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017⚫️発動の始まり

戦闘は日増しに激しさを増していた。

地下の“魔界都市”全域で、銃声と爆発音が絶えない。


そんな中、その居酒屋だけは相変わらず大賑わいだった。

前線に立つ者たちにとって、ここが唯一のストレス発散の場なのだ。

ショーンは店の食材を買い出しに走る。

荷車に屋号の旗を立てれば撃たれない。この都市の暗黙の了解である。

シャルロットも店を手伝い始めていた。

ふたりの名と顔は既に広く知られており、誰も余計なちょっかいを出さない。

元々、店内とその周辺は暴力厳禁でもある。

そこは、戦場のただ中にぽっかりと開いた’パラダイス’だった。


だが、食材は次第に入手困難になり、

店に来る客も徐々に減っていく。

戦線が膠着し、24時間勤務も当たり前になっていたからだ。


店主は思案する。

潮時かもしれない。

だが、どこへ行けばいい?

惑星の’魔界都市’は、どこも紛争の真っ只中。

地上に出て他の惑星へ移る?

宇宙艇に乗る料金を払えるのは、’ファミリー’の上層部か、

潜り込んでいる銀河連邦の連中くらいだ。

惑星中の人々は、瀬戸際に追い詰められつつあった。


あの子どもたち、兄妹か?

おい、そんなとこにいたら危ないぜ!

若い兵士が声をかける。

兄妹は母の治療薬を買いに行く途中らしい。

通りがかった’おじさん’からもらったお金で?

今はやばい!こっちだ、塹壕に入れ!


兵士が身を乗り出した時、

遠くの狙撃手が双眼鏡で、その光景を捉えた。

子どもを迎えに兵士が塹壕から出た時に撃つ・・・。

それが狙いだ。

銃に手をかけた、その刹那。

・・体が・・動かない・・・。

音も、臭いも、感触も消えた。

世界が凍りついたように静止する。

考えることだけはできる。

だが、肉体は一切動かない。


’凍てつく時間’が発動されたのだ。

それも惑星レベルで。


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