No.223:鬼頭vs赤嶋―ありがとう。
赤嶋『まさかこの甲子園の舞台でお前と対決することになるなんてな。感銘するよ。』
鬼頭『頭也の高校野球生活の終止符には俺がぴったりだろ。』
赤嶋『それはこちらの台詞だ。全力でかかってこい。』
鬼頭『言われなくても。』
ビュゴゥゥッッッ!!!!
カーン!
『ファールボール!』
≪155km/h≫
西口(初球から当てた…!)
赤嶋『認めてやるよ。博行。俺が今まで見てきた投手のなかで、お前が最高の投手だ。』
鬼頭『俺を育ててくれたのは間違いなく頭也…お前のおかげだ。』
ビュゴゥゥッッッ!!!!
スッッ
赤嶋『何年も、何千、何万球と受けてきた俺がお前のそれに引っ掛かるかよ!』
カキーン!!
《強い打球!流した!しかしファール!!》
西口(赤嶋もこの場面…さすがに打ち気に逸っている。全球種を交えて最後は超高速シュートでいこう。)
…
ビュゴゥゥッッッ!!!!
カァクゥゥッッ!!
《ストライクからボールになるスライダーを見送ってカウントツーツー!!勝負のカウントだ!》
西口(いきますよ。)
西口が超高速シュートのサインを出す。
西口(なに!?)
鬼頭は首を横にふった。
鬼頭(こいつには…最後はこれでいきてえんだ。拓磨。)
西口(直球勝負ね。勝ってくださいよ。)
鬼頭(俺にとって特に特別な頭也だからこそ…、最後はこれでいきてえんだ。)
『俺の、魂のストレート――――――』
ビュゴゴゥゥゥッッーーーッッー!!
赤嶋『ストレート!!受けてたつ!!!』
キュウィィーーーッーッーン!!
赤嶋『ウラァーッー!!!』
ズッッ
バァァーーーッッッーッーーーンッ!!
≪156km/h≫
鬼頭(世話になったな。頭也…。ありがとう。)
赤嶋(俺は…こんなすげぇやつをリードしてたんだな…。)
《空振りの三振!!!最後は甲子園最速のストレート!!156km/hで試合を締めた!!最後は元同僚、そしてもと恋女房の赤嶋頭也を空振り三振に斬ってとった!!》
『『『ゲーム!!』』』
『『『ありがとうございました!!』』』
《三回戦、神奈川代表・美鶴学舎と愛知代表・邦南の一戦は、両軍の息詰まる投手戦の末、1対0で、邦南が勝利をおさめました!!邦南の先発投手、一年生の小宮は9回ツーアウトまでパーフェクトピッチングという素晴らしいピッチングを見せました!!》
赤嶋『こっから先が大変だぞ。』
鬼頭『わかってるよ。またいつか、バッテリー組めるといいな。』
赤嶋『勝てよ。次も。』
鬼頭『ああ。』
美鶴学舎|000 000 000|0
邦南高校|000 000 01Χ|1
??『勝ったな。邦南。』
??『結局どーすんだ?直政。』
??『この試合に勝った方に行くって心のなかで決めてたぜ。俺、邦南に行くわ。そんでエース奪って甲子園で優勝してやる。逸也、お前はどーすんだ?』
??『俺も悩んでるよ。ただお前とまた野球やんのも疲れるんだよな。』
??『なんだよ。行こーぜ。邦南。』
??『考えとくよ。』