No.209:小宮、西口vs亀丸、多賀谷
『1番、ライト、亀丸くん。』
西口(亀丸が1番か…。そして2番に多賀谷。)
小宮(まさか健太や広大と対戦することになるとはね…。負けないよ!)
『さあ打席の亀丸と2番の多賀谷は邦南バッテリーの小宮と西口と中学時代同じチームでプレイしていた同朋でもあります!注目の対決!』
赤嶋『小宮哲都。右投げ左打ち。小学校では大阪で野球をやり、中学から西口とともに愛知に転校。高校での初登板は愛知県大会3回戦の愛知農業大名林戦。この試合では9点ビハインドから登板し、自身のピッチングで試合の流れを変えることに成功。見事な好リリーフで大金星をあげることに成功。球種はチェンジアップ、ツーシーム、そして四段ドロップといわれるオリジナルな特殊球。時折サイドからも投球をし、そのときはチェンジアップはシンカーとなり、四段ドロップは浮き上がるスライダーのような球道を描く。そしてクイックも抜群、ランナーを背負ってでの投球も文句なし。粘り強い。ピンチで三振がとれる。とても一年生とは思えない投球をする。さすがは全国準優勝投手。だがこの試合はこちらにとって有利な状況がひとつだけある。それは、彼は、実戦登板が7月20日、先ほど述べた名林戦以来の登板という点。だからこそ狙え。初球を。久々の実戦、ストライクが欲しくないはずがない。狙え。亀丸。君ならわかるはずさ。彼の心理がね。』
ビュウッゥ!
スッッ
カッキィィーーッッーーッン!!
西口(やっぱ狙ってたか…。)
『初球を流した!大きな打球がレフトへ!!』
名古屋『よし、レフトの守備範囲なら抜ける!』
赤嶋『いや、今日のレフトは藤武だ。』
パシッ
『レフト藤武がランニングキャッチ!まず先頭の亀丸を撃ち取りました!』
赤嶋『今日唯一予想が外れたのはレフトの彼だ。ま、気にすることはない。我々の膨大な情報量の前に邦南は屈することになるのだからな。』
『2番、ショート、多賀谷くん。』
勾城『亀丸が1番、そして2番に多賀谷。悪くねえな。』
桜沢『そいつらはどーゆーやつなんだ?』
勾城『自分等の代の黒シャーの主力です。中学の頃は1番に多賀谷、亀丸は3番、自分は4番で、小宮が5番、西口が背番号12ながらも途中から6番キャッチャーでした。亀丸は流し打ちが得意で、かつ逆方向へもホームランが打てる、超広角打法、さらに俊足強肩の選手。多賀谷は1番だったので脚が速いのはそうなんですが、めちゃくちゃ速いって訳でもありません。でも盗塁のうまさだけは奴に勝てるのは水仙くらいだとおもいます。それほど盗塁はうまいです。あとは基本的に引っ張るタイプの打者です。多賀谷は。左バッターで俊足巧打なんですがライト方向へのヒットが多いんですよね。打球方向は対照的な二人ですね。でも多賀谷はその盗塁技術を生かすために、カットをすることには相当長けてます。特に亀丸は驚異です。多賀谷は出さなければいいですけど、亀丸は打席に立つだけで驚異ですから。』
ビュゥゥッツ!
カキィーーッン!
『ファールボール!』
西口(なかなかそう簡単にはいかねえよな。)
ビュゥゥッッ!
ギュルギュルルル!!
多賀谷(は!?知ってはいたけどよ…ここまですげぇのか…。)
ブンっ!
『空振り三振!!小宮、元チームメートの二人をまず撃ち取りました!』
亀丸『広大。やっぱアレ?』
多賀谷『ああ。やっぱアレだったわ。』
亀丸『次の打席以降が楽しみだわ。』
多賀谷『間違いねえ。』
『3番、キャッチャー、赤嶋くん。』