第79話 復活
私は満たされたどこかにいた。
懐かしい、ここはどうだろう?
これまでに背負ってきた、生きなければならない
普通でいなければならない、隠れて生きなければならない。
そのすべてが私の前から消え失せ
ただあるがままであることを受け入れていた。
死というものはずっと無になれることだと思ってきたけれど
ここはあの世?あの世とかあったら最悪だ。
残業みたいなもんでしょ、もう。
ずっとこのまま漂うならそれでもいいと思った。
クラゲのように生きたい、ナマケモノのように
抵抗することなく諦めたい。
あるがままであることと欲望は相反するもの。
これほど安寧とした空間から私は戻らなくちゃいけない。
ヒュッと息が戻る。
麻痺しているから息苦しさは感じないけれど
脳内物質からきた副作用で多少だるい。
血まみれの体もちょっとなぁと思い、変化して元の姿へ戻る。
マジックみたいなノリで終わらす予定だったんだけど
初体験てのはやっぱり事故がつきものだね。
周りの心配そうな顔が気恥ずかしい。
ちゃんと生き返ったよ。
覗き込んでいたオタ狼を立たせ
起き上がって周囲に手を振ってみせた。
オタ狼が少しオロオロしていたのでケリをいれて笑わせる。
落ち着いた会場は徐々に拍手をする方向に変わり
すごいものをみたけれどなにをみたかよくわからない
夢見心地で帰っていく。
脳内物質の副作用でそうなるのだ。
あとは私やオタ狼のステータスにどのくらい変化があったかだ。
面白いことになっていたらいいなぁ




