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異世界は幸せ(テンプレ)に満ち溢れている 作者:うっちー(羽智 遊紀)
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78話 抽出、衛生管理 -水は大事ですよね?-

深部調査は気合が入ります
「では、これより深部調査を行う。これからは私の指示に従うように!特に探索チームと護衛チームのリョージは指示に従わない場合は拘束及び処罰もあり得るので忘れないように!」

「もちろん部隊長の指示に従います。それとリョージさん、お付き合い頂いて有難うございました。リョージさんの指導のお陰で深部への恐怖心を持つこと無く私達の頭脳を使う事が出来ます。深部への調査では皆さんに全幅の信頼を置いて調査に専念させて頂きますのでご安心下さい」

 部隊長からの突入前の牽制の掛け声に全体的にギクシャク感が発生したが、それを察知した探索チーム「ライナルト=ノスケ」が代表として答えた。

「私達は神童、天才、未来を切り開く者と周りから言われ続けていく内に感覚が麻痺していたのでしょう。奉仕してもらうのが当たり前と思っていました。それこそ『選ばれた俺達を守るのは当たり前だ』とさえ思っていたのです。そんな驕った気持ちを持っていた私達に危機感を抱いてくださったのがリョージさんでした。『これから深部調査をするときに不協和音を持って行くと生きて帰ることも出来ないぞ』と。リョージさんの厳しい訓練も私達にとっては新鮮でした。今までは何をするにしても全てが用意された状態だったんですからね。“自ら動いてこそ全体の効率が上がる、謙虚を全面に出せば最大最高の成果が得られる”これを忘れずに王都に戻ってからも私達は謙虚な姿勢で行こうと思います」

 ライナルトが話し終わると亮二は盛大な拍手を始めた。

「そうなんだよ!俺はそれに気付いて欲しくて動いていたんだよ!」

「嘘つけよ!さっき『面白そうだったから』って言ってただろ!」

「なっ、マルコばらすなよ!」

 亮二とマルコの掛け合い漫才のようなやり取りを見ながら一同は笑い合うと、先ほどのギクシャク感が嘘のように消え去り再度注意事項を確認して深部調査へ進むのであった。

 □◇□◇□◇

“試練の洞窟”の深部は見た感じは特に変わった様子もなく、一見すると落ち着きのある状態だが押し寄せて来る雰囲気が深部に入った瞬間に変わっていた。

「なにこの感じ?」

 亮二の呟きに学者の1人が説明を始めた。

「魔物の気配を強く感じる事が出来る鉱石で出来ていると言われていますが、実際のところは分かっていません。採取して持って帰っても何の変哲もない鉄鉱石でしか無いので」

「え?これって鉄鉱石なの?ちょっと待ってもらっていい?」

 亮二は一度、全体を止めると部隊長の許可をもらい近くに転がっている石を手に持つと抽出を行ってみた。

「確かに鉄鉱石だね。結構、鉄を含んでいるいい鉄鉱石じゃん。ここで採掘したらいいと思うんだけど、牛人が出るかもしれないから出来ないのか」

「リョージの台詞じゃねえけど、ちょっとだけ待ってもらっていいか?お前今何やった?」

 亮二の作業を見守っていたマルコが理解できないとの顔で質問をしてきた。

「え?鉄鉱石から鉄を取り出しただけだけど?」

 亮二はマルコに答えながら周りを見回すと、警戒の為に周囲に居ない者を除いた部隊長、マルコ、探索チームの6人が驚愕の表情で亮二と右手の鉄を交互に眺めていた。

 -そう言えば、この世界の抽出方法を知らなかったな。魔法で抽出とかしないのか?-

「え?俺の国ではこれで抽出してたんだけど?この国では違うの?」

「お前の国はどうなってるんだよ。少なくともこっちの国で魔法を使って抽出する人間なんて誰一人居ないぞ。高炉を利用して鉄を作ってるぞ」

「そうですね。リョージさんにはぜひ王都に来て頂いて今のやり方をご教授いただきたいですね」

 呆れ顔のマルコに顔が近づかんばかりに寄せてきているライナルトにやり過ぎた感を存分に感じつつ「どうしたもんか」と悩む亮二だった。

 ◇□◇□◇□

「一旦ここで休憩しよう。1班と2班は周囲の警戒!リョージ班は食事の準備、それ以外の班及び探索チームはそれぞれ休憩!但し、何が有っても対応できるように油断だけはしないように」

 部隊長の号令でそれぞれが指示通りに動いていた。亮二は食事の準備を始めるために【土】属性魔法で人数分を賄える椅子と机を用意し、その上にストレージから取り出した温かいスープや飲み物、すぐに食べられるようにサンドイッチやハンバーガーのような物を取り出して並べた。

「食べられる人から順番にこっちに来て。【水】属性魔法で手を洗ってもらうから」

【水】属性魔法でウォーターボールを作って待っていたが誰も来ないので周りを見渡すと、諦め気味の顔でため息を吐いているマルコと部隊長、議論を始めた探索チームと驚愕の表情で固まっている他の護衛パーティーが目に入った。

「だから、リョージ。それは非常識だって教えといたろう。お前の国の常識はこっちでは物凄い非常識なんだからちょっとは自重しろ」

「やり方さえ、分かれば誰でも出来るよ?」

「その、やり方が誰も見付けられなかったんだよ!」

 マルコと部隊長以外の探索チームと護衛パーティーに【水】属性魔法での衛生を確保する方法の一環である事を伝えると、護衛パーティーからは今後の依頼を受けた時に水の持ち運びが少なくなる事に、探索チームは原理を究明する為に深部調査が終わったらやり方を亮二から習う事となった。

 深部調査から帰還後、亮二から【水】属性魔法での衛生管理方法の教えを受けたパーティーは怪我による休業期間が減り、探索チームはやり方を手順化し冒険者に広める事で冒険者の怪我及び死亡率を大幅に下げる事に貢献するのだった。
衛生管理は大事ですよ。
よければこちらもご覧下さい!

召喚されたおっさんには異世界知識もチートもないけどいいですか?

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