弱肉強食(ジャンル:ファンタジー……?)
弱ければ食べられるのか?
うん。 強ければ食べて良いんだ。
なんとも無責任な言葉だな。
なんでさ? 逆に言えば、強い者を避けて上手く生きろって教えてくれてるのに。
あのなぁ。 お前はバカか?
賢いとは思ってないよ。
…… 例えば。 ほら、あそこにヨボヨボの爺さんと。 おっかない雰囲気の方がいるだろ?
うん、いるね。
あれ、どっちが強い?
おっかない雰囲気の人。 当然でしょう?
あえて聞くけどさ、理由は?
え。 だって老人が勝てるわけないじゃん。
それは先入観だろ? 結果なんて分かんないんだよ。 あの爺さんは合気道とかの達人かもしれない。 あのおっかない雰囲気の人は物凄い女々しくてなよなよした人かもしれない。
そんなことないと思うけど。
だから、分からないって言ってんだよ。 見た目で実力分かったらよ、争いなんて起こらないだろ? 勝てないのに挑むなんて、それこそバカのすることだ。
ふーん。 で、なんで弱肉強食って言葉が無責任なの?
だーかーら。 …… お前、自分の強さ分かるか?
うーん。 強さのジャンルによると思う。 でも、正確には分からないね。
だろ? つまりさ、弱肉強食ってのは。 誰かと争わないと分からないんだよ。 自分が弱いのか強いのかがな。 しかも、弱い事を知ることはそのまま死ぬことを意味してる。 死ぬ間際に自分が弱い事を理解してもなぁ。 手遅れ、ってやつだろ?
まぁ、ねぇ。 死ぬ間際に教えてくれたら、生き残れたかもしれないしねぇ。
だろ? だから、弱肉強食ってのは無責任な言葉なんだよ。
ふーん。 まぁでもさ、それを語れるのは。 体験したからだよね?
……まぁ、な。 はぁ、まったく。
弱くて死んだんだから、来世は強いやつに生まれ変わりたいぜ。
強くてニューゲーム、なんて選択肢あればいいね!
二人はそんな話をしながら。 来世という光に向かって歩いて行く。




