5/5
確かに不幸だったけど、あなたがくれた幸せもあったの
私たちは鉱山で働かせられるようになった。
子どもは鉱山で働かせるには丁度いい大きさらしい。
私たちは使い潰しのきく程のいい道具だった。
私たちは食事も休息も満足に与えられず働いた。
日に日にあの子は弱っていって、用済み部屋に入れられた。
私はまた彼女を助けられなかった。
私はどうにか病気の振りをして自分も用済み部屋に入った。
彼女はもうやせ細って喋るのも辛そうだった。
私は彼女の手を握ることしかできなかった。
彼女の背をさすろうとすると、それだけで弱った皮膚が剥がれてしまいそうだったから。
私の体をただただ、しんとした悲しみが包んでいた。
彼女は死んだ。
彼女を食べた。ぺろり。
私はみんなを愛していて、一等あの子を好きだった。
だけどもう人間は嫌いだ。
あの子も私も人間だったけど、私はあの子と一緒になってしまって、あの子を食べた私はきっと人間じゃなくなった。
あの子と一緒になったから、私は幸せにならなくてはいけない。
彼女を幸せにする。大嫌いで死にたい私は、大好きで優しいあの子になる。
私は愛する動物を食べる。
なぜなら愛してるから。
私は人間を食べることは一生ない。
だってもう大嫌いだから。
題名はあの子の気持ちです。




