十人十色
あの彼は、情熱的で熱い人。積極的に行動していつもみんなを引っ張るの。でも少し、不安定。
彼から真っ赤な薔薇を差し出された。
「薔薇は好き?」
「ええ、赤色は素敵よね」
あの子はいつも木陰で本を読んでいるの。大人しくて、揺るがない。年上の人には丁寧に、先ゆく人を重んじる人。
その子に聞かれたの。
「海は好き?」
「そうね、澄んだ青は綺麗よね」
走り回っている男の子は疲れることを知らないみたい。誰にでも笑顔で挨拶して、皆から好かれている。顔も広いの。
男の子は走り寄ってきた。
「みかん食べる?」
「ありがとう、美味しそうなオレンジ色ね」
彼女は図書館に入り浸る。いろんな事を知るのが好きみたい。新しいものはすぐに見つけて私に教えてくれるの。ちょっと飽きっぽけれど。
彼女は月を見上げた。
「お月様、どう思う?」
「輝く黄色が好きだわ」
寝転がって居る彼は一つの言葉を深く受け止める。小さな棘も彼には酷く痛いみたい。それでも、話すことが大好き。
彼は笑っていた。
「自然は好き?」
「勿論。緑が私を癒してくれるの」
温かな微笑みの少女は争いを好まない。いつも変わらぬ心を持っている。でも、特定の子にべったりしているの。
少女は私の手をつかむ。
「お姉ちゃん、こんにちは!」
「ピンクの頬が可愛いね」
ウィンドウを眺めるお婆さんは高貴なものに憧れている。ちょっと自慢話が多いのは仕方がないわ。
お婆さんは今日もウィンドウを見つめていた。
「素敵なアメジスト……」
「私もその紫に魅せられます」
メガネの彼は落ち着いて物事に対処する。周りから慕われていて、頼りになるの。ちょっと、世話を焼きすぎるから、たまに反発されるみたい。
彼は私に言うの。
「今度何かご馳走しよう。そうだ、カレーはどうかな?」
「あら、大好物だわ」
お爺さんは真面目で理想を追い求めている。そのために毎日努力をしているわ。厳しいけれど、なんだかんだで優しいの。
お爺さんは外を見た。
「雪が眩しいね」
「その白が美しいですわ」
あれこれ言われるのが、彼女は大嫌い。自分がしたいように行動する。他人からの指示はほとんど聞かない。
彼女は少し怒っていた。
「ここはこれでいいのよ」
「黒、魅力的よね」
塗り重ねられる私の心は、何色かしら。
十人十色
>What’s your color?
まわりから見て私は何色なんでしょうか。
あ……祝、10話です。
2015/5 秋桜空




