付録 主な登場人物 天文十六年(一五四七年)十月
【主人公】
◆滝川左近尉(左近将監)一益(二三歳)
通称は左近。
現代日本の歴史好き大学生カズマの意識が、戦国時代の滝川一益の肉体に乗り移っている。うやむやのうちに信長に仕官。歴史知識を利用して信長を支えるうちに、非常に仲が良くなりプロポーズをされる。
異名は『死神左近』『今士元(三国志の軍師龐士元=龐統にちなみ自ら外交用に広めた)』。
信長や織田家に悪影響を与える人物について非常に警戒する。特に徳川家康には、かなりの悪意を持って恣意的に歴史の彼方に追いやった。
謀略・調略・外交も得意で、信長や織田家のためなら悪辣な手段も辞さない。
信長を『姫』と呼ぶが、心の中では『信長ちゃん』『ヨメちゃん』と呼ぶ。
合戦では信長の副将としての出陣が多い。戦場では鉄砲を使用する。
戦国時代の記憶は失われているが、甲賀衆時代に大名浅井亮政の狙撃に成功している。
身体で覚える系の技術は失われていないので、鉄砲の名手であり、鉄砲隊を率いて安城合戦では大将の松平広忠(徳川家康の父)を射殺するという武勲もあげている。
※こぼれ話※史実での出自不明ながらの猛スピードの出世や、嫡男を任される信頼の厚さ、政戦謀のマルチぶり。信長死後の様子、信長の九歳歳上などから、信長ラブの主人公として抜擢しました。信長ちゃんの常に近くにいてラブラブという、史実とはうってかわって超厚遇キャラ。これからもうまく支えてあげてほしい。
【ヒロイン 兼 姫】
◆織田右近衛大将(権大納言、山城守、弾正大忠、三郎)信長=吉(一四歳)
通称は右大将、亜相、山城、弾正、三郎、尾張殿。
那古野城主。一万貫(二万石)の領地から数々の戦の勝利や、政治外交を駆使して室町幕府将軍義藤(義輝)を滅ぼして実質的な武家の頭領となる。
織田信秀の次男に生まれるはずが、どこで間違ったのか三女として生まれてしまった。
目が大きく現代風美少女だが男装を好む。基本の髪型はポニーテール。アクセサリーを頻繁に変える、鎧を着替えるなどオシャレにも気を遣うようになった。
奥手で胸が小さいことを気にしていたが、だいぶ成長したようだ。
戦では総大将として出陣する。鉄砲射撃も得意。
初陣で敵大将を討ち取るという大殊勲を挙げた。
口癖は、一人称「ワシ」、二人称「ヌシ」、語尾は「のじゃ」、肯定は「で、あるか!」。「素っ首貰い受ける」もお気に入りのようだ。
自分に理解を示した左近のことを非常に気に入って好意を示し、大胆なプロポーズをした。左近屋敷に入り浸っていて、二人きりのときはかなりの甘えモードになる場合も多い。
政治・外交・経済のセンスは抜群で、左近をもしばしば驚かせる。
『爺キャラ』に可愛がられることが多く、本人も『爺キャラ』が好きで、パパ大好きっ子でもある。
頭に血がのぼると一直線な行動をとることも多い。
不思議なものや初めて見るものなどにとても心が惹かれるらしく、目をキラキラさせて好奇心の塊のような行動を取る様子がみられる。
年齢相応にエッチなことに興味をもったり、恥ずかしがったりする女子っぽいところもあるが、致命的に所作が荒い。
好物はぜんざい、カステーラ、織田焼きなどのお菓子。酒には劇的に弱い。
左近の影響で、湯殿での入浴や温泉、こたつなど『ぽかぽか』がお気に入りとなった。
※こぼれ話※ヒロインなので当然厚遇キャラ。ビジュアル的には某野望SLGの立花誾千代をイメージしています。
【信長の家族】
◆織田奇妙丸(一歳)
通称は奇妙。
祥姫の子だが信長の養子(嫡男)となった。母親に似ている。父親は左近のようだ。
◆織田備後守(弾正忠)信秀(三七歳)
通称は備後、弾正。
異名は『尾張の虎』。
近江安土城主。
信長たちの父である。
