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その背に黒の羽根を  作者: 林 りょう
第十章:捻くれ少女は全てを壊した
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後書き



 長い長いお話にお付き合い頂き、本当にありがとうございました。

 これにて、捻くれ少女の戦いの全てが終幕となります。

 

 私は、何かを書くときにまず、テーマを決めてから土台作りを始めています。そしてこの物語は、「愛するということ」を元に完成したものです。

 恋愛はお話において、どのような役割を持つとしても大きな成分になるものだと思いますが、ただ誰かと愛し合う様子や過程を伝えるのではなく、その本質とは何なのかを私なりに迫った結果が「その背に黒の羽根を」であり、愛と単純に言えばとても綺麗に聞こえますが、その裏側を覗いてみたかったというのもあります。


 ただ、それは私がこのお話に込めた想いなだけなので、お読み頂いた皆さんには、慈愛・人間愛・親愛・家族愛……。様々ある愛の中でも、偏愛・自己愛・執着・嫉妬・狂気。そういった偏ったものや、そこから生まれる別の感情・葛藤に焦点を当てた物語だと思ってもらって構いません。


 始まりは、河内紗那とデルとの恋とも愛ともいえない感情。お互いがお互いを恨み、デルにとっては再び愛する為に必要な存在として、二人の関係が出来上がってます。そして、ティルダの親や友、他人を求める思慕。お姫様は、報われない愛と愛国心の狭間を彷徨い、水の国では師弟愛の裏にある境遇からくる葛藤など。挙げればキリがないのですが、その全てが主人公を抜いても語れたもので、寧ろ抜いた方が深く掘り下げていけたでしょう。

 なので、設定を生かしきれなかったのは私の力不足に他ならず、けれど一番描きたかったのが「愛することから生まれる狂い」と「愛することで周囲に及ぶ影響」でした。


 愛し合う事は、一概には言えませんがそう難しいことでは無いと思われます。想いが通じ合えば成立できるのですから。

 けれど、それが自分たち以外の第三者に影響を与えると自覚し持続するのは、分かっていても難しい。だから、浮気による修羅場の末の狂気であったり、児童虐待であったり、そういう悲しい所業が耐えないのではないでしょうか。


 そして、メインテーマの裏にあったサブテーマの「矛盾」。寧ろこれの方が、物語上目立っていたかと思います。

 主人公の持つ「救世主で悪魔」を筆頭に、「正義と悪」や「救う際の行為」、「選択と利用」など。その時々で誰かしらが悩み葛藤し、それぞれで結末を迎えました。

 何より、序盤でラスボスを出す構成だった為、「真実と嘘」が必要以上に入り混じり、度々混乱させてしまったのではないかと思います。


 本当は、色々と語りたいことがあったのですが、終わってみれば意外と出しきることが出来ていたのか、上手く言葉が浮んできません。

 主人公が最後まで悪魔であれたなら良いなと、それだけを想います。


 この物語には、モンスターを倒す派手さや仲間と笑い合う爽快さ、そういったファンタジーらしさが全くと言って良いほど出て来ませんでしたが、そんな捻くれたお話だからこそ、何かしら伝わるものがあればとな思いつつ、一人でも多くの方に「小説を読んだ」と感じてもらえるよう、これからも精進して参ります。

 

 最後にこの場をお借りして、この物語を見守って頂いた全ての皆様のお陰で、無事に完結することが出来ました。


 本当に、ありがとうございました。


 それでは、また別の作品にて再びお会いできますことを楽しみに、以上で後書きとさせて頂きます。


 Nerine



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