No.218:現バッテリー、エースと恋女房
赤嶋(大丈夫だ…俺のセンセイショナリズムでコイツを撃ち取ることなど簡単…)
ビュゥゥッッ!
カキィィーーッーッン!
《初球を捉えた!!!しかしファール!》
鬼頭『…。』
赤嶋(博行まで…どーなってんだ!?コイツら生意気な…。)
ビュゥゥッッ!
赤嶋(俺のリード通りに栄は投げてくれている…。これは空振りだろ!!)
カキィィーーッーッン!
『ファール!』
《これも痛烈な打球でしたがファール!!しかし4番の鬼頭、ここにきて美鶴学舎のエース栄をとらえ始めています!!》
赤嶋(これが…俺のリードの…限界ってことか…?)
ビュゥゥッッ!
栄(空振り三振だ!)
カクッ
『ボール!!』
栄(やっぱ思い通りに撃ち取られてくれない…。ねぇ…頭也…どうすんの…。)
赤嶋(俺のリードじゃ…今のコイツは撃ち取れない…。)
(…歩かせよう…。)
《さぁキャッチャー赤嶋が立ち上がった!カウントは1ボール2ストライクと追い込んでいます!敬遠のようです!》
名古屋『頭也…。』
栄『嫌だ…。』
プイッ…
《おっと!?これはピッチャーの栄が座れというジェスチャーをしていますか!?》
赤嶋『なぜだ…。清二郎。いつも俺のリードについてきてくれただろ…。』
栄『あぁ!そうさ!』
赤嶋『ならなぜ…?』
栄『今のリードは、本当の頭也のリードじゃない!!!』
赤嶋『!?』
栄『自信持てよ!!自分のリードに!!そんな逃げ腰リードだったか!?大丈夫だ!俺らみんなは、お前のリードで打たれて負けても、誰も後悔しねえんだよ!』
赤嶋『清二郎…。』
栄『信じてんだよ。みんな。一緒に高校野球を歩んできた、最高のキャッチャー、赤嶋頭也って男を。キャプテンを。』
赤嶋『お前ら…。』
《おーっと!キャッチャー赤嶋、座ります!!勝負のようです!!!》
鬼頭『そうこなくっちゃな。頭也。』
赤嶋『勝負だ。博行。全力でかかってこい。』
『プレイっ!』