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躑躅紅音
躑躅紅音、男、魔法師
あれから何年、経過しただろうか。
そんなことを考えて、ようやく僕の中に時間経過が曖昧なことに気付かされる。振り返れば彼女がいたような気がするし、であれば早いと思うべきなのだろうが、ようやくかなんて気持ちも混在して、この時の僕の心境は複雑そのものだった。
であればこそ、一夜に言われなければ、僕は外を出歩くことはなかっただろうし、結果だけを後になって知って、そんなものかと頬杖をつきながら、グラスの酒を飲んでいたかもしれない。
人は変わる。
決断を迫られ、まるで挑むようにして選択を手にする。
彼女は、それを知っていたのだろうか。




