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五丈原にて諸葛亮を救い、その義子となる  作者: ほしかわ さとる
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糧を断つ成都・密使を密かに截す


それと同時、千里を隔てた成都の皇宮の奥深くで、一幕の芝居が、私の張った目によって、一字も漏らさず見張られていた。

私は黄皓がどの手を打つか、とうに見当をつけていた。宮中に潜む白毦兵の死士の報告によれば、あの日の密室で、黄皓はすっかり居ても立ってもいられず、独りで腹心に手を出させていた。諸葛亮の回復と大勝の報は、彼が駅館に置いた腹心を通じ、最速で成都へ伝わった――諸葛亮の回復、魏軍の大破、その威名は天下を揺るがす。その一字一字が、彼の胸に突き刺さる刃となっていた。

その眼線は窓の外の古い柏の枝に身を潜め、夜露が半ば衣を濡らすほどだったが、微動だにしなかった。密室の窓紙は薄暗く、黄皓が行き来する影を映している――時には立ち止まり、時には疾く歩み、尻尾に火をつけられた獣のようだ。卓上の蝋燭の灯は彼の衣の風に揺らぎ、痩せた顔に青く白く浮かぶ慌てようを、壁に一つ一つ投げかけていた。眼線は枝の上で息を潜め、呼吸さえ極めて軽くした。彼はよく分かっていた。今この下の男を驚かせれば、自分はこの深宮から出られぬことを。

彼は分かっていた。諸葛亮がいよいよ大勝し、いよいよ威名を轟かせれば、曹魏と通じ、重臣を陥れ、後主を惑わしたこの宦官は、ますます早く死ぬのだと。諸葛亮が口を出さぬのは、時を待っているからだ――北伐の功成り、成都へ帰師し、名正しき「君側を清む」の時を。その時、後主が庇おうとしても、もはや庇いきれぬ。

「いかん……決して座して待つわけにはいかん……」

これは眼線が自らの耳で聞いた、密室を行き来する黄皓の呟きであった。私は彼の胸のうちの算盤をよく分かっている。彼はきっとほくそ笑みながら考えているに違いない。諸葛亮の糧を断ち、駅報に細工を施せば、五丈原がいかに強かろうと、三月は持たぬと。軍が乱れれば、後主は必ず詔を下して諸葛亮を召還するだろう。その時こそ、この黄皓が、再び深宮で一言の上にも出る者となるのだ、と。

私は司馬懿がこの黄皓の背後で何を支えにしているか、よく分かっている。黄皓はまだ自らを盤上の駒を執る者と思っているが、実は彼こそ司馬懿が掌に握る一つの捨て駒に過ぎぬ――彼の口にする「司馬丞相はすでにわしに約した、富貴を一生保つと」その言葉、私は目を瞑っても推測できる。それは司馬懿が彼を危険に走らせるための餌であった。されど黄皓はもはや多くを顧みず、これを身を翻す好機とばかりにしている。

眼線の報告によれば、彼は勢いよく振り返り、厳しく令を伝えた。ひそかに五丈原へ向かう糧の半分を断ち、駅報の中の「蜀軍の大勝」を「兵疲れ糧欠す」と改めよ――彼の断つのは北伐の糧と信であった。

それを成し終えると、筆を執って司馬懿へ密書を認めた。期日を約して通敵し、孔明の死を待って成都を献じて大魏に報い、司馬公にわが富貴を一生保つよう請う。書き終えると、彼は考えるほどにいよいよ得意になり、ついには低く笑い声を漏らした。まるで諸葛亮が成都へ召還され、自らが大権を握る日を見ているかのように。

「諸葛亮、たとえ臥龍の智があろうと、戦場は測れても、竈は測れまい」

彼は指先で卓上のその密書を叩きながら、ますますこの自分の采配が完璧だと思い込んでいた――糧を断ち、報を改め、二つの刃を同時に下せば、蜀軍が鉄で出来ていようと三月は持たぬ。糧が切れれば、軍心必ず乱れ、後主は必ず詔を下して諸葛亮を召還する。その時こそ、この黄皓が、この深宮で一言の上にも出る者となるのだ。

彼はすでに回書をいかに司馬懿へ書くかさえ算段していた。「糧断つ計成り、蜀軍は日に日に潰れんとす、丞相は佳音を静かに待たれよ」と。ここに思い至り、彼はあわや机を叩いて喝采しそうだった。彼は諸葛亮が遠く五丈原にいて、成都の後方の工作をほんの少しも知らぬと確信し、ただ彼を「怠慢」と言うだけで、決して一介の宦官が前線十万の大軍の糧を断つとは料らぬだろう、と。勝利を掌中にした彼は、すでに心の中で帰宮して賞を受け、冠を弾いて慶ぶ所作まで演じていた――蜀軍が一たび乱れれば、それこそ黄皓が身を翻す好機。その時、深宮の中で、誰が彼に向かって余計な一言を吐けようか。

密室は暗く、彼は全く知らぬことだ。窓の外の古木にいるその黒影が、彼のその得意の一言一言を、ことごとく記していたことを。

その黒影こそ、私があらかじめ成都へ帰した白毦兵の精鋭であった。

黒影は微動だにせず、鬼のごとく、黄皓の配置が終わるのを待って、初めて音もなく身を翻して地に下り、一縷の青煙のように、成都の深宮の陰影の中へ消えた。

黄皓の通敵の密謀を記した一通の密報が、最速かつ最も隠密な道を通じ、夜を徹して成都を発ち、真っ直ぐ五丈原へ奔った。

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