王都屋台ストリート。7
年に一度の特売でミニ大福どら焼きを買ってしまった。
凄く美味しかったです。
カロリーナとアガピトは最低でも恋人同士になると思う。
恐らく結婚する予感もあった。
そうなると村に住人が増えるか、カロリーナがでていくかの二択となる。
カロリーナは村に残る気がした。
アガピトはカロリーナの意見を優先するだろう。
だがそうなるとアガピトに執着していたラミアたちが暴れそうだ。
たとえラミアが攻めてきても、過剰な戦力がお出迎えするので安全性に問題はないけれど。
「カロリーナは良いお嫁さんになるのねー」
「同感」
「アガピトも良いお婿さんになると思いますわ」
「お婿さんかぁ」
「愛も恋人が欲しくなったのです?」
「残念ながら、全く欲しくないんだよねぇ……」
こちらの世界に来てからそちら方面の情動が驚くほどない。
性欲もないのが不思議だ。
その手のお店があるなら一度くらい行ってみたい気もするが。
「そういえば女性用の風俗ってあるのかしら?」
「ん。いろいろとあるのよ」
「う。男性用と同じくらいにはあるの」
おぉ、あちらより敷居が低そうだ。
「ただ紹介制のお店を使った方が良いのねー」
「ええ、安全性を考えると紹介制しか、勝たん! ですわ」
らしい。
なるほどなるほど。
いや、一度くらい行ってみたいってだけなんだけどね。
「ん。王都は充実しているのよ」
「う。次の占い屋さんで聞いてみてもいいの」
「あ、その手があったか」
残す予定はケンタウルスの占星術と教会主催の祝福所。
どちらに行こうか特に決めていなかったのだが、ケンタウルスの占星術に行く流れになった。
「間抜けな質問だねぇ」
「そんなことはないのねー。下手な紹介より安心安全なのねー」
「今すぐ行くつもりはないんだけど……」
「それこそ試しに行ってみればよろしくてよ。お話して終わっても、食事して終わっても喜ばれますわ」
「そういうもの?」
「一流店であれば、そういうものなのです」
何だか早速行く話になってしまったがどうなんだろう。
話している内に目的地に着くのが、既に決まった流れになってきた。
こんな鉄板なら悪くない。
「……目立つね」
「思ったより並んでいるのねー」
ケンタウルスの占星術は漆黒のテントだった。
大きさはそこまででもないが何しろ目立つ。
派手な装飾が多いので、漆黒は際立っていた。
「ちょっと! 何で占ってくれないのよ」
大人しく最後尾につけば、列の真ん中ほどから女性が一人引っ張り出されている。
ケンタウルスが子供を持ち上げるようにして列から外していた。
「うちの占いは人と懐を見る。君は人として最悪で無一文。なので占う価値はない」
なかなか上から目線の商売……と思ったけれど、無一文なら仕方ない。
無償でやっている所もあるのでそちらへ行くべきだろう。
「お、お金はなくても。売るものはあるわ! 私の体とか」
占いをしてもらうのに体で払う。
そんな支払いは基本的に受け付けない気がするが。
「無理だな。君の体に価値はない」
ですよねー。
女性の見た目は良かった。
着ている服も悪くない。
ただケンタウルスは性的な意味合いでは、女性に価値を見い出せない気がしたのだ。
「え? 私これでも人気者なのよ。誰でも私を抱きたがるもの!」
公衆の面前でそう言ってのけるメンタルは凄い。
列を作っている人々も、一部私と同じような顔をしている。
が!
大半は、何言ってんだ、こいつ? という不快感を剥き出しにした表情を浮かべていた。
「一般の女性はケンタウルスの性行為には耐えられない。即死したいのか?」
……えーと。
種族的に、サイズ的に難しいのはわかる。
けれど即死って……私が考えているよりケンタウルスの性交渉には危険が伴うのだろうか。
「そ、即死? そんな話聞いたことないわよ」
一瞬怯えた女性はしかし、それでも引かないようだ。
どれだけ占いをしてほしいのだろう。
「君なら即死する。私たちも勝手に死なれるのは困るのでね」
ケンタウルスは走ってきた騎士に女性を引き渡した。
騎士は慣れた手付きで女性を気絶させると背負って去って行く。
なかなかに容赦がない。
「失礼いたしました! 他の皆様は問題ございませんので、引き続きお並びくださいませ」
頭を下げたケンタウルスがテントへ戻っていく。
蹄の音が気持ち良かった。
「……これだけ並んでいても、彼女だけが駄目だった理由は何なんだろう?」
「人物鑑定したら犯罪者だったのです。しかもテロ系だったのです」
「あー、列に並んでいる人も巻き込む感じの?」
「占いで不穏な結果がでたのでしょう。適切な処置ですわ」
サクラの鑑定結果を聞いて納得した。
しかし怖いね、王都の屋台。
素知らぬふりしてテロリストが並んでいるんだから。
「列は長いけど、さくさく進むのね。何人も占い師がいるのかしら?」
「ん。これを見るの」
モルフォが一枚の紙を渡してきた。
前から回ってきたらしい。
お品書きか注意事項あたりかな?
