第68話 受け止め
「お前自身がなんかさみしいやつなのはわかったよ。」
「ひどいな、まあその通りだけど。」
「あとは・・・お前が、その、死んだ時って
どう死んだんだ?俺は前にも言ったかもしれないけど
自殺・・・したんだ。これ以上そこで生きてられなくて。」
「ふうん? 今は楽しんでる?」
黙って頷く。よかったね。
「私は・・・たぶん殺されたんだろうなぁ。」
「誰に?」
「知らない男の人、複数人、連れてかれて
たぶんやり殺されたんだよ。」
「・・・結構壮絶な。」
壮絶かな?そりゃ真っ最中は痛いわ苦しいわで
逃れようという気持ちしかなかったけれど
終わったと思った時は死ねないのかって思った。
そして死ねたけど、今ここにいる。やっぱり死ねなかった。
生殺与奪の権利を握られた誰かに
遊ばれているとしか思えない。
神様は意地悪だ。
私だけ、どこにいても居場所がない。
居場所って作るものだというけれど
最初から器と合っていないイメージがあったから
せっかくサキュバスになれたのにやっぱりどっかで
ここではない、というかここで今も生きていない。
町中の喧騒が愛おしい。生き生きとした人たち。
私とはちがうもっといい世界を生きている。
死にたくないってどんな気持ちなんだろうか。
幸福と快楽は違うと昔の小説家が言っていた。
快楽のほうが刺激が強くて幸福が見えないんだって。
だったらわたしには永遠に幸福は訪れないな。




