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残虐悪魔の偽正義  作者: 残虐ナルシ
『悪魔狩り』の悪魔と『最弱』の少女
6/6

第5話 漆黒の悪夢

今回初めて前書きを書くことにしました、残虐ナルシです。今回は第5話ということで、第4話の守とサリーの訓練戦の続きとなります。

ハンデ与えすぎたな…俺は少し後悔をしていた。サリーを見くびり油断していたせいで、目の前のサリーに俺は喉元に銃口を突きつけられている。

 ここまで追い詰められるのは久しぶりだ…。そう、()()()()()()()()を追い詰めるやつとの戦闘が久々で、すごく楽しい、楽しすぎる。これはしっかり()()()()()()()()相手に悪いな。

「ふふふ…はははははっ」

「…何で笑ってるんですか?」

 突然笑い出した俺を見て、サリーの表情に一瞬眉をひそめる。だが、そんなことお構いなしに俺はニヤリとし

「教えてやるよ。久々の楽しい戦闘だからだ!!」

そういうと突如、俺を黒い霧のようなものが包む。慌ててサリーは銃弾を俺に撃ち込むが無駄だった。その銃弾が俺に当たる直前に、俺は完全な暗闇に包まれたのだ。そして、俺は銃口を突きつけられていた場所から少し離れていた場所へと現れた。その場所から、俺が目の前から消え、銃弾をはずしたことに動揺しているサリーに声をかける。

「背後、がら空きだけどいいの?」

そう、俺はサリーの背後に伸びていたサリー自身の影から出現していたのだ。慌てて振り返りながら銃弾を放ち後ろに飛び退るサリー。しかし、動揺しているためか狙いがずれたから、俺は難なくかわした。そして俺は、紫色の瞳に再びなった俺はニヤリとし…

「それと、さっきの手榴弾のお返し、してやるよ。」

そう言った瞬間サリーはハッとし、自分が飛び退っている先の地面を見る。そこには、俺がついさっきそこから消える寸前に足元に配置しておいた、輪の形をした白く輝くエネルギー体があった。

「『魔術仕掛けの罠【爆】(ソウルトラップⅠ)』」

俺が静かにそう言うと、その輪を基盤としてエネルギー体が輪の内側に幾何学的な模様を地面に張り巡らせた。そう、それが魔方陣となるように。サリーはそれから逃れようとするが、『弱送信』以外のFoGを持たないアイツは空中で自分が落ちていく軌道を変えられるはずがない。サリーがその魔法陣上に足がついた直後、それは輝き中心部から爆発した。

…そして俺は爆発する直前、「『再装填リロード』」と素早く呟き自分の周りに9つの魂の球体を出現させる。そして、再び『魂の魔弾』と今度は呟くように言い、魂の内2つをそれとして爆発の中心部から左にずれたところに撃ち込んだ。すると、そこから2発の銃声と短い悲鳴、サリーの悲鳴が聞こえた。

 俺はサリーがギリギリのところで回避行動を取り、爆発の威力を利用して銃を持っている右手がすぐに出る側…つまり、俺から見たら左側に飛び出そうとするこは予測できた。ならば、その回避するであろう場所に『魂の魔弾』を放てば当たる確率が高いということになる。

 サリーは飛んでくる魔弾に気づいて、慌てて銃弾をそれに撃ち相殺しようとしたみたいだが、1つは命中したようだ。銃声が聞こえた後、俺は魔弾から発せられている光が1つしか消えてないのを見たからだ。その後の悲鳴ともなれば、残り1つがアイツに直撃したことは明白だ。

砂埃で遮られていた視界が明るくなっていくと、そこにはかなりボロボロとなっていたサリーが、未だ戦意を失っていない目で俺を見ながら立っていた。

「そんな状態じゃもう勝ち目なんてないと思うけど、降参する?それとも死ぬの?」

「まだ…です!!」

 そうサリーが断言すると、そのまま2発の銃弾を続けざまに放つ。…が、たかがそんなことだ。次の瞬間、1発目の銃弾が俺が突き出していた左手に触れた瞬間、ドロリと溶け液体と化し地面に滴下していく。俺の左手はというと、一切の無傷だ。そして、続けざまに飛んできた2発目も同じく液体と化す。元銃弾だった金属の液体からは湯気のようなものも出ていた。

「えっ…!?」

「これでも諦めない?俺の圧倒的強さを見ても。オマエには絶対に勝てないよ、()()

