第3話:「大空警察、ガード崩壊5秒前」
「……っ、う、うぅ……」
俯いたスバルの目から、ぽろりと一粒の涙が溢れて、膝の上のズボンにしみを作った。
一度溢れ出した感情はもう止められなくて、スバルは自分の情けなさに唇を噛み締める。
そんなスバルの肩を、ノエルがそっと引き寄せた。
「おいで、スバルちゃん」
「ふぇ……っ?」
次の瞬間、スバルの視界は完全に塞がれた。
優しくて、ものすごく甘い香りが鼻腔をくすぐる。
ノエルが、泣きじゃくるスバルの頭を、その豊満で、圧倒的に柔らかい胸元へと優しく抱き寄せたのだ。
「ひゃっ!? ちょ、ノエル先ぱ……っ」
あまりの柔らかさと、耳元で響くノエルのドクンドクンという心臓の音に、スバルの脳内は一瞬で大パニックを起こした。
あまりの恥ずかしさに身をよじって逃げようとするが、ノエルの腕は驚くほど強固で、まるでスバルを世界から隠すようにぎゅーっと抱きしめて離してくれない。
「いいの、そのまま。団長、スバルちゃんのこと世界で一番……ううん、宇宙で一番大好きだよ? だから、団長の前では、弱くて可愛いスバルちゃんでいて?」
背中を大きな手でゆっくりと、トントン、と叩かれる。
ノエルの体温が、胸の柔らかさが、そして耳元で囁かれる甘すぎる愛の言葉が、スバルの理性を完全に消し飛ばしていく。
(……あったかい……、なぁ……)
いつも「しっかりしなきゃ」って張り詰めていた心のバリアが、跡形もなく粉々に砕け散っていくのが分かった。
もう、ツッコミを入れる元気なんて、どこにも残っていない。
「……ずるい、っす……」
スバルは、小さく掠れた声で呟いた。
そして、真っ赤になった顔をさらにノエルの胸元へと深く埋め、ノエルの私服の裾を、小さな手でぎゅっと、まるで迷子の子どものように強く掴み返した。
「ずるい、っす……ノエル先輩……っ。そんな風に言われたら、スバル……、もう、……っ」
「んふふ、可愛いね、スバルちゃん……❤ ずっと、こうしててあげるからねぇ……」
頭のてっぺんに、ノエルが愛おしそうに何度もキスを落とす。
その度にスバルの心臓は跳ね上がり、全身が熱くなっていく。
ノエルの腕の中に閉じ込められたスバルは、完全に一本取られたような、心地いい敗北感に満たされながら、生まれて初めて「女の子」として、誰かの腕の中で甘える喜びに溺れていくのだった。
(つづく)
【予告】
第3話をお読みいただき、ありがとうございました!明日の第4話は『大空スバル、ノエルの沼に沈む』です。ついに本編完結!スバルちゃんが完全にノエル先輩なしじゃダメな身体(※健全な意味で)になっちゃう、最高の沼落ちの瞬間を見届けてください!……あ、でも物語はこれで終わりじゃないっすよ?明日もお楽しみに!
毎日1話ずつ、【18時】に更新していきますので、ぜひ明日も覗きにきてくださいっす!「てぇてぇ!」と思ったら、ブックマークや評価、感想をいただけると泣いて喜びます!




