349話 宿場町での騒動 -宴会は楽しいですよね-
クロとの戦闘は楽しかったです!
クロとの模擬戦も終わり、出発をした亮二は最初の宿場町に到着した。事前に連絡を受けていた宿場町の人々は、人生の恩人である亮二を出迎えるために町の人達は集合しており一行の到着を熱烈に歓迎した。
「出迎えご苦労。繁盛してるみたいだな」
「ええ。そりゃあ当然ですよ。あのドリュグルの英雄が初めて貴族として、貧民対策を始めたんですからね。参加している人数も多いですし、物を販売していても人が多いから売れますし、宿を経営してていつも満室なんですよ。これほど商売人としてやり甲斐のある場所はないですよ!」
亮二の言葉に、出迎えた宿場町の町長をしている男性が笑顔で答えた。教皇領までの街道整備はかなりの経済効果を出しており、他の貴族達も街道整備に力を入れ始めているのとの事だった。
「なるほどね。だから陛下はリカルドを欲しがってるのか。本人の希望次第だけど、王国直属の騎士にしてもらうのもいいかもな。上手く行けば叙爵されるだろうし」
宿場町の町長から話を聞いていた亮二だったが、多くの人が集まっているのを確認すると馬車に乗っていた婚約者達を降ろして順番に紹介を始めるのだった。
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「おい。あの馬車から全員降りてきたよな?」「ああ。間違いないよな? あれはエレナ姫?」「あっちは精霊の愛娘のカレナリエンだろ」「俺、あの子知ってる! すいーつ研究所のソフィア所長だ」「さすが大公となると、婚約者も多いんだな」
それほど大きくない馬車から亮二と婚約者が八名も降りてきたことに、町の住民達は仰天していた。騒然としている住民たちを代表する形で町長が恐る恐る質問する。
「あ、あの。この馬車のどこに皆様は乗って居られたのでしょうか?」
「ん? そうだぞ。でも、その辺は気にしなくていいよ。俺の馬車は特別製だから」
町長の質問に亮二は軽く答えて煙に巻くと、通る声で住民に向かって話しかけた。
「出迎えご苦労! 俺の発案で始めた街道整備だけど、問題なく終わったみたいで皆には本当に感謝している。これから出来栄えの確認しながら教皇領に向かう予定だ。まずは最初の宿場町として色々と見学をさせてもらう。だが、皆は気にする事なくいつものように仕事をしていてくれ。夜には俺の主催で完成記念パーティーをするから、食べ物関係の店は準備をしていてくれ!」
亮二の言葉を聞いた一同は大歓声を上げた。冒険者時代からお祭り騒ぎが好きなのと規模が大きいのは有名であり、また費用も全額を亮二が負担するとあって大歓声はさらに高まるのだった。
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「良かったのですか? 教皇領まで宿場町はたくさんありますよ?」
「良いんじゃないか? 領地も増えて経営も安定して収入も多くなったし、冒険者稼業もして報酬もたんまりともらっている。使わずにいると経済も回らないだろう。他からも苦情も出るかもしれないしな」
亮二はストレージから金貨を五〇枚を取り出すと、メルタに渡して準備を整えるように頼んだ。相変わらずの金銭感覚のなさに一同は苦笑しながらも、視察やお祭りの準備の為に各自行動を始めた。一同が準備を始めている中、住民に挨拶をしながらマデリーネが話し掛けきた。
「それにしても、こんな移動の仕方をするとは思っていませんでした」
「だろ? 転移魔法陣を使った移動方法だからな。ぶっちゃけると、俺も移動しなくてもいいくらいだからな」
今回の移動は婚約者達の希望で馬車で移動する時は二人きりなるようになっており、街に入る際は魔道具である拡張の部屋に設置されている転移魔法陣で、残りの婚約者達が合流する手はずになっていた。
「それに帝国にはこれほど素晴らしい馬車はありませんでした。揺れや振動が殆どないのは王国の馬車だと当たり前なのですか?」
「そんな事はないぞ。馬車は振動や揺れが無いように俺が考えたけど、一番大きいのは街道整備の素晴らしさじゃないかな? 本当にリカルド達は丁寧な仕事をしてくれているよ」
亮二は馬車の性能だけでなく街道の作りについても説明した。感心しながら話を聞いていたマデリーネは帝国でも街道整備の必要性を感じ、兄のクヌートを通じて王国側から人材を派遣してもらおうと心に決めるのだった。
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「挨拶は入り口でしてるから省略! 街道整備が完了した事を祝して乾杯!」
「「「乾杯!」」」
ふざけた亮二の挨拶から始まった宴会は大盛況の様相を呈していた。宿場町に住んでいる者はほぼ全てが参加しており、料理や飲み物に場所代も亮二が全て負担しており遠慮せずに思う存分と食べていた。三時間ほどで材料が足りなくなってくるとストレージから次々と提供し始めた。
「ちょっと! リョージ様! なにをしてるんですか!」
「ふはははっは! 皆の者! 存分に食べるがよエィ!」
亮二が勢い良く食材を次々と取り出し始めた事に、エレナが驚きながら止めようとした。しかし、そんな動きを嘲笑うかのように巧みに躱しながらストレージからスイーツや飲み物、果ては魔道具まで取り出して使い始めた。
「水が足りないんらろ? あるぅえ? なんんか急に眠くなって……」
「誰! リョージ様にお酒を飲ませたのは!」
エレナがなんとか取り押さえると、急にテンションが低くなった亮二は腕の中で眠り始めた。思ったよりも軽い事にホッとしながらも犯人を探そうとしたエレナだったが、一番怪しいカレナリエンは遠くで冒険者達に酒を飲ませており、それ以外の婚約者達も別の場所で接待を受けていた。
「ひょっとして? やっぱり!」
亮二が手に持っていたグラスから漂ってくるアルコールの匂いに、間違ってアルコール飲料を飲んだと判断したエレナは、亮二をお姫様抱っこをして宿泊所に連れて行くのだった。
途中から記憶が……




