No.225:雨…
プルルルルル…
鬼頭『あぁ…、親父?俺だ。』
『なんだ。どーかしたのか?』
鬼頭『…。いや、やっぱ…なんでもねえ…。悪かった。こんな夜遅くに電話して。』
『まて!』
鬼頭『なんだ?』
『悔いの残らない、終わり方にしろよ。長い目で見てな。じゃあ。』
プツン…
プー、プー、プー
鬼頭『親父の想い…無駄にはできねえよな…。』
翌朝…
午前6時
ザーザー!
ザーザー!
松坂『結構雨降ってんな…。』
副島『まぁ、やるっぽいぞ。あと2時間様子見て、ダメだったら中止だそうだ。後手踏んではいかん。気持ちは切らすなよ。』
大場『ま、雨の中の試合はもう慣れっこなんでやってもいいですけどね。』
…
2時間後、
副島『ちょうど止んだな。こりゃやるっぽいな。』
…
《さあ雨のためプレイボールを2時間遅らせての試合開始!ただいま午前11時!兵庫代表・優勝候補筆頭の、北頼高校 対 宮崎代表・土南学園の一戦!》
…
ズザザァァーッ!
《あーっと、これでこの試合二回目の中断です!現在8回の表、北頼高校の攻撃!しかし7回の攻防が終わって2対1と土南学園がリードしています!このまま雨天コールドゲームとなりますと、7回を終了していますのでゲームが成立します!となると、土南学園が北頼を倒すという、世間でいう金星をあげることになります!》
…
松坂『なげぇ…。』
島谷倫『もう試合始まって4時間以上経ってるぞ…。』
副島『まぁさっきの中断も長かったからな…。』
田中『頼む…コールドゲームだけはやめてくれ…』
風岡『喚くな。大切なのは不動心。俺達がギャーギャー騒いだところで天候には何の影響もない。大丈夫だ。今まで俺達がやって来たことが間違っていなければ必ず雨は止む。そういうものだ。』
青馬『キャプテン流石だなぁ。イケメン!』
風岡『黙れ。』
《さあ少し雨が弱くなってきましたか!?審判団も出てきました!どーやら試合再開のようです!》
神社原 隼人『コールドで逃げたかったのが本心だが仕方がない。このピンチを削って絶対勝つ!』
『3番、センター、風岡くん。』
ビュゴゴゥゥゥッッーーーッッー!!
≪150km/h≫
パッキィィィーーッッーーッンッ!!
神社原『え…。』
《入ったぁぁぁ!!3番の球帝こと、風岡蓮太郎のセンターバックスクリーンへの弾丸ライナー!!逆転スリーラン!!試合再開直後の一球!!4対2!!北頼高校逆転!!》
『4番、ピッチャー、青馬くん。』
風岡『大輔。今がチャンスだ。一気に畳み掛けろ。』
青馬『おう。勝てば鬼頭と戦えるかもしれねえんだから、当然やるぜ。』
ビュゴゴゥゥゥッッーーーッッー!!
カキィィーーッーッン!!
《今度はレフトスタンドへ!!4番青馬も続いて5対2!!》
ザーザー
ザーザー
青馬『ちょっと雨も強くなってきた。さっさと終わらせっか。』
…
《最後は空振り三振!!北頼高校、土南学園のMAX154km/hの速球派エース神社原隼人に序盤苦戦、そして二度の中断がありながら、逆転勝利です!!これでベスト4進出一番乗り!》
北頼高校|100 000 043|8
土南学園|200 000 000|2
ザーザー
『本日の第二試合は、雨天のため、順延となります。』
《そして今日の第二試合、邦南vs楽秦工業の試合は、明日の第三試合に順延、と発表されました!》
副島『明日か…。』
松坂『いつになってもベストを尽くすだけだぜ。』
木村『明日も雨っぽいけどね。』
鬼頭『まあ午後かららしいけどな。』