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幸せになるために生まれてきたの
私はお腹が空いてどうしようもなかったから、だから食べたのだ。
これは仕方がない、だってあの子も私に「食べて。」と言った。
あの子はもうどうにもならなそうで、痩せすぎで食べる部分なんてなさそうだったけど
「そしたらずっと一緒にいられるね。」
なんて言うから、私は食べるしかなかったのだ。
だから私は骨まで食べる。
バリバリバリバリ。
ボヤボヤしてあの子のことがよく見えないや。
バリバリバリバリ。
塩の味しかしない。私は全く幸せじゃない。
塩の味が強くなっていく。
愛しい動物を食べるとき、私はいつもできる限り幸せであろうと思っていた。
それに意味も意義もないけれど、それが私の矜持だった。
私は世界で一番大切だったあの子を食べているのに、世界で一番不幸な気がしてきた。
あの子が死にそうな時も世界で一等不幸な気がしたのに、それよりも不幸なことがあるなんて。
だったらきっと今よりも不幸なことが世界にはあるのだ。
そんなのは関係ないけれど。
そんなのは私の今感じている不幸のなんの希望にもならないけど。
私に食べられてあの子は幸せだったのだろうか。
最後まで死にたくないと言って眠ったあの子は、本当にこれで良かったのだろうか。
もうあの子は苦しまなくていいんだ、なんて安心する私はバリバリバリ。




