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テリトリー(ジャンル:エッセイ?)
こっからここまで僕のもの。
木の棒片手に地面に線を引く。
誰かがそれを越えちゃったら、僕はものすごく怒るんだ。
入ってくるな! そこは僕の場所なんだから。
子供のように駄々をこねる。
そうすることで守れる、僕が僕でいられる場所を。
僕は満足して笑顔になれる。
誰も触れられない僕の場所。 自分だけのもの。
とっても嬉しい。 とってもとっても嬉しい。
でもとってもとってもさみしい。 僕は僕を大事に思う。 思うから、こうやって守っているんだけどさ。
守るために、僕はいっぱい傷つけてる。
僕以外の人なんてどうだっていいけど。
いっぱい傷つけて。 その先にはいったい何があるのかな?
そもそも。 僕は僕の場所を守り続けて、何がしたいのかな?
そんな疑問抱いたら、悲しくなる。
僕の周りに引かれた、大きな円。 僕が守ってきた円。
でも…… 今はこの円が僕を守っているような気がするんだ。
ここが君の居場所だよって。 ここにいれば安全だよって。
とっても優しくて、甘えたくなる。
けどなぜか、とても虚しくなる僕の心。
僕はいったい、何をどうしたかったんだろう。
この線を越えてみれば分かるかもしれないけど。
僕にはまだ、その勇気が出ないんだ。




