表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/52

最終話 2人の漢達

ラスト更新です。

 南側で大爆発が起き、炎上しているアクアノート。北側の海上には、破壊されたヘリの残骸が浮いている。

 悠々と泳ぐアルファは、勝者として勝ち誇っているかのよう。最も憎い相手を、食い殺したからか。

 その様子を、ルーカスと彰人(あきひと)は見ている事しか出来ない。まともな攻撃手段は、もう残っていない。

 北側10階に戻れば、追加の機雷は作れるだろう。今度は仕組みを変えれば、効果が出るかもしれない。

 だがそんな事をしていれば、メイジーの命は助からないだろう。まだ生きているかもしれない人々も。


「……冗談じゃないぜ。母の愛は強しってか?」


「こんなものじゃ、豆鉄砲にしかならない」


 ルーカスは泳いでいるアルファを睨み、彰人は手に持ったサブマシンガンを見ている。

 2人の手元にあるのは、壊れた機雷と起爆装置。そして100発もない小さな銃弾。

 どちらも、アルファを倒すには弱すぎる。機雷だけは唯一、倒せるかもしれない。

 だが上手く誘導して、手動で起爆せねばならない。たった1個では、確実性に欠ける。


「機雷をボートのケツに繋いで、誘ってみるのはどうだ?」


「多分もう、機雷は効果がないだろう。また弾き飛ばされて終わりだ」


 倒す手段を模索する2人だが、そう都合良く代案は浮かばない。そもそも、手持ちのカードが少ない。

 戦車でもあれば、また違うかもしれない。駆逐艦でも停泊していれば、戦えるかもしれない。

 だがどちらも、アクアノートにはない。北側10階の保安部には、ロケットランチャーなんてない。

 倒せる可能性がある物は、2人の目の前に提示されていない。強いて言えば、機雷に使っている爆薬か。

 どうにかして、アルファの体につけられたら。尾びれや背びれにでも、引っかけられたら。


「ああクソっ! また潜りやがった!」


「……」


 アルファは再び、アクアノートへの攻撃に戻ったのだろう。子供を殺された怒りも、恐らくあると思われる。

 アルファの体に引っかけるという手段は、もう失われてしまった。潜られてはどうしようもない。

 このままでは、アクアノートと共に海の藻屑となるしかない。どこまで建物が、耐えられるか。

 そもそも彰人には、余裕や時間が残されていない。もう、メイジーを乗せるヘリはない。

 ならば海上を移動するしかない。だがアクアノートから、船で逃げられるとは思わない。


 どうにかして、アルファを倒さないといけない。メイジーを助けたいのであれば。

 既に時刻は、9時を過ぎている。これで彼女が重症を負って、2時間も経過している。

 出来るだけ早くアルファを倒して、メイジーを病院へ。彰人はもう、それしか考えていない。

 彼女を助けられるなら、何でもやるつもりだ。それが例え、巨大な化け物との戦いであろうと。


「すぐ戻るよ」


「え? あ、ああ……」


 彰人は1人で、エントランスへ入っていく。北側の入り口、すぐそこにストレッチャーが置かれている。

 その上で今も、メイジーが眠っている。顔色はまた、悪くなり始めている。

 彰人は首から下げていた、御守りを外す。彼が今まで、サメに襲われなかった幸運の御守りだ。

 交際していた時にも、メイジーに自慢していた代物。だけどもう、()()()()()()()()()()()

 彰人は御守りを、優しくメイジーの手に握らせる。きっとこれがあれば、助かる筈だと信じて。


「こんな方法しか、僕には思いつかないんだ」


 彰人はメイジーの側を離れて、北側の海へと向かっていく。呆然と座っているルーカスが居る。

 彼の側を通り過ぎ、彰人は壊れた機雷を触り始める。作成を手伝ったから、外し方も知っている。


「彰人? 何をやっているんだ?」


 ルーカスはごそごそと、機雷を触り始めた彰人が、何をしようとしているか分からなかった。


「メイジーを頼む。必ず病院へ、連れて行ってくれ」


「は? 何を――待て彰人! お前、何をするつもりだ!?」


 彰人は機雷に使用していた、爆薬の入った箱を抱えている。起爆装置の、受信機と共に。

 

