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第50話 上げた拳の下す先。

僕が叩き潰そうとした愚な夫婦鳥の卵は、

摂理に止められた。


「何故邪魔をするのかな。」


「邪魔とはなんですか?」



「結局この迷宮からはモンスターは連れ出せない。

飼ってみるのも一興だけれど、それが出来ないのなら殺して、

僕の成長の(けいけんち)にするしかないだろう?」


「はる…迷宮主様(マスター)には人の心は…無かったですね。

この仔達は私が育てます。

モンスターが自在に階層を出入りできるこの迷宮(ダンジョン)なら、

きっと連れて帰れます。」


「…なるほどね。」



「傷ついた生き物を連れて帰っては傷が癒えたら帰してやれる彼女らしい迷宮(ダンジョン)です。

迷宮主様(マスター)とは、違います。」


「つまりいい様に利用されて滅びていく迷宮(ダンジョン)か。」



「アイリーンの侮辱を続けるなら、私は遥さんをっっ!!」

そう言う摂理は今まで一度も使ったところを見たことのない腰の細剣を引き抜いた。


「どうするというのかな。

君を買い取った迷宮主(マスター)に反逆する?

そういうことも可能なシステムになっているのだろうか。

教えてくれるかな。

…それよりも後は2体大きいのが残っている。

他のはどうやら逃げ出したようだ。

優しい故アイリーンさんが逃がしたのかな?

僕がこの迷宮(ダンジョン)のコアを抜き出せば迷宮(ダンジョン)ごと消えるというのにね。

まあ、そんなことはどうでもいいか。

それよりも、

その剣は誰に向けるためにあるのかは解かっているよね。」



僕がそういうと、

摂理は溶岩竜(ラーヴァドラゴン)と、緑袖乃霞娼婦(グリーンスリーブス)を順に見た後、

咄嗟に緑袖乃霞娼婦(グリーンスリーブス)にずらした剣先を少し動かし、

溶岩竜(ラーヴァドラゴン)にその剣を向けた。

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