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対極な双子の噺  作者:
1/1

弟編


 二卵性で生まれ、血液型も容姿も髪の質さえも違うオレ達は、兄弟に見られることはまずない。

 これはもう仕方ない。

 オレ達の所為ではないし、もちろん、両親の所為でもない。


 昔から、可愛い顔立ちの翔平は周囲から可愛がられていた。

 両親も祖父母も伯父も伯母も従姉弟達も近所の大人も幼馴染達も、皆に。

 幼い頃はどうとも思っていなかった。分かっていなかった、が正しいと思う。


 一緒に遊ぼうにも、体の弱い翔平は過度の運動を医者に止められていたから走り回れない。

 けど、オレは出来た。ついでに言えば、オレは動くのが好きだった。

 年を重ねるごとに、出来るスポーツは増えるし、新しい事を覚えるのは楽しかった。

 小学校低学年までなんて、駆けまわる遊びの方が楽しい時期だ。

 幼馴染達もクラスメイト達も、外で遊ぶことが多かった。

 そんな時、翔平は決まってオレ達が遊んでいる公園のベンチに座って本を読んでいるかオレ達を寂しそうに見ている。

 しばらくすると、皆翔平の周りに集まりだす。

 一人だけでは可哀想だ、と。

 確かにその通りだな、と思うし、翔平が一緒で嫌だなんて思ったことはないから別に良かった。

 ただ、皆はオレに何も言わず、自分達だけで話し合ってオレに断らずに遊びを勝手に中断して翔平の元に行く。それがわずかな不満だったが、翔平が楽しそうに笑っているからいいか、と思っていた。


 小学校も半ばになれば、クラブ活動がある。

 オレはサッカークラブを選び、翔平は読書クラブに入ると思っていた。

 なのに、同じサッカークラブに入る、と言った。驚いたオレは、想わず、無理だろ、と言ってしまった。

 それに翔平は泣き出して、クラスメイト達からは睨まれ、担任からは「そんな酷いことを言うなんて」と怒鳴られた。

 確かに、言い方は悪かったと思う。でも、みんなそう思っていたはずだ。だって、誰一人として、サッカークラブでもやっていける、とか、入ればいい、とは言わなかった。最終的に、読書クラブに入ることを皆で勧めていた。

 実際、無理だったんだ。

 激しい運動を止められている翔平が、小学校のクラブに入って何ができる?

 中学とかならマネージャーだったり出来るかもしれないけど、小学校でそれはない。先生や保護者の人がついているし、学校内での活動で時間も短いんだから、マネージャー自体をさほど必要としない。

 入りたい、と言い募っても、監督する先生も困っただろう。

 昨今、気遣いの言葉ですら差別だなんだとやり玉に挙げられるご時世。

 希望に沿って入れて、活動させても倒れられたら体罰だのなんだのと騒ぎ立てられる。

 …オレの発言は率直に過ぎたかもしれないが、誰もが言いたい究極の正論だったんだ。

 その時は、オレの言い方が悪かった、と思って納得した。

 家に帰って、翔平が何故か両親に話すもんだから、両親に怒鳴られ叱られ罰として問題集を三日で終わらせろ、と投げられたのは小学6年の算数ドリル。ちなみに、当時、オレは4年生だった。

 終わらせたけど。

 難しかったけど、図書室で司書の先生に聞いたら教えてくれたから別に困らなかった。

 あぁ、司書の先生だけは、オレを叱らなかったな。「端的に言い過ぎただけで、翔平君を心配して言ったんだよね」って言ってくれた。

 心配、かどうかは自分でもわかってなかったけど、悪意が無かったのは確かだから、そう言ってもらえて嬉しかった。

 そうそう、クラブは最悪だった。クラスメイトから話が広がったみたいで、オレはいつの間にか『体が弱い兄を見下してイジメる弟』になってた。噂に尾ひれがついた、じゃなくてクラスメイトがわざと嘘を言い触らしたんだろうな。上級生に睨まれるオレを上級生の後ろでニヤニヤ見てたんだから。

 それで一気に冷めたよな。

 サッカーはその時、一番好きなスポーツだったんだ。でも、大所帯でやるチーム戦だから、周りから嫌われたらやっていけない。実力があっても、感情を飲み込む、なんて出来る年齢じゃないし。

