↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界は幸せ(テンプレ)に満ち溢れている  作者: うっちー(羽智 遊紀)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
367/435

348話 教皇領に向けての旅立ち -出発しますね-

準備が整ったのでオルランド達に会いに行きます。

「じゃあ出発するけど、順番は本当に問題ないんだよね?」


「ない。早く出発する。リョージ様と二人きり」


 一種異様な空気の中、亮二が最終確認するとクロが無表情ながらにいつもよりテンション高く言い切った。馬車の周りには婚約者達が集まっており、忙しく準備する者や羨ましそうに眺める者などに分かれていた。


「ぐぎぎぎぎ! あの時にグーを出さなければ」


「まだ言ってる。だからエレナは私への仕打ちで天罰が落ちたのよ」


 ハンカチを噛みしめながら唸っているエレナを、カレナリエンがドヤ顔で嬉しそうに笑っていた。そんな二人の様子を苦笑しながら見ていた亮二だったが、目の前にメルタとソフィアがやって来るのに気付くと声を掛ける。


「どうしたの? 準備は終わった?」


「はい。準備は完了です。必要な物については、こちらのアイテムボックスに収納しました。リョージ様だから大丈夫だとは思っていますが、気を付けてください。私の番になるのを楽しみに待ってますね」


「リョージ様! これには新作のスイーツが入っています! ぷりんの新作も入ってるので……あわわ!」


 メルタからアイテムボックスを受け取っている亮二に、ソフィアも新作のスイーツが入っているアイテムボックスを渡そうしたが、慌てたために足がもつれて転倒しそうになった。


「危ないぞ。気を付けないと。ソフィアはお約束の申し子なんだから」


「はわわ。あ、あ、有り難うごじゃいます。あっ!」


 亮二に優しく受け止められ、至近距離で顔がぶつかりそうな距離で注意を受けソフィアは、真っ赤な顔になって離れようとしたがパニック状態の為か、さらに体勢を崩すと亮二を巻き込んで倒れてしまった。


「はっはっは。さすがソフィア。見事なお約束コンボだな」


「あわわわ。どきます! すぐに退きますから!」


 女性特有の柔らかさを感じながらソフィアのお約束を賞賛した亮二に対して、顔どころか全身を真っ赤にしたソフィアは慌てながらも未来の夫の体温を感じながら名残惜しそうに体勢を整えるのだった。


 ◇□◇□◇□


「ソフィアの体温も満喫したから、元気よく出発するか!」


「任せて。リョージ様と一日二人きり。ふふっ」


 亮二とクロを乗せた馬車が領都から出発した。見送りに来ていたのは婚約者達だけであり、セバスチャンや文官長のニコラスや配下達はさらに増えた領地からやってくる書類と格闘しており、マチカドドウシンやアラちゃん騎士団の主力部隊はワール商会の従業員の再教育中であり、その他は治安維持活動を精力的に行っていた。


「じゃあ、後は部下達に任せて、たまにはユックリするか。おい、アラちゃん達が居ないからって手を抜くなよ。あれ? ひょっとして俺と一緒に出かけるのって親衛隊として初めてじゃないか?」


「そうですよ! 親衛隊ってなんだろうと思っていたんですが、やっとリョージ様と一緒に出かけられるので頑張りますよ! リョージ様の素晴らしさを布教する親衛隊でも、二十四時間耐久リョージ様の素晴らしさを伝える部門で男性として唯一受賞している私の力を見てください!」


 親衛隊のエルナンが得意満面の表情で告げてきた内容が腑に落ちない亮二だったが、機嫌良く装備の点検をしているのを見ると、なぜか声が掛けづらくなり、軽く首を振って気分を変えると出発の指示を出した。


「今度こそ、リョージ様と二人きり」


「まあね。周りには護衛が沢山居るけど」


「それは仕方ない。馬車の中は二人きり。乙女心を分かって欲しい」


 クロが横に座って肩に頭を乗せてきた。二人きりと言うには護衛に囲まれている状況に苦笑しながら亮二が答えると、頭を撫でられながらも頬を膨らませてクロは苦情を伝えてきた。亮二は柔らかく微笑みながら立ち上がると、ストレージからスイーツと紅茶を出して並べ始める。無表情だが目をキラキラさせて、スイーツの山を見ているクロに優しくお茶会の開始を伝えるのだった。


「リョージ様! せっかく二人きりなんですから、なにかしましょうよ! 個人的にはリョージ様と戦ってみたいんですが」


「えっ? そうなの? じゃあ、そろそろ休憩だからする?」


 しばらくはスイーツを楽しんでいたクロだったが、突然大人バージョンに変わると亮二の魅力について三時間ほど語り始めた。さすがに恥ずかしくなってきた亮二が休憩を取るように伝えると、真剣な目で戦いたいと訴えかけてきた。婚約者との会話じゃないよなと思いながら亮二は苦笑すると、願いを叶えるために馬車を止めて休憩にするように御者に伝えるのだった。


 ◇□◇□◇□


 街道から少し外れた場所に馬車を止めた一行は休憩のための準備を始めた。亮二達はその様子を見ながら回りの者に少し離れる事を伝えると戦いに適した場所を探し始めた。


「ここが良いんじゃないか? じゃあ、早速始めるか。どっからでも掛かってきなさい」


「分かりました! 行きます!」


 ストレージから木剣を取り出した亮二が軽く素振りをしながら合図を送ると、クロは腰を少し落として両手に短剣を装備すると飛びかかってきた。


「甘いね」


 時間差を付けて斬り掛かってくるクロの攻撃を軽く逸らしながら、バックステップしつつ距離を取る。そのタイミングを好機ととらえたクロは右手に持っていた短剣を投げ付けた。


「おぉ!」


「隙あり」


 バックステップ中にクロからの飛び道具の攻撃を受けた亮二は慌てて短剣を弾いたが、流石に体勢を崩して動きを止めてしまった。それを好機と見たクロは隠し持っている短剣を全て投げつけ、その攻撃を弾くことに意識が集中している亮二の背後を取った。勝利を確信したクロだったが、気が付いた時には視界が目まぐるしく回っており、最後は地面に倒された状態で喉元に木剣が突き付けられているのだった。


 ◇□◇□◇□


「凄いです! やっぱり勝てませんね! リョージ様には」


「いやいや。良い線いっていたぞ。武器次第では一撃は貰うかもな」


 ストレージから飲み物を取り出してクロに手渡しながら亮二はクロの動きを褒めていた。照れくさそうにしていたクロだったが、子供の姿に戻るとアイテムボックスからスイーツを取り出して亮二と二人で満喫するのだった。

クロとの二人きりは戦闘とスイーツでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。