No.229:故意のデッドボール
『1回の裏、邦南高校の攻撃は、1番、ショート、小宮くん。』
《さあマウンド上は鬼頭天、対する打席には小宮哲都。今大会で注目を集めている1年生どうしの対決。》
小宮『やられっぱなしは…悔しいね…。』
ビュウッッッ!!
小宮(アンダースローは術中にはまるとなかなか抜け出せない。術中にはまらないためには…フライを打ち上げないようにすること!)
ゴゴゴゴ…!
小宮『!?』
ズバァァーーッーッンッ!!
《初球は空振り!!明らかなボール球でしたがバットが出てしまいました!》
小宮(想像以上に浮き上がる…。ど真ん中と思ったら顔の高さまで…。)
大場『伸びてますね…。かなり…』
鬼頭博『俺もあいつの球は打席で見たことがない…。』
大場『兄弟なのに…なんであんなに仲悪いんですか…?』
鬼頭博『昔は仲良かったんだよ。お互い野球を通じて繋がってたっつーか…。あいつ…去年までずっとアメリカで野球やってたんだよ。』
ズバァァーーッーッンッ!!
《これも高めのボール球のストレート!!アンダースローの1年生、スーパーサブマリンこと鬼頭天、まず先頭の小宮を空振り三振に仕留めた!!》
小宮『気を付けてください。特に高めは。』
副島『おう。』
大場『それからですか?』
鬼頭博『いや、俺が怪我をしてからだ。詳しく言うとな。』
ビュウッッッ!!
ブンッ!
副島(ヤバイな…これは…。)
大場『どうして?』
鬼頭博『それ以上はプライバシーだぜ。俺も悔しいんだよ。あいつとは…ずっとあのままの関係で居たかった…。』
ビュウッッッ!!
ズバァァーーッーッンッ!!
《これも同じ球!!空振り三振!!2番の好打者、副島も空振り三振!!》
『3番、ピッチャー、大場くん。』
大場(負けてたまるか…こんなチームに…。)
増田(殺せ。この試合、まずはこいつからだ。)
増田がサインを出す
鬼頭天(重五郎さんも容赦ねえな。まっそーゆー人の方が良い。)
ビュウッッッ!!
大場『!!』
《おーっと!これは!》
『『当たるぞ!!』』
大場『体めがけて…!しかも…』
(なんだこの浮き上がり方は…!?)
増田(さっきは右の横っ腹だったっけな。今度は頭だ。天の浮き上がるように見えるストレートを避けられるかな?)
大場『う!』
ガッッツゥゥーーーッンッ!!
《これは――――――――!?》
『デッドボール!!』
《頭部直撃か!?大丈夫か!?》
大場『っぶねーっ…。』
増田(ちっ。ヘルメのつばかすっただけかよ。)
鬼頭博『どこまでも下道な野郎共だぜ…。』
増田『大丈夫スか?』
氷室『てめぇ!わざとだな!!ふざけんな!』
西口『待て。』
氷室『でも!翔真先輩があんな風になってんのを黙ってみてろっていうのか!?』
西口『違う。俺だって頭が煮えくり返りそうなくらい血が昇ってる…。だが気性を乱したところで敵の思う壺だ。やり返せばまたやり返される。』
氷室『このままじゃやられっぱなしじゃねえか!ただでさえ人数少ないのに!』
西口『大丈夫さ。俺達には俺達の野球がある。それを信じてフェアプレーをやり続けるんだよ。』
氷室『…。』
大場『…。』
増田『大丈夫スか?』
大場『へっ。全然平気。こんな140km/hくらいのボール、当たってもどうってことねーよ。しかもヘルメかすっただけだし。』
増田『それはよかった。』
大場『俺に当てた事で1番痛い目見るのは、あんたらだと思うよ。』
増田『ふーん。』
『4番、セカンド、鬼頭くん。』
増田(こいつには全快で行くよな?)
鬼頭天(当然…。ぶったおす。)
鬼頭博『来い…。天…。』
??『天…博行…こんな俺でごめんな…。』
『プレイ!!』