「…ふざけないでください!!」

彼女はキレた様子で再び銃弾を2発撃ってくるが結果は同じく、銃弾は液体と化した。だけど、アイツの狙いを気づいていた俺は、左手の高熱で銃弾を溶かしながらしゃがみ、足元に転がってくる手榴弾を右手で掴む。

「!?」

 アイツが一瞬俺の行動に驚いたのがわかった。普通ならピンを既に抜かれて数秒立った手榴弾を拾うなんて自殺行為でしかない。普通ならな。…手榴弾は一切爆発しなかった。アイツが完全に動揺を隠せてないところに、俺は手に握っている手榴弾をアイツに投げ返す。

「きゃっ!?つ、冷た…い!?何で…?」

彼女は手にぶつかった手榴弾の異常な冷気に驚きたじろいだ。

「俺の『嫉妬』の能力だ。触れた物の温度を変化させる、それを使って右手で拾った時にそいつの温度を下げてを凍らせたんだ。銃弾は逆に左手で温度を上げて融解させたってわけ。」

「そ、そんな、…こ、こんなの…」

「勝てるわけないとでもいうのか?そんなの、さっき俺が言っただろ」

「…」

そのまま悔しそうな表情をするが、降参の宣言はしないようだ。

「降参しないんだったら、更に痛めつけてやるよ!!」

 そういうと、俺は『魂の魔弾』を4発同時にサリーへと放つ。サリーは2発をかわそうとするが、残りの2発が直撃する。彼女は悲鳴を上げたみたいだが、声になっていなかった。その場で倒れるもまたすぐに起き上がろうとする。

 …よっぽど負けたくないのか相当無理して立ち上がったサリーに俺は

「銃弾でいくつか相殺すればお前ならかわせたはずだ…なんで撃たなかった…いや、撃てなかった?」

「!?」

明らかに動揺がアイツの顔に走ったが、俺はニヤリとした顔を崩さずに続ける。

「残り3発しか撃てないから…そんなとこだろ?」

「な、なんのこと、です、か?」

「動揺しまくりな。今まで使った銃弾や銃の型とかを観察して、お前の銃がベレッタ…しかも92シリーズということはわかった。92シリーズの装弾数は15発…そして、お前が撃ったのは12発だから残り3発なのは小学生レベルでもわかる」

「…仮に、仮にそうだとしてもそれがどうしたんですか」

「そんなの銃を日ごろから使ってるお前が一番分かってるだろ。再装填するのに一瞬だろうと隙ができる。俺がそんな隙を見逃すほどのお人好しとでも思ってるなら、お前の頭は見た目に比例して限りなくお花畑に近い幼い思考をするんだろうな」

「…人のことを馬鹿にしないでくださいっ!!」

サリーは怒りを込めるようにボロボロの体で反動に耐えながら2発の銃弾を撃つが、俺は1発を魔弾で相殺し、もう1発を左手で熱して融解させる。

 しかし、そこはさすがにアイツも予想ししていたようで、すでに俺の右側に移動して狙いをつける。俺はこの訓練戦で左手で加熱、右手で冷却をしていた。そこに気がついたアイツは右手では加熱ができない、すなわち、銃弾を融解されることはないと判断したのだろう。冷却ならば銃弾を冷却しても銃弾を止めることは出来ず、そして周りの空気を冷やして銃弾を閉じ込めるにしても、窒素と酸素が大部分を占める空気は冷却したところで気体から固体に一気に変化するわけがなく、その状態になる前に銃弾が俺に到達する。

 なるほど…確かに考えは悪くない、そう思いつつ、銃声がなる直前に右手を銃口に向けた。

考え方は悪くはないが…


誰が右手で加熱できないって言った?


放たれた銃弾は俺の左手に触れた瞬間、加熱されて融解していく。

「惜しかったな。いいところまで考えたけど、後一歩足りなかった」

「…」

 俺は驚き、恐怖、絶望などが表情に表れているサリーに俺は告げる。

「さて…、降参を告げてもらえるか?」

「…」

完全に震えて答えられない彼女に俺はニヤリと笑い更に追い討ちをかける。

「言えないなら…ルールでは戦闘終了にはならないから、お前のこともっと痛めつけるけどいいか?」

「…します」

「聞こえないな。」

そのまま右手でサリーの腕に触れて加熱する。

「いっ…あああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁッッ」

サリーが腕に出来た大きな火傷に悶えているところに俺はもう一度聞く。

「降参、してくれないか?」

「しますっ。しますからっ、もうやめて…ひぐっ」

泣きながら声を何とか絞り出しサリーが降参した。俺と最弱の少女との訓練戦は終了したのだった…

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