尾張第一の実力者であって織田家の躍進の基礎を作った。戦も巧い。
信長に対して厳しくも優しい父親であるが、かなりのエロさで女好き。
※こぼれ話※厚遇キャラ。『信パパと爺パート』も含め登場回数が多い。娘の活躍を長生きして見守ってほしい
◆土田御前(ノーコメント歳)
本編未登場。
信長、信行、信包、市の母。
和風の美人。
◆織田三郎五郎信広(二五歳)
本編未登場。三河安祥城城主。
信長の庶兄。織田信秀の長男。
◆織田祥(一四歳)
信長の妹。
柴田勝家の妻。
誰もが驚くほど信長に似ていて双子との噂もある。
信長が剛とすれば柔の優しく穏やかな性格。
左近の嫁になる計画があったためか、左近に心を寄せて関係を結ぶ。左近が拉致されている間に、本人の強い希望もあり柴田勝家に嫁ぐ。
奇妙丸の母。
◆織田三十郎(信包)(五歳)
本編未登場。
信長の弟。織田信秀三男。
◆織田市(三歳)
本編未登場。
信長の妹。美人になることを期待されている。
【信長の配下】
◆太田和泉守(又助)信定=太田牛一(二一歳)
通称は和泉、又助。左近と仲が良い。
異名は弓が抜群に得意のため『今与一』
尾張守護の斯波義統家臣だったが、うやむやのうちに信長の家臣となる。
南蛮数字をマスターし主に事務方など内政面で力を発揮しているが、戦場でも弓衆として活躍する。
後世に残る『信長公記』の著者。
凄まじいばかりの情報網を持っていて、軍記や噂話を記録するのが趣味。帳面に何やら記録している姿がしばしば見られる。
基本的にニコニコとした人の良い笑顔だが、特ネタを掴んだときなどは悪代官笑顔に変化する。
※こぼれ話※厚遇キャラ。『信長公記』抜粋を書くのが作者としてはかなり楽しみだったりします。
◆森三左衛門尉可成(二一歳)
通称は三左。左近と仲がよい。
美濃土岐氏の元家臣。浪人中に信長から名槍を送られ、左近の勧誘に従って信長に仕官した。
異名は『攻めの三左』。
鍛えあげられたマッチョな肉体を持つ。
通常は物腰丁寧であるが槍を持つと狂戦士と化す。戦働きが得意だが外交・内政にも実力を発揮する。
信長との初対面の際に腰を抜かすほど驚いたという逸話が残り、後世の研究において、信長が『のじゃ姫』である事を知らずに仕官したのではないか、という見方が強い。
※こぼれ話※厚遇キャラ。大活躍しています。史実の戦死がなさそうなので、これからも活躍するでしょう。
◆柴田修理亮(権六)勝家(二三歳)
近江の観音寺城に出向して近江統治に尽力中。
通称は修理、権六。左近と仲が良い。
マッチョな体型でもみあげとヒゲが繋がっている。
信秀の家臣だったが願い出て信長の家臣となる。
信長に憧れていたがそっくりさんの妹、祥姫と結婚して嫁にベタ惚れしている。
豪快な人柄で面倒見がよく人望があり、戦もうまいため尾張勢のリーダー格である。
ロリ疑惑、M疑惑もある。
※こぼれ話※本作屈指の厚遇キャラ。憧れていた信長のそっくりさんの妹を嫁にして、左近と信長の義弟ともなり、合戦や重要拠点の統治など大活躍。
◆松永弾正忠久秀(三九歳)
通称は弾正。
天下人、三好長慶の重臣だった。三好長慶による天下統一を夢見ていたが長慶が死去しため、天下統一の夢を信長に託して実質的な配下となる。
畿内で持ち前の謀略によって、かつての政敵を追い落とすなどの活動をしている。
築城、合戦、謀略、外交、茶道など、丹羽長秀を凌ぐほどのマルチ振りをみせる。
信長にエッチのハウツー本黄素妙論を献上して、信長と左近に使用するように示唆したので、左近には『エロ中年』呼ばわりされている。
◆明智日向守(十兵衛)光秀(二〇歳)
京二条城に出向中。山城国統治と対朝廷などの外交を引き受ける。
通称は、日向、十兵衛。
