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Episode29 亡霊魔法と次なる目的地

 「お前ら...強いな。たが、しかしもう終わりだ!」

突然現れた、スコットさんが言った。そして、呪文を唱える。

「汝の亡霊よ、今ここに姿を現せ!スペクター!」

と。その瞬間、黒い靄のようなものを帯びた、ボルケーノギドラの亡霊が現れた。

 亡霊魔法「スペクター」。闇の属性魔法で、魔力ではなく邪力(闇属性の魔法使いなら少しは持っている、魔力とは別の力)を死者に注ぎ込んで、亡霊を実体化する魔法。しかし、この魔法は昔、”禁じられた魔法”になったはずだ。そう『魔術入門』に書かれてあった。何でも、ある闇属性の魔法使いが手違いで、邪龍を亡霊として復活させてしまい、多くの被害が出たからしい。

 が、そんなことどうだっていい。実態と化したボルケーノギドラの亡霊に、僕は剣で斬りかかる。しかし、スカッ!とあっさりヤツの体を斬ることが出来た。何だ?楽勝じゃん。と、 思ったのもつかのま、ヤツは再生した。

「フハハハ...!我がしもべはそんなことで消えはせんぞ?フハハハ...!」

その様子を見て、スコットさ...いや、スコットが嘲け笑う。と、次の瞬間、ボルケーノギドラが彼の首に噛みついた。すると、その首はいとも簡単に引きちぎられ、地面には首から上がない、血だらけの死体だけが残った。おそらく、ヤツは自分をしもべだと言うスコットに腹を立てたのだろう。

 しかし、そんなことは関係ない。目的は1つ。あの亡霊を浄化させることだ。そこで、僕は普通の浄化魔法「クリーン」ではなく、マリアに教えてもらった浄化魔法を試すことにした。理由は、亡霊が大きすぎるからだ。対象が大きすぎると普通の浄化魔法は無効なのだ。

 「安らぎの女神よ、汝を浄めたまえ!ヴィーナス・ピュリフィケイション!」

僕がそう唱えると、目の前に神々しく光る巨大な球体が現れ、ボルケーノギドラを包み込んだ。やがて、球体が消えると、もうそこにヤツの姿はなかった。どうやら、浄化は成功したらしい。


 「では、改めて聞こう。お主の望みは何だ?」

全てが終わり、アバディーン王が聞いてきた。僕は

「改めまして、申し上げます。先日、こちらの島に魔人が来たと存じておるのですが、それはどちらへ向かったのでしょう?」

と答える。すると、王は

「承知した。先日、島に現れし金色(こんじき)の魔人。そやつは遥か北西、暗黙の森へと光る宝石持って消えていった。」

と教えてくれる。その後、僕が

「守秘義務がありながらの、ご教授感謝いたします。」

と礼を言うと、フルゴル競技大会は幕を閉じた。

 そして、僕たちは歩みだす。次なる目的地、遥か北東、暗黙の森へと。 

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