 自惚れじゃなく、オレが一番うまかったと思うよ。というか、オレ、運動で苦手な事ってなかったんだ。水泳以外。金槌なんだよな。

 数回の練習で動きには慣れるし、形になる。試合形式の動きを2・3度見ればどう動けばいいのかわかるから、習熟が早かったんだ。

 それが普通じゃないってのは、随分早くに分かってた。

 最初は何でできないんだろう、て不思議だったけど、周りは皆わずかな差を見過ごせば同じレベルだったから、オレが違うんだな、て納得できた。

 …こういう思考回路自体、人と違うっていうのも今では理解してる。


 中学に入っても、大して環境は変わらなかった。

 当たり前だ。私立にでも行かない限り、小学校からの持ち上がりなんだから。

 よその小学校からくる奴もいたけど、オレのいた中学、三つの小学校から人が集まって、オレの小学校は丸まま来るから一番人数が多かったんだ。

 多勢に無勢、だよな。

 ただ、慣れちゃってたんだよ。

 クラブの一件以降から、色々とあったから幼馴染達とは顔見知りレベルになってたし、まともに話もしなくなってた。ただ、良く会いはした。翔平にべったりだったから、嫌でも家で会うんだよ。

 ただ帰って来ただけなのに、睨まれるんだぞ。自分の家に帰ってきて何が悪いってんだ。

 …いや、今言いたいのはアイツらの事じゃなく。

 中学では3年間、翔平と同じクラスにはならなかった。まぁ、普通はそうだよな。双子だし。

 それが良かったのか、クラスメイト(別の小学校の奴限定)とは普通に会話が出来てた。

 事務的会話のみで、いわゆるボッチだったけどな。しかも、オレから話しかけても無視だ。近づいて要件を問答無用で言わないと反応しない。個人的なものだったら言っても反応しないけど。

 まぁ、それは別に良いんだ。いや、本気で。

 部活は小学校のクラブの事で嫌な印象しかなかったから入らなかったし、委員会は図書委員になった。本を読む印象があるのは翔平の方だったかもしれないけど、オレも結構読む。しかも、翔平と違って両親に本を買ってもらえなかったから、父親の持つ商業雑誌とか図書室や図書館で借りて来たものに限定されていた。漫画もあったけど、何となく興味が湧かなくて、流し読みしただけで放置して、文庫やハードカバーの読破に勤しんでいた。

 おかげで、文系科目の点数が良い事良い事。読書って偉大だ。自室に立派な本棚を持っている翔平の成績が振るわなかったのが不思議だったけど。

 翻訳された海外の本を読んで原文の方に興味が湧いて、辞書片手に奮闘したら英語の点数が上がり。

 原文が辞書なしで8割方読めるようになった時、たまたま手にした歴史文学の本で歴史に興味が湧いて歴史系科目をマイナーな所まで掘り下げた結果、担当教諭と何故か意気投合して放課後談笑したり。

 …当時はどうとも思わなかったけど、いささかおかしいよな、これ。

 元々、理系科目は得意だった。特に数学。答えが一つしかないのが良い。計算ミスると悲惨な事になるけど。

 そして、生物の授業。そこで、血液型や遺伝の法則とかを学んだ。

 何というか、一気に今までの事がフラッシュバックしたよな。走馬灯、じゃないけど、それに近い感じで。


 熱を出した時、両親は俺の部屋には来なかった。翔平につきっきりだったけど、いつも通りに微熱が出ていただけで大したことはなかった。オレの熱は39度を超えてた。

 運動会の徒競走で1位になった時、嬉しくて報告に走って近寄った俺に対して母親は参加すらできない翔平の前で申し訳ないと思わないのか、と怒った。周囲、オレの家の近所じゃない保護者達が驚いていた。

 制服を買う時、成長期に入るから大きめのサイズを翔平ともども買ったけど、先に背が伸びて制服に体があうようになったオレに、父親は兄の分まで吸い取って成長したのを自慢か、と吐き捨てた。はっきり言おう、未だに意味が分からない。


 これ以上挙げていくときりがないから、このくらいで。

 それらを思い出して、オレは思った。


 オレ、何も悪くないんじゃないか? と。


 今までは、同じ日に同じ時間に生まれたのに、オレだけが何でもできて、オレだけが健康で、オレだけが成績が良くて、オレだけが成長して、翔平はその真逆で、不公平だな、と思っていた。

 確かに、不公平に見えるだろう。けど、それはけしてオレの所為じゃない。

 翔平より運動が出来て、勉強が出来て、健康でもそれはオレの努力の結果であってオレに非は一切ない。そもそも、体が弱いのは祖母がそうだったから遺伝らしいし、容姿はオレは父方の祖父に似て翔平は母方の祖母に似たんだから別におかしくないし、勉強はもう本人のやる気の問題だし……うん、とことん、オレは悪くない。

