第四話
「これでどうだ!見てくれみんな!」
短針が6の時、エンターキーを鳴らして、初投稿。
「PV一桁かあ…」
短針が6の時、待ちきれずにアクセス解析。
「埋もれちゃうよなあ……宣伝するかあ……」
短針が7の時、痺れを切らしてリツイート。
あ、今はリポストか。
初投稿!!ぜひ読んでみてください!
#RTした人の小説を読みにいく
#RTした人の小説を読みに行く
#拡散志望#Web小説#創作仲間募集
#小説家になろう#小説家さんと繋がりたい
#拡散希望RPご協力お願い致します
#拡散希望RTお願いします
#小説好きな人と繋がりたい
「これでいいのかな?」
浮き足立つ私はベッドにダイブして、足をバタバタさせる。赤いクッションに顔を押し付けて、瞬きを何度も何度も。秒針を噛み続ける私は、スマホに顔を認証させて。
#RTした人の小説を読みにいく
を検索にかけて、リポストの連打。腱鞘炎になりかねない勢いで。指が鈍くなった辺りで止めて、リポストしてくれた人たちのURLにジャンプする。
続きを見る……第一話……第二話…………
私はスマホを布団に放り投げた。すぐさまクッションに手をかけ、猫パンチ猫パンチ。
ふと視界に入った鏡。私。頬が赤い。
「もー我慢できない!」
LINEにて。
19:13
奏斗くん!この前褒めてくれたあの話ね!ネットの掲示板にあげてみたんだ!
暇だったら、ぜひ見てほしいな!
既読
19:14
ガチで!行動力あるね!
ありがとう!読んでみる!
既読
「返信早いの、やっぱり顔がいいからかな?」
私は私と目が合い、見つめ合う。
「うん。我ながら綺麗」




