口『博行先輩の超高速シュートに似てるな…。』
小宮『さすが…この兄弟…高校生離れしてる…。』
鬼頭天『あんたは負ける。親父がなぜあんたを邦南に入れたのか分かっていない。なぜここで野球をやっている。逃げたくせに。』
鬼頭博『…。親父の気持ちを踏みにじったりなどした覚えはない。お前は真相を知らなくて良い。』
鬼頭天『ほざけ…。負けて気づくんだな。』