Episode77 走り込み
次に日の第2試験。それは、昨日よりも辛いものだった。それは、あの精神的苦痛ではない。肉体的苦痛だ。
その名も、持久走。アルカディアに通っていた頃、毎年、やらされていた、地獄の陸上競技。この競技では、体力はもちろん、いかにそれを温存するかも試される。それが、1時間も続く。さらに、一瞬でも止まれば失格という鬼畜なルールである。僕は気後れしながらも、走り始めた。
「ハァ、ハァ、ハァ...。」
やっと、要塞を一周した。もう、すでに10分も走っている。何しか、距離が長い。それに、要塞が空にあるので、油圧していても、地上よりは体力の消耗が早いのだ。そんな最悪な状況下で2週目に入った。
その後も、2週目、3週目...走り込んでいく。と、5週目の中途、2人ほど脱落しているのが見えた。開始からすでに40分近く経っている。あと、20分余りなのにかわいそうに。僕は、彼らを哀れみながら、走り込みに戻った。
続いて、6週目。残り時間は約15分。その途中、また1人が脱落していた。僕は、その様子を見て、投げ出しそうになった。でも、あと15分ほどだ。自分にそう言い聞かせて、立ち直った。
そして、7週目に入る。残り約10分。と、目の前にいた女性が脱落した。また投げ出しかける。それでも、走り続けねばならない。そう自覚させるために、僕は、
「あと、10分だ。あと、10分だぞ!リドナー!」
と、自分を叱りつけるように言い、また立ち直った。
やがて、終了時間の鐘が鳴った。僕は、息を整えながら、歩いてスタート地点に戻る。その途中で、惜しくも脱落したと思われる1人の男性がいた。よっぽど、悔しかったのだろう。彼は涙を流していた。僕は、彼の肩を叩いて、
「ハァ、ハァ、ハァ...。よく頑張りましたね。僕は何とか走りきりましたが、あなたのような人がいてもおかしくありません。大丈夫です。恥ずへきことではありませんよ?」
と、励ましてから、再び、歩き始めた。どうやら、少しは楽に鳴ったようだ。良かった...。僕は、一安心して、スタート地点に戻った。
残ったのは自分を含め、10人。今日の、試験で5人脱落したことになる。僕は、その厳しさに恐怖を覚えながら、宿に帰った。




