顛末
そしてそれから。
僕たちは、ハイント様達に顛末を報告した。
ハイント様は、僕やルース兄様が標的だったことに疑問を抱いていたけど、結局なぜなのかは分からなかった。
でも、あの隕石の魔法は見られていたらしく、王都中が大騒ぎになっていたらしい。
天変地異だとか、神の御業、とか。
説明を迫られたヨツハは、見掛け倒しの魔法です、特に威力は高くありませんよ、と誤魔化していた。
そして、平原が全く襲撃前と変わっていなかったことから、皆それで納得したらしい。
僕たちが戻る前に、ヨツハが新しい魔法で景色を元通りにしていたのは見ている。
でも、それでも魔物を追い払うだけの力がある魔法と言うことで、大変に話題になった。
その結果。
「えー、貴殿の活躍により、魔物の氾濫の大部分を静めることができた。これは大変に素晴らしき行いであり、爵位を授けるに値する。よって、貴殿には、名誉子爵を授け、これをもって国の為に頑張ってほしい」
「はっ。ありがとうございます」
ヨツハはそう言って王様の前で首を垂れ、恭しくふるまう。
こうして、ヨツハは名誉子爵となり、領地なしではあるが、貴族の仲間入りを果たした。
そして僕はと言うと……。
「リック!勘当取り消しおめでとう!」
「あ、ありがとう、ルース兄様。だけど、父様たちは……」
僕がそう言うと、ルース兄様もどこか遠くを見る。
あの日、襲撃を何とか防いだ僕たち。
その後、何と領地から手紙が届いたのだ。
手紙の差し出し主は、領地の方の執事長だった。
なんと、父様と母様たちが、突然亡くなったようだ。
余りにも突然倒れたらしく、僕たちが慌てて向かうと、そこには苦悶の表情を浮かべたまま亡くなった父様の姿があった。
ルース兄様はそんな父様達をじっと見つめ、
「とりあえず、葬儀の手配と家の中の物を整理しよう」
そう言ってルース兄様はあちこちに指示を飛ばし始めた。
そして、ルース兄様はラインスト公爵の座を引き継ぐことになった。
その結果として、僕は無事にラインストの名前を取り戻すことができた。
僕は今、ヨツハの手伝いをして学校で勉強をしながら毎日を過ごしている。
近頃、ヨツハは、自分の世界に有った物を作り出すことに凝っているらしく、自分の生活レベルが恐ろしく上がっているのを実感している。
僕は、あれ以来、結局マジッカークリッカーを使い続けている。
一時期、増えていく魔力に恐怖を覚えたこともあったが、僕の身近な人たちが僕のおかげで助かるんだったらそれでいいってことに気づいた。
この数か月、本当に色々なことが有った。
でもそのおかげで僕は色々な経験ができたんだと思う。
この先、どうなっていくか分からないけど、この偶然から生まれた絆を大切にしていこう。
僕は隣に立っているヨツハを見て、強くそう思った。
以上で拙作「マジッカー・クリッカー!」は完結となります。
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