Episode16 空中戦(前編)
★今回初めて登場する怪物★
シャインズ
いくつもの光る尾を持つ、馬のような上級召喚獣。契約をするには一度、打ち負かす必要がある。
「『魔力解放』のみで俺のベガサス軍団を倒すとは...興味深い...!」
リトルペガサスにまたがる男が言う。
「お前だったのか!?」
僕はその男に怒鳴りつける。
「そうだ。あれは俺が召喚した怪物たちだ。」
男はそう答える。どうやら、コイツは迷惑行為だと思っていないらしい。
「どれだけ、迷惑がかかったかわかってるのか?」
バーロンが、思っていたことを言ってくれる。ナイス!しかし、彼は
「フン...そんなもの関係ないわ。」
と、認めようとしない。こうなったら、問答無用!僕は剣を片手に、ブレイズドラゴンを加速させ、突っ込んだ。
シャキーン!
男がまたがるリトルペガサスに向かって斬りかかった。しかし、僕が斬ったのは彼が連れていたシャインホークの方だった。その怪物は僕に斬られて、地面に落ち魔方陣の中へと消えていった。
「アンタ!召喚獣を何だと思ってるの!?」
テーラが問いかける。すると、彼は
「ただの道具だと思っているが何か?」
と、怒鳴った。彼女はその勢いに負け、黙り込んでしまった。
「よくも、テーラにそんなことを...!」
僕は怒り心頭でリトルペガサスに斬りかかる。が、またさっきと同じようにシャインホークにガードされてしまった。もちろん、ソイツは地面に落ち、魔方陣の中へと消えていった。
「お前、中々、強いな...手合わせ願いたいところだな。」
彼がいきなり決闘を申し込んでくる。僕は
「そんなこと言える立場か?」
と、返す。すると、
「なら、そこをどけろ。邪魔だからな...。」
と彼。どうやら屈しないようだな。その度胸だけは認めてやろう。こんなヤツは懲らしめるべきだ。テーラと出会ったあの時のような感情に襲われ、僕は決闘を受け入れた。絶対に負けるもんか!
「バーロン、テーラ、マリア、エリーナさん。下がってろ、僕がやる。」
僕は4人に言う。すると、彼らは下がってくれた。
「始めるぞ。」
緊張感漂う中、男が言う。
「あぁ、良いだろう。」
僕は返事をする。と、マリアが
「待って!その前にすることがあるわ。」
と言い、僕たちの周りを魔壁で囲む。「フィールド」と言う特殊魔法らしい。彼女は
「これで、落ちても大きな怪我をしないし、外に被害が出ることはないわ。」
と、言っている。僕は
「ありがとう。」
と言う(ついでに、「ハーディー」や「パラレル」などの特殊魔法を教えてもらったので、その意味も込めて...)。
そして、僕たちの空中戦が始まった。先手をうったのはエフィスト(決闘が始まる直前、名乗った)だ。彼は僕にシャインホークをけしかけてくる。
「魔力よ、解き放て!」
僕は近づいてくるソイツたちを「魔略解放」で返り討ちにする。見たか、僕のことを舐めてもらっては困る。自分で言うのも何だが僕はとんでもない魔力を持っているからな。
「くっ、中々やるな...。」
エフィストが血を拭うような仕草をする。はっはっは!そうだろ?恐れいったか!僕はそんな気持ちでその言葉を聞いていた...ん?
「だが、これで終わりじゃない!」
そう言う彼から、とんでもない魔力波を感じる。何だ?何を召喚する気だ?その答えはすぐに出た。
「東方の島を創りし者よ、現れよ!シャインズ!」
彼がそう言うと、なんと上級召喚獣であるシャインズが神々しい魔方陣の中から現れた。




