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続・聖剣、解体しちゃいました  作者: 心裡
長い冬休み編
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セリナの人生はこれからだ!

 魔王が討伐されてから、一週間が経った。

 魔王討伐からしばらくは、毎日のように新聞記者がワーガルに押し寄せてきて鬱陶しい限りだったけど、今では落ち着いている。


 魔王討伐後の家宅捜索で、コート先輩の一族はかつて勇者側に聖剣の作り方をもたらした魔王側の裏切り者の一族だったそうだ。

 その功から王国で貴族となり、今まで生き延びてきたそうだ。

 コート先輩の部屋からは、儀式のために共和国の土地を買ったことや、王国と帝国を一つにして危機感をもった共和国に戦争をさせる計画など、山のようにヤバイ書面が押収されたらしい。

 やっぱり、融和派って胡散臭いっていう直感は当たっていた。


 形はどうあれ、私は魔王に止めを刺したことで、職業が英雄となってしまった。

 もちろん、「王国の」次期英雄の座をミアから奪う気なんてサラサラないし、英雄稼業をするつもりもない。


 ルクレスさんは、流石に国王陛下を殴ったのがまずかったのか、謹慎処分を食らって、王城で毎日、フリフリの付いたザ・姫様みたいな恰好をして、日々お見合いをさせられているらしい。

 助けてあげたいのは山々だけど、国王陛下に逆らうわけにもいかないから、謹慎処分が解けたら遊びに行こうと思う。


 イスラはあの後、実家へと戻っていった。

 春からの新学期に備えての準備もあるとのこと。

 学校に戻らないかと言われたが、せっかくみんなの協力で始めた鍛冶屋を閉じるわけにもいかないので、それは断った。

 ……ルクレスさんの頼みの中に、次の学生長はイスラにするようにお願いしていたことを伝えるのをすっかり忘れてしまったが、イスラならなんとかなるだろう。

 うん、きっと大丈夫だろう。


 ミアも学校に戻るのだが、コート先輩に敵わなかったことが相当悔しかったらしく、3年生以降の専門科目では魔法を極めると燃えていた。

 もともと抜群の素質を持っているミアのことだ、新しい魔法とかも思いつくかもしれない。


 アベルさんは相変わらずコウキを連れまわしている。

 ただ最近は、徐々にコウキの方がメインになっているらしく、アベルさんが焦りを感じているとジョゼ姉から聞いた。

 そりゃまあ、この度、聖剣を作った家柄に、魔王を討伐した家柄までエルス家には追加されたのだから、コウキがもてはやされるのは仕方ないと思う。


 そして、私は相変わらず、忙しく日用品を作っている。

 というか、魔王をうっかり討伐しちゃったもんだから、さらに忙しくなってしまった。

 まだまだ王国中に普及してはいないけど、かつてのトウキ製品の地位は得てやる。

 そう思いながら、日々を送っている。


 ガラガラガラ


「いらっしゃいませ! セリナ鍛冶屋です!」



ここまでのご愛読ありがとうございました。

読者の方々には本当に感謝しております。

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