初めての授業(※設定話注意)
先に一つだけ言っときますが、今回の話は全っ然おもんないです。
今回の登場人物
ケイ・フォン・ノード
キュリア・トーデス
レム・イルネス
ヴィルヘルム・ラミン
今回の被害者名簿
強いて言えば読者の皆さん
(つまらん設定話しか今回ないので)
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―――ヴァレリア騎士養成学校―――
―――教室―――
「それじゃ、まず階級ってモンを知ってる奴ぁ手ぇ挙げろ」
それくらいは僕でも知っている。まぁ、手は挙げないが。
そもそも知らない人間はこの学校に来ないだろう。
「よぉし…んじゃ、イルネス。ちっと階級について説明してみろ」
おぉ、危ない危ない。
間違いなく僕を狙ってましたねヴィルヘルム先生。
「はい。階級とは、個々人の強さを表した、言わばランクのようなものです」
レムはスラスラと話していく。
「階級には大きく五つに分類されます。
一つ目は常人。
これは、一般的な人の事です。恐らくは世界中の大半の人が当てはまります。
軍属の一般兵士の方々も概ねは常人です。
二つ目は十人長。
これは常人十人分の強さを持った人の事で、
軍属では小隊長を勤められるくらいの強さの人です。
誰でも数年間訓練を積めばなれる程度だと言われています。
三つ目は百人長。
これは十人長十人分の強さを持った人の事で、
軍属では中~大隊長を勤められるくらいの強さの人です。
ここまで来るには日頃の鍛錬に加え、才能やセンスが重要だと言われています。
四つ目は千人長。
これは百人長十人分の強さを持った人の事で、
軍属では将軍と呼ばれる部類の方々で、みな名のある方々ばかりです。
およそ人が到達できる最高の強さだと言われています。
五つ目は万人長。
これは千人長十人分の強さを持った人の事ですが、
今のところ確認されているのが一国につき数名と言われています。
またそれぞれの国がその存在を隠すため、正確な人数は分かっていません」
「よし、大体正解だ。
まぁ、イルネスが言ってんのは一般的な話であって、
天使族や悪魔族にはそれぞれ別の呼称があるし、
魔法使いの奴らにも下級魔法使いとか魔導士とか色々階級はある。
まぁ、でも、どれも元はこの長級によるランク分けの派生だから、
どの階級も基本は五段階に別れる。なんで、さっきの五つだけ覚えりゃいい」
まぁ、確かに僕も天使族や悪魔族の階級は詳しく知りませんね。
「それと、先の五つの他にもう一個上の階級がある。それが何かわかるかクソガキ?」
ついには確認もせずに、いきなり指名できましたか。
「もちろんです。先生が言ってるのは大天使や大悪魔、軍人の事ですよね?」
一国の軍隊に相当する強さから付けられたその呼び名。
「万人長のさらに十人分の強さを持つと言われる、
伝説やらおとぎ話やらに出てくる英雄さん達の事ですね。
有名なのは天使ルシフェルと悪魔ルシファー、後は初代メルト皇帝などでしょうか?」
いずれも過去実際に存在した人物である。
「その通りだ。特にルシフェルとルシファーは同一人物とも、
双子の兄弟・姉妹とも言われ、様々な説がある」
先生が僕の話にちょっとした付け加えをする。
まぁ、確かに色々諸説ありますが…
「僕は姉妹丼も親子丼も好きですね…」
「? ケイ、先生は別に食べ物の話はしていないぞ?」
レムには理解できなかったようだ。
いや、理解されても困りますけどね。
「まぁ、つっても、オメェらがなれんのは精々百人長くらいだ」
その一言は多分余計だと僕は思う。
案の定教室には「えぇー…」みたいな空気が広がっていく。
「おいおい、オメェらなめてんのか?
一応俺も百人長なんだぜ? なんなら午後の実技で俺の力を見せつけてやろうか?」
「「「「すいやっせんでした!!!」」」」
体をびくつかせながら大半の男子生徒が、勢い良く机に頭を擦りつける。
僕には知りようのない事だが、
彼らは先日のピーちゃん事件で恐怖をその身に刻んだのだ。
「まぁ、いい。……強いて言えば、
この中で、千人長になれそうなのはイルネスぐらいなもんだろ」
…なんですと?
「いや、私ではとてもそんな…」
「そう謙遜すんなや、お前はその若さで俺と同じ百人長なんだぜ?
お前の歳で百人長になれるの奴なんざ普通いねぇよ」
はい? 百人長?
……レムってば、何気に強い子だったんですか!?
「しかし、三年の先輩方にも百人長は何人も……。
それに学生会長のシーク先輩は十八歳で既に千人長ではないですか!」
うわぁお、しかも今朝会ったあの会長は既に将軍様クラスだったんですか。
千人長と言えば僕の母上と同じ階級なのですが…。
「あぁ……アイツぁ、気にしなくていいよ。ありゃ本物の天才だ。
『空気の流れで相手の動きは丸分かりではないですか?』
とか真顔で言ってきやがるからな。気にしたら負けだ」
いや、空気の流れとかどうやって掴む?見る?のですかね。
…あぁ、そういえば母上もなんか、
『は? 剣術が強くなるコツ? 気合込めて剣振ってりゃいいんじゃない?』
とか言ってましたねぇ…。
きっと一定以上強くなれる人には、見えてはいけないナニかが見えるのでしょうね。
もしくは普通は感じ取れないコスモなパワーとか。
「そろそろ話を戻すぜ。じゃ、次は魔法の話だ。
……あぁ~…そういやこのクラスで魔法使える奴ってどんくらいだ?
