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八話

投稿もだいぶ遅れてしまいました、すみませんm(__)m





「――――怯むな、我が兵たちよ! 魔法隊は支援、攻撃魔法を放て!! 騎士たちよ恐れるな! 私に続けぇー!」


おののいている兵たちの眼前に、民たちを避難させた一人の剣客――アイフォール・サフランが現れた。

彼は激を飛ばしてから敵に突っ込む。遅れて兵たちも動き出す。



「「「Legs Legs,ALAE――『エル・アド』! (力を、力を。与えん――『エル・アド』!」」」


「「「Gnjk,Lowd ing Almds――『エル・マ・ファイア』! (火よ、火の精霊よ、飲み尽くせ――『エル・マ・ファイア』!)」」」


支援魔法と攻撃魔法をかけて放つ。

エル・アドがかかった兵たちは自身の体が軽くなるのを感じた。力が何倍にもなったように感じた。

エル・マ・ファイアを唱えると兵たちの眼前に火の津波が発生する。火精霊が作り出した火は文字通り津波のように大きく、眼前のものを飲み込まんとしていた。

「――――」


ただ愚直に走る十一人を見て兵士たちはほくそえむ。ざまぁみろと。

全員が飲み込まれるのを目撃し、兵たち全員が歓喜の声をあげる、剣客だけは顔をしかめていた。


(――――この程度で、奴等がやられるものか)

過去に奴等の最後の悪あがきを体験しているため、アイフォールだけは構えたままじっと炎を睨む。


(――――さぁ、来るなら来い、出てきたところで首を跳ね――ッ!?」


そこでアイフォールは驚愕に思考が停止する。当然のように火の津波から出てきたのは予想通りだった。しかし、常軌を逸した殺気に恐怖し、体が硬直してしまった。



(――殺られる!)


アイフォールはそう思ったが十一人は素通りする。どういうことだと首をかしげる暇もなく後ろから上がる悲鳴。


「ぎゃああああっ!」


「た、たす――」


「ごふっ!?」


「ぐあああああっ!?」


魔法がかかっている兵たちも獣人もすでに『狂獣化』して襲いかかっているにも関わらず、何でもないように蹂躙していく。

それを見てアイフォールの感情が爆発した。


「ふざけるな! やめろ! 部下でなく私を攻撃しろ!」


細身の直剣を抜き放ち、突っ込むアイフォールだったが、


「――邪魔」


底冷えするほどの声色の者が突如、眼前に現れた。


「ッ!?」


振りかぶられた拳を咄嗟の判断で剣でガードしようとする。しかし――


「――――ぐぅはっ!?」

ガードしたはずが身体が後方に吹っ飛ばされる。自身も踏ん張っていたにも関わらずに。拳をじかに受けた刀身は砕けてこそいないがおおきくたわみ、手にビリビリとした感触を残す。


(――……な、なんという攻撃力っ!!)


内心で感心し、恐怖する。これを生身で受けた場合など想像したくもない。

空中で一回転して体制を整え、地面に着地すると攻撃してきた者に向けて手加減などなく、剣を振るった。


「――――シィッ!!」


今のアイフォールが繰り出せる、純粋な力だけの攻撃。魔力付与も支援魔法もかけず、速さと腕力だけで驚くべき剣速で頭から両断せんと迫る。


――しかし。


「――――邪魔だと、言っているんだ」


ひどく冷淡に、羽虫を払うがごとく気安さでアイフォール剣速よりも早く横合いから刀身を裏拳で殴り付ける。


破砕音をたてて今度こそ完全にアイフォールの持っていた剣が砕け散る。

ただ呆然と見ているしかないアイフォールに死神の手が絡み付く。


刀身を殴り付け、返す刀で殴り付ける。

右肩にあたった拳は『ボッ!』と音をたててそのまま振りかぶられる。

その音と共にアイフォールの体は再び空を舞う。アイフォールはただ何が起こっているのか分かっていなかった。


ビシャリと音をたててアイフォールの体が止まる。


「ごはぁっ!!」


壁に激突し血を撒き散らす。あまりの衝撃に骨が折れ、腑が潰れる。


「ば、化け物め――」


落下し、意識が途切れる寸前に自分をここまでした相手に畏怖の言葉を投げかける。

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