斎藤道三の正室の縁で信長に仕官することになった。
イケメンで、人柄もよく、有能である。気も利く。
本能寺の変の首謀者なので、左近に『ラスボス』呼ばわりされて、警戒されている。
左近からは「髪の毛以外に勝てる要素が見つからない」と高い評価を受けている
◆橋本伊賀守一巴(四〇歳)
通称は伊賀。
信長の鉄砲の師匠であったが左近が改良した火縄銃に惚れ込み、信長に仕える。
渋いチョイ悪中年風でモテそうではあるが、自分の銃に四時間余りも愛を語るほどのガンマニア。
◆丹羽五郎左衛門尉長秀(一三歳)
通称は五郎左。幼名は万千代。
信長の近習で優秀。真面目な性格で空気を読むのもうまく、様々な仕事を難なくキッチりこなす。
安土城築城、総技研=総合技術研究所の所長、織田家直営商店・食堂の織田屋の管理、下着製作、料理の試作、お菓子製作まで、左近と信長から無茶振りともいえる仕事を与えられているがどれも高レベルでこなしているので、二人からの信頼が非常に厚い。
とても多忙で暇がなさそうではあるが、要領のよさからかちゃっかり器量が良い彼女がいるようだ。
左近からは「デキる子」、「史実のライバル」と目されていて、目を掛けられている。
※こぼれ話※かなりの厚遇キャラだけれど、さすがに仕事が多過ぎるので、後輩の登場まではしばらくはがんばってほしい。
◆織田勘十郎信行(一二歳)
通称は勘十郎。
信長の弟。織田信秀次男。
信長の近習となり、内政面で実力を見せはじめている
◆佐々内蔵助(与左衛門)成政(一一歳)
通称は内蔵助、与左衛門。
信長の馬廻り。
他人が言い難いこともスパッと言えてしまう得な性格。
信秀と信長の試し戦の際に兄二人に毒を盛って出場不能にさせて、信長から功を賞された。
※こぼれ話※作者もお気に入りの厚遇キャラ。もっと活躍させたい。相棒の前田利家の登場も待ち遠しい。
◆池田勝三郎恒興(一二歳)
信長の小姓にして乳兄弟。
形式的のみ左近の従弟という説がかつてあったが、後に実際に血縁関係のある従弟であることが判明した。
ギョロ目である。年齢の割にしっかり者であるが、要領が悪い部分があって損な役回りの時も多い。
※こぼれ話※不遇キャラ。丹羽長秀や佐々成政に出番を取られてしまい登場回数が少なくて申し訳ない。
◆木下藤吉郎(一一歳)
織田家直営織田屋の手代として丹羽長秀の元で活躍中
史実の豊臣秀吉。生駒屋敷で武士になるために下働きをしていたところ、信長の命令で織田屋の手代となった。
史実で本能寺の変後に、織田家を簒奪したこと、上昇志向が強過ぎるため、左近から『他勢力に仕官するようだったら暗殺してしまった方が後腐れがない』とまで強く警戒されていた。
◆平手中務丞政秀(五六歳)
安土城に出向中。
通称は中務。傅役だったため、信長からは『爺』と呼ばれる。
奇妙丸の傅役。
総白髪なのは気苦労からか。
一見、好々爺風であるが、気合いを入れると迫力がある。
外交能力が非常に高い。
※こぼれ話※厚遇キャラ。『信パパと爺パート』など登場回数も多い。史実では諌死をしてしまうが、信長を諌める必要がなくなったので長生きしてほしい。
◆織田孫三郎信光(三二歳)
通称は孫三郎。
信秀の弟。守山城主。
政戦ともに無難にこなし、尾張勢の中核として活躍している。
信秀と信長の試し戦の際には、奇襲をしようとした信長と左近の行く手を阻むが、狂戦士モードの森可成に倒された。
◆林佐渡守秀貞(三四歳)
本編未登場。
通称は佐渡。
◆林美作守通具(三一歳)
本編未登場。
通称は美作。
◆村井民部少輔吉兵衛貞勝(二五歳)
本編未登場。
通称は民部、吉兵衛。
◆佐久間大学介盛重(二五歳)
通称は大学。
史実では桶狭間の前哨戦で戦死してしまう不遇を跳ね除けるように尾張勢の中核として戦場で活躍している。
