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   第十一章☆レゴリスと3Dプリンター

「宇宙エレベーター建設は、地球よりもまず、月でやった方が良いと思うんです。地球で造ったら、大気の影響を少なからず受けると思うし、もし万が一失敗して地上に建造物が落下したら膨大な被害が出て目も当てられない」

「将来的に月や火星に進出すると言ってるけど、どれだけ距離が離れてると思うんだ?物資を送るのにどれだけの手間がかかると思う?」

「『宇宙兄弟』という漫画に、月ではレゴリスという砂があり、3Dプリンターでレゴリスを溶かして造形して、現地で建築物資を調達するという描写があります。この際、月では月の、火星では火星の資源に着目してはどうでしょうか?」

「3Dプリンターをどうやって運ぶんだ?電源は?第一、それを使いこなす人材はどうする?」

科学者連盟の会議で、一馬は精一杯考えていることを告げた。

みんな、資料に目を落としたり、プロジェクターの映すグラフ図を解析したり、余念がない。

一馬は、正太郎から託された宇宙開発用の解説君をお披露目した。

「横田正太郎さんとの共同開発です。現在のところ、無重力下で自己判断して任務を遂行できることが立証されました。この解説君を尖兵として宇宙へ送り出そうと考えています」

「それはその、例えばSFでよくある反乱を起こしたりしないのかね?」

科学者としては誰もが抱く懸念だった。

「機械は、人間が使い方を誤らない限り、大丈夫です」

「人間次第だと言うのかね?」

「はい」

「・・・」

「それでは、この案件は各自煎じ詰めて次回の会議で決定したいと思います」


「で、実際に入手してみた3Dプリンターがこれ?」

進一が興味津々で「マエストロ」という3Dプリンターを様々な角度から眺めた。

パソコンで「FUSION360」を起動して、立体のデータを作成する。それからスライサーを通してディスクにデータを保存して、「マエストロ」にデータを移す。

「実際にデータを造るまでは人間の手でやらないと、解説君にかかる負担が大きいなぁ」

もちろんこんなところにレゴリスがあるわけがないので、PLAのフィラメントを「マエストロ」に装備して、PLAの立体を造ってみた。

「積層痕とか、バリが出るね」

「3Dプリンターももうちょっと進化するのを待つべきかな・・・?」

「調べたら良いのが出てくるかもな。但し、値段も良いやつがね~」

進一が楽しそうに言った。



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