「冒頭の注意が凄いね」
「う。これだけ並んで三秒で終わったら暴れたくなる気持ちもわかるのよ」
冒頭には大きな赤文字で書かれていた。
『占う内容によっては三秒で終わる場合が多くあります』
しかも多くの部分が更に強調されている。
「それでも列から抜ける人、いないんだね」
「長く見てもらえるかもしれないのねー。あとは並んだ時間が勿体ないと思うのねー」
「私は三秒じゃないし! っていう、自信家もいる気がしますわ」
ローズの声に周囲の人が頷いている。
まぁ、注意書きって大げさに書かれている場合もあるしね。
「入り口と出口が離れているのは、三秒の人が暴れるのを見せない対策なのかな」
「間違いなくそうなのです」
しかも料金は一律ときた。
前払いの100ブロン。
一万円相当。
確実に最適解が与えられるとしても、一万円を高いと感じる人は多そうだ。
三秒速攻じゃ雰囲気を楽しむ余裕もないだろうしね。
入り口が見えるほど順番が近付いてきた。
一つしかない入り口に人が吸い込まれていく。
一分おきぐらいだろうか。
「もっと列が短くなっても良さそうだけど」
「納得行かない人がもう一度並ぶとか」
「え。お金、勿体ない気がしない?」
「う。順番なのよ」
話をしている間に順番がやってきたようだ。
サイがお金を渡す。
赤石貨一枚。
入り口に触れた途端、椅子に座っていた。
「へ?」
「ようこそ、アイリーン・フォルス様」
「あ、よろしくお願いします」
目の前には如何にも占い師らしいベールをかぶった人物がいる。
声からして男性だろうか。
取り敢えず私は三秒速攻ではなかったらしい。
頭を下げて質問を告げようとして口ごもる。
男性相手にお勧め女性用風俗を聞くのが恥ずかしかったのだ。
「フォルス様にはエンペラーをお勧めいたします。ケンタウルスの占星術で勧められたとお伝えください。エンペラーは客を選ぶ超高級店です。きっとフォルス様を満足させてくださるでしょう」
「……質問しなくても答えてもらえる仕様なんですね?」
「はい。そうでございます。大半のお客様には無理でございます、の一言で終わってしまいますが」
苦笑の気配。
案外、背中を押してもらいたいだけの人が訪れているのかもしれない。
「ありがとう。行ってみるわね」
「こちらこそ。フォルス様を占えて光栄です。あの、フォルス様。ホルツリッヒ村では占い師の移住は可能でございましょうか?」
「あら、素敵な提案ね。占い師でもケンタウルスでも、この子たちが拒否しなければ移住は可能よ?」
想定外の質問に驚きながらも答える。
「……貴男なら問題ないのねー。ただ貴男だけならなのねー」
リリーの返答に男性は先ほどとは違う苦笑を浮かべたようだった。
喜多愛笑 キタアイ
状態 気恥ずかしさが持続中。new!!
料理人 LV 4
職業スキル 召喚師範
スキル サバイバル料理 LV 5
完全調合 LV10
裁縫師範 LV10
細工師範 LV10
危険察知 LV 6
生活魔法 LV 5
洗濯魔法 LV10
風呂魔法 LV10
料理魔法 LV13 上限突破中 愛専用
掃除魔法 LV10
偽装魔法 LV10
隠蔽魔法 LV10
転移魔法 LV ∞ 愛専用
命止魔法 LV 3 愛専用
治癒魔法 LV10
口止魔法 LV10
人外による精神汚染
ユニークスキル 庇護されし者
庇護スキル 言語超特化 極情報収集 鑑定超特化 絶対完全防御 地形把握超特化 解体超特化
称号 シルコットンマスター(サイ)
とても実用性の高いリュックサックの記事を見つけて値段をチェック。
68000円かぁ……。
日常使いとしてがんがん使うには厳しい値段ですよね。
一桁違うよ! と思った次第です。
次回は、王都屋台ストリート。8の予定です。
お読みいただきありがとうございました。
引き続き宜しくお願いいたします。




