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雨天暁
雨天暁、男、武術家。
対峙して、敵対し、鍛錬を越えた戦闘を行う場合、俺たちは本来の名前を名乗るようにしている。だから正式には――。
雨天降卯紅月。
これが俺の名だ。
涼との決別は、蓮華が整えた舞台。俺は俺らしく、友人との別れを終える。
踏ん切りがついた。
俺は家から飛び出して、経験を積もうと、そう思えた。かつて、俺の親父がそうしていたように、武術以外の経験を積み、それを武術に生かすために、家を出ようと。
……涼のぶんまでとは、いかねェのはわかってるさ。それでも俺は雨天だ、それを誇っている。捨てられるわけが、ない。




