Episode70 事後
その後、ウェールと大蛇はどこかへ飛んでいき、僕とラーセットだけが残った。
「リドナーよ、私をお前たちの仲間に入れてくれないか?」
ラーセットはそう聞いてきたので、僕は、
「良いですが?」
と、返す。すると、彼は
「そうか。良かった。」
と喜ぶ。
「でも、その巨体だったら目立つから、どうにか出来ないですか?」
続いて、そう聞くと、
「お前の剣に取りつこう。」
と彼は答える。それに対して、
「でも、僕はすでに剣の精と契約済みなんです。」
と言ってみると、
「それなら、私がその精を取り込もう。そうすれば、契約はそのままだし、私とも私を経由して精とも言葉をかわすこともできる。」
と提案されたので、承諾し、「オニキス」という名を与えて、契約を完了させた。
それから、僕はラーセット改め、オニキスが取りついた剣を持ち、歩き出す。道端にはところどころに影の騎士たちのマントが落ちていた。おそらく、君主がいなくなって一斉に消滅したのだろう。僕はそう予測しながら、マントだらけの道を歩き続ける。
そして、僕は町に戻る。そこで、たくさんの巾着袋を押し付けられて、困っている6人を見た。
「どうしたの?」
と聞いてみると、
「ウォルト様が持っていけって。」
とテーラが答えた。それらの巾着袋を良く見ると、あり得ないほどに膨れ上がり、ジャラジャラジャラと音がしそうだった。僕はウォルト様におそるおそる聞いてみた。
「いくらですか?」
と。
すると、ウォルト様は、それぞれの巾着袋に入っている金額とその出所について説明してくれた。
「これはワシからの50金貨じゃ。それで、これがシャインズ国王からの100王貨と、システィア王妃からの50王貨。それと、これは、シーサーペント島の長から50金貨、これは、オーディン島の長から30金貨じや。あと、これはスターロック島の長からの50金貨。そして、これらは些細なものじゃがそれぞれの島の...うむ、特に、ウェールの町の人々やシーサーペント島の人々かの。彼らから、たくさんの銭貨じゃ。全てを合わせれば、金貨50枚ほどの額になるじゃろう。」
と。ん?多すぎてワケがわからないぞ?整理してみよう。ウォルト様からは50金貨、シャインズ国王、システィア王妃両陛下からの150王貨(普通、王族しか所持出来ない、1枚で金貨10枚の価値がある貨幣)に?シーサーペント島の長から50金貨とオーディン島の長からの30金貨、スターロック島越の長からの50金貨?さらには、各島々の方々から約50金貨相当の銭貨の山々!?と、すると、金貨にして約1730枚分。な、な、な、な、なんと!?
僕は驚きでしばらく、固まっていたが、やがて、我に返ると、
「これは貰い過ぎです。やめてください。」
と言った。しかし、ウォルト様はやめようとしない。いらないっていって言ってんだからやめろよ、クソジジィが!そんな失礼な言葉を心の底に抱きながら、僕たちはうち2割の金貨346枚分を受け取り、残り、1384枚分を各島々での復興のための資金として返した。見ると、ウォルト様はその行動に納得してくれたようだ。良かった。僕たちは心からそう思った(マリアだけは落ち込んでいたが)。




