025⚫️全ての支配を望む王 & 026⚫️過去の記憶との類似
025⚫️全ての支配を望む王
ほっほう。ウワバミがうまく動いておるか。
ふん、予のためなのだから当然よ。
’風の軍団’から転属させたのは正解だったな。
イイスギ、お前も元の手下に負けぬ働きをせよ。
役に立たねば、すぐにでも替えを用意するぞ。
ウワバミに事を急ぐよう伝えよ。
お前の’風の軍団’から伝令を出せ。
ぐずぐずするな。
早く攻め上りたいのだ。
あの忌々しい公国へ。
予の支配のもとに置くためにな。
026⚫️過去の記憶との類似
「ありがとうございます。この図面をもとに、材料と工人を集めます。」
ウワバミは礼金を差し出したが、相手は笑って首を振った。
「これで人々が飢餓や災害から少しでも救われるなら、それで十分ですよ。我々は自給自足できていますから。もし組立の過程で不具合があれば、お知らせください。あなたの真心が神とともにあらんことを。」
その言葉に、ウワバミの目から涙がこぼれた。
これで王に叱責されることはない。だが、この胸の痛みは何だろう。深く感謝を述べ、彼女は王都へ向かう。
「あれ? バルハイン様、あの人、何の御用だったのですか?」
「ああ、タベスギ。飢饉や災害援助のための高速船の設計依頼者だ。」
「ふ〜ん、そうなんですね。いや、昔の知り合いにちょっと似ていたものですから。」
タベスギは、胸の奥に沈んでいた記憶がわずかに揺らぐのを感じた。
だが、その思いを呼び戻す暇もなく、声がかかる。
「おーい、タベスギ! 手を貸してくれ! 怪我人が運び込まれた!」
「は〜い、ヤリスギ様! すぐ行きます!」
明るい声を残し、タベスギは医療用仮設棟へ駆けていった。




