↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
30/95

031⚫️雲間より

国王レグナス・ザルン・エインに、待望の新造艦が披露された。

知り得た’最新’の流体力学をもとに設計されたその船体は、山のごとく堅牢でありながら、水面を滑るイルカのような優雅さを併せ持っていた。

王は身を乗り出し、満足げに頷いた。

ウワバミが一歩前へ踏み出し、凛とした声で説明を始める。

「陛下。この艦の容積率は旧来の艦を遥かに凌ぎ、その堅牢さはあの海獣艦すら過去のものといたします。徹底した火炎防御を施し、なおかつ疾風のごとき船足を両立させました。想定し得るあらゆる脅威を退けるべく、建造した次第にございます。」

「うむ、見事だ。」

レグナスは重厚な声で宣言した。

「直ちに進水式を執り行う。この艦を、我が王国の威光を示す象徴として、’ファルマ・ザ・グレイト’と命名する。」



着水した’ファルマ・ザ・グレイト’は、巨大な帆が風を孕むや否や、驚くべき鋭さで湾内を駆け抜けた。

岸壁を埋め尽くした貴族や民衆は、そのあまりの迫力に歓声すら忘れ、ただ圧倒されて立ち尽くす。

これでよい。あとは数を揃え、蹂躙するのみだ。

王の脳裏には、既に公国が炎に包まれる未来図が描かれていた。



だが、祝祭に沸く地上とは対極の場所。厚く垂れ込めた曇天の、さらに遥か上空の雲間を、音もなく微かな影が横切った。

しかし・・・それに気づく者は、地上には誰一人としていなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。