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Episode19 隼の杖と滑稽魔法

◆今回初めて登場する人物◆

ゴルド(35)

武器兼防具屋・スコーピオンの店主。客に対しても少し砕けた言葉使いをしているが、気に障らない程度である。

●今回初めて登場するアイテム●

ファルコロッド

芯が隼の羽で出来た杖。先に魔石がない旧式である。鞘に収めることが出来る。

 カラン!カラン!

武器兼防具屋である、『スコーピオン』の扉を開ける。

 「らっしゃい!」

店主にそう言われ会釈をしてから、僕は杖のコーナーへ行き、お目当ての物を探し始めた。しかし、ない...。まぁ、期待はしていなかったが、何だろう?裏切られたような気分になってしまう。

 「鞘付きの杖ってありますか?」

そこで、僕は一応店主に聞いてみる。すると、何と

「ありますぜ。ちと高いですが...。」

という答えが帰ってきた。えっ!?あるの?じゃあ、お願いします!と言うことで僕は店主とともに店の奥へと向かった。

 「どうぞ。」

そこで、渡されたのは黒い鞘に収められた、茶色い杖だった。

「杖先に魔力増幅や付属効果の魔石がない旧式だが、あなたほどの魔力なら差し支えないでしょう。付属効果は元々おまけな訳ですし...。」

と、言われる。杖に魔石がなくて詐欺かと思ったが、なるほど、そう言うことなら安心だ。

 と、思ったのもつかの間、

「杖があなたに合うかはわかりませんが...。」

と言い放たれる。その問題を忘れていた。どんなに良い物でも使いこなせなければ意味がない。宝の持ち腐れとはこのことか。そうなるかは不確かだげど...。と、そんな気持ちで杖に触れた。

 「芯が隼の羽で出来た杖でっせ。一度、魔力を流してみてくだせぇ!」

店主に言われる、僕は体内から手へ、手から杖へと魔力を流した。すると、杖先から凄まじい魔力波が放たれた。その凄まじさのあまり、杖が置かれる箪笥が動いたり、鞘が飛んでいったりした。店主が心底驚いたという顔で、

「漏れ出る魔力から少し量が多いってのは予想してたが...正直、ここまでとは...。」

と言っている。

 「さてと、次は特殊魔法を試してみますか。」

金貨10枚もした(通常は高くても金貨7枚までらしい)隼の杖を買い、店を出た僕はそう呟いた。昨日、読んだ『特殊魔法目録』に滑稽魔法「ユーモラス」が載っていたのだ。何でも対象に滑稽...と言うよりは馬鹿げた動きをさせる特殊魔法らしい。誰得だとは思ったが、面白そうなので試したかったのである。実験台は...うん、バーロンにしよう。テーラ、マリア、エリーナさんの女子3人をそんなことをするのは気が引けるからな...。

 と言うわけで、僕は堂々とバーロンに向かってその呪文を唱えた(女子3人も一緒にいた)。

「我が汝よ、滑稽なる動きをしたまえ!ユーモラス!」

と。すると、彼はくねくねと腰を捻ったり、機械のような動きをしたりとずいぶんと滑稽な...いや、可笑しな動きをしたのだ。それを見て僕たちは笑わずにいられなかった。

 「力よ、無となれ!エンド!」

笑い疲れたところで僕はそう唱えて、呪文を終わらせる。と、その瞬間、バーロンが

「マリア、やっちまえ!」

と言う。すると、マリアうなずく。そして、今度は僕に滑稽魔法「ユーモラス」がかけられた。しかし...何も起きない。それどころか魔力を受けた感触がなかった。

 その様子を見たためか、彼女は呆れたようにため息をつき、

「どうやら効いてないみたいね...アンタは魔力の量や効率が良いだけじゃなくて、魔法に対する防御力も高いわけ?」

と言われる。そう言えば、この魔法はちょっと魔法防御力が高いだけでも簡単に無効になってしまうって本に書かれていたな。その難点(?)のおかげで恥をかかずに済んだのか。ラッキー!と僕は思った。

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