「君には家族が居る。でも、僕には居ない。だからこれは、僕の役目だ」


「ま、待て! よせっ! 他にも方法が――」


 唇を噛み、彰人は走って跳躍。海へ飛び込む。切れた唇から、血が滲む。彰人は知っている、アルファの性能を。

 45階へ戻ろうとしていたアルファが、血の匂いに気づく。どのサメよりも、鋭敏な感覚が察知する。

 巨大な影が、立ち泳ぎをしている彰人へ向かう。ルーカスが陸上から、戻れと彰人に叫ぶ。

 だが、彰人の決意は変わらない。確実にアルファを殺し、メイジーを助ける為に必要な事だから。


「君に恨みはないけどね。でも、死んで貰うよ」


 下から猛スピードで上昇して来たアルファが、真下から彰人を飲み込む。致死量の爆薬と共に。


「クソっ! 何て事だ! ああクソ!」


 ルーカスは嘆きながらも、起爆装置のスイッチを押す。しかし――起動されない。スイッチのランプは赤いまま。

 何度もスイッチを押しているが、やはり変化は見られない。壊れてしまって、遠いと受信出来ないのか。

 海面ギリギリの位置に立っていたルーカスと、泳いでいるアルファの目が合った。


「なあ彰人――俺もカミカゼに、付き合わないといけないらしい!」


 ルーカスの存在に気づいたアルファが、大口を開けて陸地へダイブする。ルーカスはギリギリで躱した。

 巨大な胸ビレを掴み、しがみつく。腰に差していた、愛用のサバイバルナイフを抜く。

 振り落とされないよう、アルファの脇腹に思い切り突き刺す。肉厚な肉体に、しっかり食い込む。


「さあ、勝負といこうか!」


 海中へ戻り、ルーカスを振り解こうとするアルファ。猛スピードで泳ぎ、回転し、海面を跳ぶ。

 途轍もない圧力に晒されながらも、ルーカスは手を離さない。起爆装置が起動するまで、スイッチを押し続ける。

 なるべく腹に近い位置で、ランプが緑に光るまで続ける。自分のタイミングで息継ぎが出来ず、苦しむルーカス。

 そろそろ限界だという頃に、やっとランプが緑色に光った。爆発までは、数秒の猶予しかない。

 ナイフを引き抜き、手を離すルーカス。海上へと大きく跳んだアルファが、空中を舞っている。


「くっ!?」


 海へと落下しているルーカスの頭上で、大爆発が起きる。アルファの体が弾け飛び、衝撃がルーカスを襲う。

 海面に思い切り叩きつけられ、ルーカスが沈んで行く。最後の戦いは終わり、静けさが戻る。

 誰もいなくなったアクアノートの北側。破壊の後が、あちこちに残されている。何かが燃えているのか、黒煙が上がっている。

 北側の船着き場、コンクリートの波止場に、人間の腕が海中から突如生えた。白人の厳つい男性が、陸に上がる。

 衝撃で一時的に意識を奪われたが、ルーカスは生きていた。まだ少し耳鳴りがしているものの、五体満足だ。


「……約束するって、誓う前に行きやがって。なあ、彰人……」


 ルーカスは地上に戻り、メイジーを迎えに行く。まだ意識がない彼女を、中型の調査船に乗せる。

 船舶免許を持っている彼は、大体の船を操縦出来る。アクアノートの北側から、1隻の船が離れて行く。

 静けさを取り戻したアクアノート。その海中に、1匹の黒い肌を持つサメが、腹を上に向けて浮いている。

 6メートルもあるそのサメは、両親と兄を失った妹だ。大量の電気を浴びた彼女は、ゆっくりと目を開いた。

よくこんな狂った作品を、最後まで読みましたね?(ありがとうございます)


なお続編として「ハイブリッドシャーク2~メジロドンVSアルティメット・メルビレイ」、「ハイブリッドシャーク3~メジロドンVSメカモササウルス」、「ハイブリッドシャーク4~復讐のメジロドン&最凶シャチ軍団」まで考えてあります。

いつか書くかもしれません。


こんな頭のおかしい作品を書いていますが、普段はとても真面目なホラー「その美女は人間じゃない」という作品を書いているんです!

本当なんです信じて下さい!私は武器を持っていません!


というわけで、お付き合い頂きありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