 そんな当たり前のことに気付けないほど、オレは周囲に毒されていたのだと理解した。


 無神経、と罵られて来たオレは率直に物を言いすぎているのかもしれない、と考えて周囲の言葉をよく聞いてゆっくり思考してから話すようにしていったが、相も変わらずオレの発言で翔平は泣いて、無神経と周囲に責められていた。オレは無神経なのか、なら関わらないでいるのが相手の為だな、と思って距離を置けば、蔑ろにしている、無視している、と責められどうすればいいのかと悩み、対策が思いつかないことで困惑していれば、さらに無神経と罵られる。だから、もう開き直るしか道はなかった。オレは無神経で、それを直そうにも直せないんだから、しょうがない、と。大した努力もしてないくせに何でもできるってだけで偉そうに、と言われるから努力していると事実を告げても、下手な謙遜は嫌味にしかならない、と吐き捨てられる。オレにどうしろというのか、と思ったからそのまま告げれば、意味の分からないことを喚かれて終わった。…事実を口にするのが嫌味だ、と解釈したからもう反応しないことにした。


 周囲から言われることに対して、聞き入れて、考えて、行動して、問いかけて、そして、諦めた。

 いくら自分の言動を変えて、合わせようとしても相手はそれらの全てを悪意にしか受け取らない。なら、何をしても意味がない。意味のない言動をすることは、無駄な労力だ。だから、諦めた。

 それをさらに冷徹、冷酷、と受け取られる。

 ここまでくれば、オレだって、相手はオレに何も求めていないことくらいわかる。

 自分の考えを、自分の出した結論を押し付けて、そうではないと不都合だから罵倒する。

 ただ、それだけ。

 オレが悪いのでも、翔平が悪いのでもない。


 相手が悪い、ただそれだけだと理解して納得するのに何年もかかるとは自分に呆れたが、それならすべきことは一つだ。


 自分らしく、遠慮することなくあればいい。


 非難されても、もう気にならない。

 無神経と言われても、気に病まない。

 謙遜を罵倒されても、耳に残らない。


 相手はオレの人格も言葉も無視しているんだ。オレが無視しても咎められるいわれはないし、咎めてきても気にしない。言葉の通じない奴らをまともに相手にする必要はない。

 相手の望むとおり、無関心でいてやればいい。それだけだ。

 その結論に至って、オレはすっきりした。開き直った、ともいえるかもしれない。


 以降の中学生活は快適だった。グループ行動は苦痛だったが。

 3年になれば、高校受験の為の授業や説明会がある。三者面談も真剣身を増す。

 あの両親がまともにオレの話を聞くわけがないので、オレは進学する学校は自分で選んで計画を自分で練っていた。

 そしたら、三者面談中に母親がアホなことを言いだした。


「これには公立の工業高校に進学させます」


 まず、これってなんだ。オレの事か、と思ったけど口にしなかったそれよりも重要な事がある。

 母親が言った工業高校は、家から自転車で30分の距離にある。それじゃ、オレの計画が台無しだ。

 何故か、オレに意見も聞かず勝手に頷いて受験概要やら見学会やらの話をし始めた担任に、手を上げて発言した。


「慧瑛学園高等部を受験します。もちろん、特待生試験で。受かれば入学金、制服代、教科書類の学校指定用品、寮費も全額免除になります。学年10位以内を維持していれば、年間の授業料、講習料、必要と判断された資格試験受験料、その他、書類などを提出の上で必要と判断された分の金額も支給されます。家計には一切の負担をかけませんし、先週の休み、学園が個人的に開催している入学希望者への模擬テストを受けてきました。全教科A判定で、逆にその場で学園側からぜひ入学してくれ、と言われて、オレ自身も興味が湧いたので行きたいと思います」


 慧瑛学園はバカ高い偏差値と全寮制、そして、良家の令息令嬢が通うことで有名だから、授業料もかなりのものになる。3年間、なんて考えるだけで気が遠くなるような金額だ。

 病気がちな翔平の医療費を考えれば、安い公立の、しかも、高卒ですぐ就職できそうな工業高校に進学してほしかったんだろう。で、就職した後の給料を当てにしたかったんだろう。そんなの真っ平御免だ。

 翔平は嫌いじゃない。健康になってくれればいいと思う。でも、オレの現状はわりと翔平の所為だったりする。オレが何か言う度に泣くから、自然に悪役にされて来たんだし、そう言っても許されると思う。

 そんな翔平の為に、オレの人生が潰されるのは絶対に嫌だ。


 将来、オレは教師になりたい。

 担任は若い女で、翔平を贔屓している。周囲がそうだから埋没しているが、翔平との接触が少なかったり、関わり合いが無い教師からは眉を顰められている。仲の良い社会科の先生(勤続年数と年齢が学校一で、校長の先輩だったとか)が、職員室で茶を飲みつつ世間話の一環として、差別、虐待、教師による生徒イジメ、または生徒による教師イジメ、といったものを上げたが、何も響いていなかったようで、打つ手なしとさじを投げたらしい。他の教師達も同様に。来年から、クラスを受け持つことはないと決定済みだと教えてくれた。…今更だが、教えて良いのか? まぁ、いいか。

