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「いい、とは?」
「《X―1》の発進準備がすべて終わった。発進を……」
「プラン通りに。お任せします、艦長」
何を訊くかと思えば、くだらない。
丁寧すぎるグレイグ・リーの言葉は、確かにそう言っていた。
この男に躊躇する感情はない。
同胞であろうと、血縁であろうと、自らが立案した計画の達成のためには、討つ。いや、そもそも同胞などという感情を持ち合わせていないのかもしれない。もしかしたら自分以外の人間は、人間とも思っていないのではないか……
「……発進を許可する」
グラントは制帽に手をやり、それを深くかぶり直した。
上官の不安は簡単に部下へと伝播する。身の冷える思いを部下たちに悟られたくはなかった。




