実験
「十万の魔力、溜まりました!」
ひたすらクリックすること十分強、魔力は目的の十万まで溜まっていた。
「よし!それじゃあ、場所を移動しようか。出力がどうなるのかは分からないからね」
そういう訳でハイント様と僕は、研究所に併設されている実験場に来ていた。
ここでは、出力の大きな魔法、例えばこの前僕が使った魔法よりも上位に位置する魔法を使用するときなどに使われる場所らしい。
「折角溜まった十万なんだけど、一万を一秒で消費するように身体強化を使ってみてくれ。身体強化の使い方は?」
「あ、知らないです」
「身体強化は少し特殊な魔法だからね。それじゃあ、まずは力を抜いて」
僕は深呼吸をして、リラックスする。
「それで、魔力を体に循環させるイメージを持って、魔力量を調節する。この調節はちょっと感覚的な物が強いんだけど、今回はこれがあるから」
そう言ってハイント様が取り出したのはレンズみたいな道具だ。
「これは、身にまとう魔力を計測するレンズ。残念ながら、他の魔法は消費量が一定だから、まともに役に立つのは身体強化と新魔法の時だけ」
ハイント様はレンズを目に重ねて僕を見る。
「これでリック君の魔力量を見ていくから、ストップで止めてね」
「わかりました!」
僕は、だんだんと身を巡る魔力を増やすイメージで身体強化を使っていく。
「いいよいいよ、いい調子で増えてる……ストップして!」
「はい!」
「そのまま体を動かしてみて!」
「こうですか!?」
身にまとう魔力のおかげか、いつもより体の動きが良い。
「どう?」
「少し体が軽く感じます!」
「……なるほど……」
そして、あっという間に魔力を使い果たし、体から力が抜けていく。
「いつもの様子と比較してどうだったかい?」
「はい、爆発的な力はありませんでしたが、いつもより体は軽かったと思います」
「そうか……」
ハイント様はメモをしつつ、考え込んでいる。
「やはり、身体強化は強化倍率が低いわけじゃないのか……?」
ぶつぶつと何かをつぶやいたのち、ハイント様は僕の方を見た。
「もし、1000000の魔力を貯めるとしたら、いくらかかると思う?」
1000000か……。
「それだったら、数時間はかかると思います。でも魔力を一気に増やせるのが、一日一時間だけなので……」
「そうか……」
そうしたのち、ハイント様は、何かを考え、そしてこう言った。
「分かった。今日は一旦実験は終わりにしよう。これから、部屋に戻り、今回の実験から得られたことから考えられることをあげていこう」
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!
もしよろしければ、下の☆で評価をしていただけると嬉しいです!
ブックマーク・コメント等も大歓迎です!
あなたの読書人生に良い本との出会いがありますように!




