ロスト・ゴンドワナ覚書
【超幻界ゴンドワナの崩壊】
かつてゴンドワナという全き一つの超幻界があった。
しかしある時突如ゴンドワナが崩壊、数多の幻界と、広漠とした虚ろの海とに分けられた。
ゴンドワナの生き残りたちは力を合わせ、砕けた世界を元に戻そうとした。だが砕けた世界はどれもか弱く、一つの世界に戻ることはおろか、独立して形を維持することさえできなかった。
生き残りたちは、世界同士を繋ぎ合わせようと試行錯誤を繰り返した。そして、魂を定期的に移動させることで不完全な世界の繋がりを保ち、超幻界の残骸が失われないよう定めた。こうして生まれたのがパンゲア幻界群である。
パンゲア幻界群で生まれた魂は、一つの世界で生を終えた後、パンサラサの海で身を清め、また別の世界へと生まれる。停滞は許されない。全ての命を永遠に保つべく動き続ける。
すべては大いなる循環のために。
【葦原民と天ツ民、虚神】
ロスト・ゴンドワナのほとんどの民は転化生態を持つ葦原民である。一定期間ひとつの世界で暮らしてエネルギーを蓄え、死んだらエネルギーの半分を借り受けた魄(肉体)と共に世界に還元、もう半分を魂と共に次の世界へ持っていく。ひとつの世界にとどまる期間は定められていない。巡り合わせによって不規則に変わる。
一方、最初からこの魂魄の有り様に従わない、不転化生態を持つものが二ついる。
一つは天ツ民。世界に依存しない魂魄を五分ずつ持ち、どこにでもいるが総数は少ない。現在の天ツ民の多くは、パンゲアからの解脱によって発生した者たちであり、ほとんどがパンゲアとパンサラサの境、隣暮に住んでいる。
もう一つは虚神。魂魄が希薄であり、すべての生命の原野に佇む虚妄のものたちである。
【カロン】
カロンは輪廻を司り、隣暮に属し続けることを定められた種族である。その多くが人間に似た小人の容姿をしており、年月の影響を受けない。永遠に等しい命を持つため性別を持たないが、この物語では便宜上「彼」と称されている。多くの転生民は黄泉ヶ原を漂っているところをカロンに発見され、輪廻路に至り、転生していく。
カロンは自らの力で世界を渡ることができる。手首にぶらさげる光環や、空櫂という宝具の力を借りながら世界を渡る。この宝具は原初の霊師によって与えられた。宝具が力を発揮するには、使用者がカロンでなければならないという制限がある。
カロンには輪廻路を守るための役割が三つある。迎え番、案内番、御用聞きである。担当の役割を一人につき一つ決めて働いている。兼任はまずない。




