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異世界は幸せ(テンプレ)に満ち溢れている  作者: うっちー(羽智 遊紀)


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79話 最深部到着 -何がどうなってるんですかね?-

暗い洞窟はテンションが下がりますね

 亮二達による深部調査は順調に進んでおり、前回の調査で走破した最深部の近くまで来ていた。


「思ってたより魔物の数は少ないよね?」


 亮二の問い掛けにマルコは水筒から水を飲みながら答えた。


「あぁ、そうだな。深部に入ってから魔物の数も質も入り口付近と同じなんてあり得るのか?学者様はどうお考えで?」


「そうですね。残念ながら今のところは『分かりません』の答えしか用意出来ておりません。ちなみに私達では感じにくいんですが魔物の強い気配はどのような状況ですか?」


 マルコに話題を振られたライナルトは現状では分からない事を周りに伝え、逆に質問を行ってきた。


「現状は特に変わらない感じかな?多分、俺やカレナリエンみたいに索敵が出来る人間が居なかったら、精神的に追い詰められて疲労困憊になってるんじゃないか?今も魔物がどこからか襲い掛かってくる気配だけはしてるもんな。今は近くに魔物は居ないから安心していいよ」


「リョージさんの索敵能力ってカレナリエンさんのように精霊魔法ですか?それともニホン国の魔法ですかね?」


 ライナルトから興味津々の質問を受けながら亮二はどう答えようかと考えたが、インタフェースの件を話す訳にはいかないので誤魔化すことに決めた。


「これはウチノ家に伝わる秘術だからやり方を教える事は出来ないよ。誰にでも出来るって訳でも無いしね。教えられる範囲の事は出し惜しみする事無く教えてあげるから、この件については勘弁してよ」


「分かりました。リョージさんから教えて貰った内容は今までの常識を簡単に覆す物が多いですからね。リョージさんが思われている以上に教えて頂いた内容は私たちレベルではなく、国家を動かす内容なんですよ」


「皆の役に立っているなら何よりだよ。ウチノ家の家訓で「やらずに後悔するなら、やってから後悔しろ」ってのがあるからね。これからも俺の知っている知識や経験で良かったら色々と教えるよ。もちろん言えない事も有るんだけどね」


 ライナルトから笑顔を浮かべながらも真剣な口調で言われた亮二は「イオルスが望んでいた通りになってるな」と心の中で呟きながら笑顔で返事を返した。ライナルトだけでなくマルコや部隊長や近くに居た冒険者達も亮二から聞ける知識や経験が有るのなら少しでも仕入れたいと願うのだった。


 □◇□◇□◇


「ここが最深部になります」


 当初の計画通りの時間に最深部にあたる広場に到着した一行は周辺調査を行っていた。広場は石板が設置されている箇所と同じくらいの大きさがあり魔物もおらず、他への道もなく特に変わった様子は無かった。


「前回の報告書の内容と何も変化は無いようですね。折角、学者さん達に来てもらったのも無駄骨だったのかしら?」


 そう言ったカレナリエンの言葉に一同が疲労と共に頷こうとした時に亮二から声が掛かった。


「ねえ、奥にも通路があるみたいだけど調査しとく?」


「え?奥に通路?何処にあるんですか、前回の調査と今の調査では発見されなかったんですけど?」


 カレナリエンの言葉を背に受けながら、亮二は壁に近づくとおもむろに壁の中に入って行った。忽然と亮二が消えたように見えた一同は騒然としたが、壁から亮二が顔を出すと安心したかのように近づいていった。


「よく、ここに隠し通路が有るって気付いたな」


「長年の経験?」


「11才の子供にどんな長年があるんだよ!言いたくないならそう言えよ」


 ゲンナリとした口調で答えたマルコに「相変わらずいいツッコミだ」と笑いかけ、部隊長に休憩を挟んだ打ち合わせの提案をするのだった。


 □◇□◇□◇


「で、どうする?」


「私達はもちろん奥に進む事を希望します。せっかくここまで来て更なる情報が手に入ろうとしているのに見て見ぬ振りなんて出来る訳ないじゃないですか!」


 ライナルトの台詞にマルコと護衛パーティーの一部から反対の声が上がった。


「俺としては反対だ。深部の更に奥が分かった時点で依頼としての成果は出てるから、それを土産に帰ればいいじゃねえか。この奥がどうなっているのかも分からないのに突入するのは態勢を整えてからでいいだろ。このパーティーはここまで到着して探索する事を見越した編成なんだから」


「俺もマルコさんに賛成だ。ここの空気にうちの魔法使いがやられ気味だ。さっきリョージから貰ったマナポーションで大分と回復してるけどな」


 両方の意見を聞きながら部隊長は悩んでいた。余りにも順調に進んだ探索、怪我人が1人も居ない状況、マルコ、カレナリエン、リョージと戦力としては申し分がない。それに学者達も奥に行くことを望んでいる。部隊長としても奥がどうなっているのか興味が湧いており、奥の詳細が分かれば今後の防衛ラインの構築にも役立つと考えていた。


「よし、もう少し進んでみよう。これからはマッピングの必要が出てくるからカレナリエンさんにお願いして良いか?」


「分かったわ。マッピングは精霊と一緒にするから詳細な地図を期待しておいて」


 カレナリエンの心強い台詞を聞いて部隊長は力強く頷くと今後の行動について各チームに命令を伝えた。


「チームの再編成を行う。マルコと2班と5班は拠点チームとして広場の確保を頼む。1班と3班とリョージは先行班として魔物を最優先で討伐、4班と6班は後衛チームとして先行班が崩れた際は探索チームの防衛を。探索チームは逃げる事を再優先で考えて行動する事。いいな!」


 部隊長の掛け声に全員が「おぉ!」と返事をすると各自行動に移すのだった。

さらに奥が有るのはテンプレですよ。

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