人生計画書とは、何ぞや?
この不思議な空間に来てから、カテリーナはずっと飲み食いしているが、なぜか満腹にならない。しかも、いくらでも食べられそうな気がする。
この世界は不思議なことだらけだと思っていると、
ライセが「あっ!」と、何かを思いだす仕草をした。
「そうそう。書き直し人生を始める前に “人生計画書” のこともお話ししなければ」
話の中で何度か出てきた謎の書。
カテリーナはすっかり忘れていた。
「重ね重ね申し訳ありません。もう少しだけ話が長くなってしまいますが……
あと少しですから、がんばって聞いてくださいねぇ」
「書き直しに必要なお話なら、しかたないわね」
ライセは「えへへ」とバツが悪そうに笑うと、つとめて落ち着いた声で話し始めた。
「魂Dたちは、肉体を持って生まれる前に人生の計画を立てます。どんなふうに生きるか、何を経験し、そこから何を学ぶかなど、計画書を作るのです。
それを “人生計画書” とか “ブループリント” と呼びますが、が、がぁ~」
語尾がため息だ。
「マリアのせいで、あなたの人生は予定から大きく外れまくって。もぉ、ほんとに予定外の出来事満載で、何やっても回避できなくてね……」
ライセは半泣きでぼやく。
「なんでこうなった?! マジやめてと、あなたを守護する仲間たちと一緒に何度叫んだことか! チーム・カテリーナは苦難の連続でした」
はあはあと息が荒いライセに、カテリーナは「落ち着こうね」とお茶をすすめる。
「私を守護する仲間たちって?」
「私よりもっと身近であなたを守り導く存在たちがいましてね。守護霊とか指導霊と呼ばれる存在たちです」
「私の味方なのね」
「そうです。誰にでも守護者がいます。でもね、悪霊などから強い悪影響を受けると、ちゃんと守れなくなる……最悪、乗っ取られるし」
「乗っ取る?」
「はい。人霊に限らないけど、守護霊のフリをして人間を操る悪霊がいるのですよぅ。
人を人とも思わない私利私欲の人間や、カルト宗教の教祖に憑いていることが多いですねぇ。
SNSのアカウント乗っ取りみたいな感じ……ってぇ、すみません。うっかりして未来の物で例えちゃいましたぁ。てへペロ☆」
ライセは残りのお茶を飲みほすと、爆弾発言をした。
「あなたの人生に、マリアと出会う予定は無かったのに!!!」
それまで聞いた話すべてが吹っ飛んだ。
次回の投稿は、明日の7時です。




