第33話 宇宙的規模の愛で嫌がらせ
「摂理、C●BEという映画を知っているかな?」
「どのC●BEですか?」
「本家の奴だよ。」
「ああ、ナ●リ監督のですね?」
「様々な小部屋を繋げて、
その部屋ごとに様々な罠を仕掛けた、
リアル指向の迷宮モノのそれだよ。」
「名作でしたね。」
「1は良かったよ。
2以降も悪くは無いけれど、トレマ●ズ同様初代には霞むね。」
「で…わざわざそれを言われたということは、そういうことなんですね?」
そう。その通りだ。
「理解が早くて助かるよ。」
「私としてはただのたわいない話としての会話でもよかったのですけどね。」
「…意味のない会話をして摂理は嬉しいのかな?」
「…楽しいですよ。私は。」
そうか、僕としては時間は有意義に使いたいと思うのだけれど、
摂理は違うみたいだね。よく、解からない。
「先日更に増えた5階層を使って、超難易度のトラップゾーンを作ろうと思う。」
「また繋げられるのですか?」
半分正解だ。
「正確には、繋げた後分割するんだよ。
他のフロアにぶち抜いて繋げられるのなら、
逆に区切りを入れることもできるだろう?」
「つまり、今迄の逆パターンだと。」
「その通りだ。この先はボードで説明するよ。」
現状はこうだ。
1~9階層 浅瀬 浅瀬 海 海 海 海 深海 深海 極深海
10階層 浅瀬
11~15階層 死の砂漠
16階層 未定
17階層 未定
18階層 未定
19階層 未定
20階層 未定
これを
16階層から20階層まで統合して、
1~9階層 浅瀬 浅瀬 海 海 海 海 深海 深海 極深海
10階層 浅瀬
11~15階層 死の砂漠
16~20階層 未定
とした上で、罠部屋にした後に、
再分割する。
こうなる。
1~9階層 浅瀬 浅瀬 海 海 海 海 深海 深海 極深海
10階層 浅瀬
11~15階層 死の砂漠
16、0階層A室 罠部屋
16、0階層B室 罠部屋
16、0階層C室 罠部屋
16、0階層D室 罠部屋
16、0階層E室 罠部屋
16,1階層A室 罠部屋
16,1階層B室 罠部屋
~
~
~
20,0階層E室 罠部屋
この上で16~20階層を一括りにして、
一定の規則性でその階層内を転移し続ける仕組みを作る。
イメージがわかなければ、初代ポケ●ンのナ●メのジムのイメージで構わない。
但しそこにいるのは部下ではなく、
残酷でも、優しくも、情熱的でも、乱雑でもない、
ただただ無慈悲なる罠だ。
更に1~9階層と、
11~15階層、
16~20階層をセットにして、
それらもランダムに転移させる。
一度踏破した階層は、迷宮を出るまでは、
次からの階層には出てこない仕組みだ。
現状はこの3つの総合フロアを乗り越えたものだけが、
僕の前に来れるようになっている。
これで、『死の砂漠』が生きてくるようになる。
ちなみに10階層は飼育用なので人目には触れさせないようにしたい。
侵入者の側から見れば、比較的育っていない上にレア種モンスターばかりのラッキーゾーンだから。
あくまで、比較的、だけど。
まあ、その方法については色々考えておこう。
罠部屋にもモンスターは十数種類配置しておこう。
化錻力、
怪歯車、
飛螺子+、
飛螺子-、
飛螺子回+、
飛螺子回-、
幽塵霊、
怪塵獣、
車輪獣、
化車輪、
吼滑車、
機械獣、
歩脆骸骨、
仮甦死体、
彷徨儚悪霊、
奴隷吸血鬼、
生工品、
動化石像、
魔軟生物、
呪無数手、
変異細胞生物
何れもFランク付近のモンスターだけど、
共通することは、
「いっきものじゃな~い、ですね。」
「その通りだ。」
「素で返されてしまいました…。」
「…?まあいいか。」
とにかく、背景になり得たり、
生体に反応する罠にかからなかったり、
実体が無かったり、
破壊されても再生出来たり、
耐久力が高かったり、
天上に張り付いたり、
宙に浮かぶものを選んだわけだ。
迷い込んだら、早々抜け出せない。
その焦りが更に罠に対する苛立ちを高め冷静な判断力さえも奪う。
そしてモンスター達は戦わずとも、罠にかかった侵入者の遺骸を喰らうだけで成長できるわけだ。
更に、普段なら簡単に倒せるモンスターでも、罠を避ける為や、
平均台などに立たされて足場が不安定な状況では途端に凶悪な死亡要因になりかねる。
「素敵だろう?」
「基本構想がパクリですけどね。」
「既に類似品は数多く出ている。
細かくワープしながらゴールを目指すステージなんて、
昔からの定番だろう。何も問題はないさ。」
「それならいいです。」
「所で、明日は暇かな?」
「私の予定を決めるのは遥さんだけでは?」
「それもそうだね、摂理、『バグ』を見に行こう。
今度はランチマットを持って、ね。」