◆佐久間出羽助信盛(二一歳)
通称は出羽。
信秀と信長の試し戦の際に、左近の投げ目潰し攻撃を受けてしまいあっけなく戦闘不能となってしまった。
政戦ともに実力は高く、『退き佐久間』の異名どおり粘り強い戦ぶりに定評がある。
◆河尻肥前守秀隆(二一歳)
本編未登場。
◆多羅尾四郎右衛門光俊(三四歳)
通称は四郎右衛門。
異名は仏の多羅尾。
甲賀流の忍びであったが、信長の『諜報衆』の頭領となる。
実力と仕事ぶりから、信長や左近からの信頼が厚い。
いつも、仏像のような笑顔で表情がほとんど変わらない。
左近の義兄になるはずだった。
◆佐治奈津(二〇歳)
戦国時代の左近の従妹かつ幼なじみ。甲賀流忍びで現在は信長の護衛。
関西弁を話す。とてもいい性格で、丸顔の美形。
左近に惚れていたが、恋愛対象とみなされなかった。
【甲賀衆】(近江)
◆佐治宗兵衛(五歳)
本編未登場。佐治奈津の長男。
のちの『天下のかぶき者』になるか。
◆佐治新助益氏(二一歳)
本編未登場。戦国時代の左近の従弟かつ幼なじみ。
史実の滝川益氏。
◆多羅尾ゆき(故人)
本編未登場。多羅尾光俊の妹。
戦国時代の左近の婚約者だった。
【今川家】(駿河、遠江)
◆今川治部大輔義元(二九歳)
駿河国と遠江国の国主
異名は『海道一の弓取り』
公家風で眼光鋭い。『まろ』、『さもありなん』、『おじゃる』が口癖。『おほほほほほ』と笑う。
左近からは『マロ』と呼ばれる。名君で強かな政治家と評価されているうえ、人柄についても『愛嬌がある、いいヤツ』など高い評価をされている。
信長と左近を強敵と認識して和を求めた結果、駿尾同盟が締結されて今川領も経済的発展を大きく遂げた。
※こぼれ話※作者もお気に入りの厚遇キャラ。もっと登場させたいが、マロ言葉の表現が難しい。
◆太原雪斎(五二歳)
今川義元の腹心。
眼光の鋭い坊主
同盟締結のために駿河を訪れた左近を危険視し暗殺の提案をしたこともあり左近にはかなりの要注意人物と目されている。
【朝倉家】(越前)
◆朝倉宗滴(七一歳)
朝倉家の実質当主。
史実では七九歳で戦陣没というスーパー爺。
戦なれしているため、合戦でも大活躍。
信長と出会い、朝倉家は織田友好国となった。
◆朝倉孫次郎義景(一六歳)
朝倉家の次期当主。
合戦時に非常に落ち着かない様子が見られ、左近に将来を心配されてしまいます。
【斎藤家】(美濃)
◆斎藤山城守(道三)(五六歳)
岐阜城城主。
異名は『美濃の蝮』
美濃守護土岐頼芸を傀儡にして、美濃の国主となったが嫡男斎藤義龍により、実権を奪われる。信長により救出され、その後は信長配下として、美濃統治を担当することになった。
信長の妹の織田桜を娶っているため、信長の義弟でもある。
朝倉宗滴と並ぶスーパー爺の一角。
◆斎藤新九郎義龍(故人)
本編未登場。斎藤道三の嫡子だった。
信長との結婚の話が持ち上がったこともある。
父斎藤道三を追い落とすクーデターを起こしたが、信長による道三救援の軍勢と合戦になり負傷後死亡した。
【その他】
◆太田資正(二六歳)
岩付城主太田資頼の次男で現在無職(?)。
史実では、軍用犬を一〇〇匹以上飼育して連絡用に使用したとのエピソードがありますが、この世界では信長や左近とどのように絡むかお楽しみに。
◆織田十郎左衛門信清(二八歳)
元尾張犬山城主。
通称は十郎左
信長に降伏勧告されたが、受け入れられず追放された。
幼少期の信長をかわいがったらしい。
武田戦がメインとなる第三部は3/10(火)2000ごろ スタート予定。
どうぞお楽しみに。
読者の皆さまのブックマークと★評価が、創作活動のモチベーションの源になります。
どうぞよろしくお願いします。
里見つばさ