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【完結】内気な聖女アンジェリカは目立ちたくない  作者: 安ころもっち
エルザード帝国・イースト地区編
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40/74

/// 40.ラビと行く!ウェストダンジョンデート

◆西部・ラミアドルフ獣王国・ウェストダンジョン・1階層


今日は朝食にお肉をしっかりと食べた3人。さすが獣王国、朝からこってりお肉ですか?こんなの朝から食べられないですーとはならずアンジェは今や冒険者として朝から美味しいお肉に舌鼓を打てるよいうになっていた。


お腹を満たしてやってきたのはもちろんダンジョン。


1階層はビッグマウスとキラーラビットという大きな鼠と2本の牙が鋭い兎であった。まずは肩慣らしとラビさんがどこからか大きなハンマーを取り出していた。実は小さいながらも収納が使えるとのことで、愛用のアイアンハンマーを久しぶりに出したとのことだった。


シルバーと赤の装飾が可愛くはあるが全体的に結構厳ついサイズである。


それを片手でブンブン振り回しその感触を確かめた後、ラビはそれを肩に担ぐと近場にウロウロしているビッグマウスに瞬時に近づく。そして上からの一撃でそれを亡き者にしていた。


完全にぺちゃんこである・・・「うーん」と唸るラビにアンジェは「どうしたの?」と尋ねれば、どうやら手元が安定しないとのこと。


不思議そうに首をかしげるアンジェに「これではお肉が取れないから失敗よ」と説明してくれた。本当は頭だけを狙ってやや斜めに振り下ろしたつもりだったようで、ひさびさの狩りに体がついていかないと言う。


それから、リハビリと言ってしばらく狩り進むラビ。その後ろを楽しそうについていくアンジェとキュル。楽しそうにハンマーを振るうラビに見とれていた。


10分ほど狩っていると感を取り戻したラビは、的確にビッグマウスとキラーラビットの頭のみをつぶしていくという作業を行っており、そのまま2階に続く階段を上っていくのであった。


◆西部・ラミアドルフ獣王国・ウェストダンジョン・2階層


「次はアンジェちゃんの番かな?」そいういうと2階層はアンジェに任せてくれるということのようだった。「アンジェちゃんが戦うの見るの初めてねl楽しみだわ!」そいういわれてはテンションが上がらないわけがない。


1階層同様のキラーラビットと、ブルーウルフという青い毛並みが綺麗な狼の群れを、見つけると同時に神速で首をスパン!である・・・時には群れに火竜の杖をぶっぱなし、表皮が黒焦げになったところをスパ!スパ!スパバンッ!である・・・完全にオーバーキルであった。


ラビは「おお」と手を叩きながら戻ってきたアンジェを撫でまわしていた。でも「火竜の杖は毛皮が台無しになるから」と言われてしょぼんとしていた。


つづけて3階層はキュルが問題なく無双し、ブルーウルフとムササビキャットを狩って見せる。続けて4、5、6、とそれぞれが適度に無双して足を進めていった。ラビはアンジェの見えない攻撃にかなり驚いていた。


レベル5という実はそこそこの実力者であったラビも、アンジェの神速からの一撃はほぼ見えなかった。これなら40階層台でも無理なく狩り進めているのも納得であった。


ビッグウルフに三つ首ドーベル、ワイルドキャットに金剛牛、ゴールドキャット&ミノタウロス、デビルキャット、10階層の影狼(ブラックウルフ)とビッグコングであっても楽々と倒していく3人。もうお肉がいっぱいでホクホクである。ラビの収納はそろそろ空きがなくなりそうではあった。


ラビに、サンドドラゴンほどの高額なものはないがそれぞれのお肉に味わいがある、と言われたアンジェは高いテンションを維持しつつ、目に映る群れを瞬時に狩っていた。


そして10階層にある大きな扉。ボス部屋の前で一度休憩をとった。


安全地帯ではないのだが、この三人がいると何故か魔物が寄り付かない。魔物であっても圧倒的な強者に対する恐怖感はあるのだろう。そんな遠巻きに魔物がこちらを注視している中で、収納からレジャーシートを出して、家を出る時に持たされたサンドイッチをほおばる。


その空間だけ甘い暖かな空気が漂っていた。


「じゃあここは一人づつ入らない?」


ラビの提案に首をかしげるアンジェであったが、出てくるボスは神狼(フェンリル)という風魔法を使う大きな狼タイプの魔物と影狼(ブラックウルフ)という闇魔法を飛ばす狼タイプの魔物が5匹とのこと。


キュルであっても余裕というボスなので、一人づつの方はお得ということだった。神狼(フェンリル)のお肉は美味しいの!と。ただ、ラビは昨年は再出現(リポップ)したので多分今年は沸かないという予想であった。もちろん法則性はないので、1年たたずに再出現(リポップ)することもあるのでわからないが・・・


とりあえずラビと一緒に入ると沸かない可能性があった。


そしてそれぞれが別々に一度扉が閉まってからボス部屋に進んでいった。


アンジェが最後に扉に入ると、魔方陣が光りラビの情報通りの神狼(フェンリル)と思われる銀の大きな狼と影狼(ブラックウルフ)と思われる黒い狼が5匹出現した。光が収まったのを見計らって「よしっ!」と気合を入れ、神速を発動させた。


一気に距離を詰めたアンジェは、まずは火竜の杖を直接あたらないように距離をはかって目隠し替わりに振るう。そして炎を抜け、星切(ほしきり)影狼(ブラックウルフ)がいたであろう場所を通り抜け首筋のある場所を正確に切り裂いていく。最後に神狼(フェンリル)の目の前に移動すると、魔法を発動させようと口を開けた横をすり抜けその首を狩り落とした。


あっという間の攻略であった。が、振り返ると、2匹の影狼(ブラックウルフ)は首筋から血を流しているがまだ致命傷まではいっておらず、「ぐるぅ」と唸りながらこちらを睨みつけていた。なんだか可哀そうな感じがしてきたアンジェは「ごめんね」とつぶやきながらその2匹の首を落としていった。


オーバーキルなボス討伐にちょっと心が痛んだアンジェだったが、ボス部屋の部屋を出るとラビさんが「おかえり」と笑顔で迎えてくれたので瞬時に心が癒された。キュルもそう違わないタイミングで、口に咥えた神狼(フェンリル)をズルズル引きずって出てきたので二人で出迎えた。


ラビは結局、再出現(リポップ)しなかったため素通りであった。キュルは神狼(フェンリル)しか持ち帰れなかったためちょっと残念そうであった。とは言え、アンジェはすべて綺麗な状態を回収ずみであるため、お土産が増えたと喜んでいた。


あっという間のダンジョン攻略であった。ウェストのギルドに到着すると、素材回収倉庫に本日の収穫を吐き出した。お肉はすべて受け取りその他の素材は売り払っておく。ラビも同様にお肉を収納に戻していた。素材の買取金を口座に入れてもらうと、ギルドに在庫がある分の神狼(フェンリル)のお肉と、ラビが好きというミノタウロスのお肉を大量購入していた。


ミノタウロス肉を大量購入した際に「楽しみね」とラビが素敵な笑顔を見せていたので、アンジェもまたラビにくっつき、頬をお胸にスリスリして甘えるのであった。


ラビとのダンジョンデートでルンルン気分のまま屋敷に戻った三人は、用意されたサンドドラゴンを含むお肉たっぷりの夕食にまた顔を綻ばせるのであった。



◆神界


「さすがに10階層でこれをプレゼントするのは・・・なしか・・・」

お読みいただきありがとうございます。安ころもっちです。

現在毎日更新でがんばります!

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