 そんな教師にはなりたくないし、そんな教師に不条理に冷遇されている生徒を守れるようになりたい。そして、社会科の先生みたいに、ちゃんと見て話が出来るような教師になりたい。

 だから、母親の思い通りになってもらったら困るんだ。


 否定意見を想定しておいてよかった。反論できない、メリットしかない内容に母親は歯噛みして憎々しげにオレを睨みつけてくる。

 それに、何とも感じないことに内心で驚いていた。同時に、理解した。

 オレがいなくなる上、オレにかける金が浮くんだ。万々歳だろう。

 厄介な金食い虫でしかないオレを、我が子だと思っていないあんたにとっては、な。


 学園側からの学業面におけるスカウトも含め、オレは首席で慧瑛学園に入学した。

 それからは、今までの15年間が埋没するほど、幸せな3年間だった。

 友人が出来た。寮の同室で、茶道の家元の息子だというのに活発なスポーツマンで、バスケ部のエースだった。

 先輩と仲良くなった。総合病院の跡取りだという男の先輩は嫌味っぽいが親切で面倒見が良く、警察官僚一族の当主の孫娘である先輩は普段は埋没しがちだがここぞという時は凛としてとてもかっこよかった。

 後輩に慕われた。変わり者一族と評判の慧瑛学園を運営する大企業の社長令嬢で跡取りなのに、庶民派で人懐っこく家庭的だったり、ご令嬢という立場を考えると面白いほど意外性が多かった。…後に、付き合うことになったのが自分でもかなり驚いた。

 3年間、長期休みに実家に帰省することなく、実家から連絡が来ることなく、オレは学園の付属大学に進学した。教育学部に。

 先輩達も友人も後輩も将来の為に、と選んだ学科は別々で、でも、縁は切れなかった。

 後輩との交際も順調で、やけにフレンドリーな親御さんに紹介され、いつの間にか個人的なメル友になっていた。…未だになんでかわからん。

 翔平が、大学にやってくるまでは。


 オレは、その日はゼミの教授に頼まれて調べ物をしていた。

 先輩達と友人と後輩はカフェにいて、翔平がオレを探して挙動不審であるのを見咎め、話しかけたらしい。全員、面倒見が良い部類だから。

 そこで、何があったのかは知らない。先輩達によれば、最初は普通に会話していただけだという。あくまでも、最初は。

 ただ、先輩達は一様に翔平を気持ち悪いと感じたそうだ。逆に、友人と後輩は良い奴だと思ったらしい。

 友人が翔平と連絡先を交換し、度々会い、後輩は友人を交えて話たりしていたらしい。

 何がどうなったのか知らない。

 翔平が何か言ったのは確実だろうが、何を言ったのかは分からない。分からなくてもいい、とオレは思っている。


 いつの間にか、友人と後輩は翔平にべったりになり、オレに対して苦言を言うようになってきた。あぁ、毒されたな、と思った。

 かつては諦められたが、高等部での記憶が諦めることを良しとしなかった。

 事実だけを、何度も告げた。苦言を呈されるたびに。

 そして、それは友人と後輩の感情を逆なでするだけに終わった。先輩達からの言葉も聞かなくなった。

 友人と後輩から着信拒否され、あからさまに無視されるようになり、後輩からは、金目当てだってようやく分かったから別れる、と一方的なメールだけ送られて来た。


 そこで、冷めた。

 努力をしてもダメなのは知っていた。それでも、一縷の望みにかけた。

 バカみたいに期待した。信じてみたかった。3年間は揺らがない、と。

 血の繋がった親ですら、ダメだったのに、所詮他人のお前らが大丈夫なわけがない。

 あぁ、でも、先輩達は、小学校の図書室の司書の先生は、中学の社会科の先生は、後輩の両親は、友人の兄さんは、大丈夫だった。ダメじゃなかった。


 だから、分かった。結論が出た。


 無くなっていくものに追いすがるのはやめる。

 無くなっていくものを惜しむのはやめる。

 無くなっていくものへ期待するのはやめる。

 ただ、残ってくれたものを、大切にしていく。


 この両手に、望んで残ってくれた存在を、大切にしていきたい。


 だから、もういい。





「お前達がオレを要らないと言っても、オレにとってお前達はとうに無くなったものだから、どうでもいい」





 驚いたように目を見開いた友人と後輩が、ただ、不思議だった。



 大学を卒業した肌寒い初春。


 オレは22年間を形作った『日比野 陽平』を捨てて、『藤枝 陽平』になり、『日比野 陽平』であった頃に無くしたものを、今度は自分から、捨てた。



 胸の内に生まれたのは、安堵。


 ようやく、オレはオレとして生きていける。








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