…よし、挙手、手ェ挙げろぉ」
そんな投げやりな問いかけに、クラスの半分程度に人間が手を挙げる。
ちなみにレムは手を挙げていない。
剣術だけで百人長なのか。ホントに強い子だったんですね。
「ほぉ、約半ぶn……おい、クソガキ。
テメェが手ぇ挙げてんのは分かりずれぇ冗談か?」
「紛れもない事実ですよ?」
なんで一々僕の言う事に突っかかってくるのでしょう?
そんなに僕にあの恥ずかしい台詞集を言って欲しいのでしょうか?
「……階級は?」
「各属性の中級まで…
…先程の話で言えば、十人長クラスの魔法まで、と言った方がいいでしょうね」
「……チッ、嘘じゃぁねぇんだな?」
「僕は生まれてこの方、一度も嘘なんて言った事がないくらいです♪」
「言ってろ」
涙が出るような信頼関係ですね。
ベクトルは逆方向ですが。
「んじゃ、魔法の説明はクソガキ。テメェがやれ」
レムの時はえらい違……いや、元から口が悪いのであまり変わりませんね。
「分かりました。少し長くなりますが、皆さん眠らずに聞いて下さいね?」
そう前置きして僕は話し始める。
「魔法は大きく分けて二つに分類されます。属性魔法と召喚魔法です。
属性魔法とは、火、水、風、土の四属性の魔法の事です。
下級魔法では概ね単体攻撃魔法。ファイヤショットなどですね。
中級魔法では各属性の付加魔法。アイスエンチャントなどです。
上級魔法ではそれぞれの範囲攻撃魔法。ファイヤトルネードとかがあります。
そして、上級以上は魔導士…一般的な言い方でいうところの
千人長級の魔法使いに師事し、直接習うしかないと言われています。
まぁ、歴史上には最初から魔道士級の魔法を使える人もいますけどね。
次に召喚魔法とは、その名の通り何かを召喚する魔法です。
まぁ、一般的に魔物を召喚し、使役するのが召喚魔法です。
通常召喚魔法では自分よりも高位な存在を召喚する事は出来ません。
が、力量により差もありますが、基本的に複数体召喚する事が可能です。
ついでにもう一つ、契約召喚です。
これは召喚魔法の一種で、主に人間を召喚します。
契約を結んだ相手を何時でも自分の半径十メートル以内に喚ぶ事ができます。
また、この魔法は自分より高位な人でも召喚できるという利点を持っています。
つまり、常人であっても千人長級の人を喚ぶ事が出来るわけです。
……まぁ、まずは契約できなければ始まりませんがね。
僕の話はこれで以上です」
ふぅ、珍しく長々と話したので喉が軽く痛いです。
「…へぇ、契約召喚なんてよく知ってたな? あんまり知られてねぇんだが…」
「僕の父上がその契約召喚を使う人なのですよ」
まぁ、父上が使うのは普通の契約召喚ではないが。
「あ……そういえば言い忘れましたが、代償魔法も一応は魔法に分類されます」
「あぁ……代償魔法は使える奴いねぇだろうから省け。
………いや、まさかこの中に使える奴とかいねぇよな?」
先生はやや緊張しながら聞いてきた。
しかし、当然ながら誰も使える者はいないようだった。
まぁ、数万人に一人いるかいないか、といった割合でしかいませんからね。
こんな五十人弱しかいないクラスに、そんな物を持っている人間がいるわけがない。
「まぁ、それでも一応は説明しておきましょう。
代償魔法とは、読んで字のごとく、
代償を払う事で普通の魔法とは違った魔法を使える、という物です。
但し、代償魔法は個人差が激しく、一つも同一な代償魔法は無いと言われています。
つまり、十人の代償魔法使いがいた場合、全員が違う魔法を使うわけです。
また、代償魔法は生まれついての先天的な技能であり、
後天的に得る事が出来ない魔法だと言われています。
その為、代償魔法を使える人というのは非常に稀であり、貴重です。
まぁ、中には代償が払えないような物…例えば自身の命などですね。
そういうハズレもありますので、一概に価値のある物ばかりとも言えません。
ですが逆に、代償とも呼べないような物で魔法を起こせる物もあると言われています。
……まぁ、ここまで語っておいて、こう言うのもなんなのですが。
先も言った通り先天的な物なので、使えない僕達には全く関係ない魔法だと言えます」
しかし、そんなほぼ全人類が関係ない代償魔法だが、実はその認知度は非常に高い。
少なくとも余程の無知でなければ誰でも知ってるいる一般常識だ。
それは何故か?
理由は至極単純―――異常だからだ。
属性魔法でも、上級より更に上の精霊級・神位級辺りまで行けば、
津波を発生させたり、嵐を起こしたりなど、災害のような魔法も存在する。
しかし、どんなに優れた魔法使いでも、時間は止められないし、隕石も降らせられない。
代償魔法によって起こる魔法は、魔法と言うより奇跡と呼べるような物が多々あるのだ。
こう言ってしまうと、とても優れた魔法のように感じられるが、実際はそうでもない。
何故なら代償が一々魔法を台無しにするからだ。
一例を挙げると、先の時間を止める為の代償は目を閉じている事だ。
これだけで時間が止められるのなら安い物だと思うかもしれない。
しかし、考えて欲しい。目を閉じて時間が止まったとして―――何をしろと?
目を閉じてるから周りは見えないし、時間が止まってるから音もしない。
そんな外部からの情報から遮断された世界で―――何をしろと?
仮にそんな世界で街を歩き回れば、
段差には躓き転ぶだろうし、通行人には度々衝突するだろう。
目が見えない、と言うのはそれぐらいデメリットになるのだ。
(ちなみに、実際に作者が自分の部屋で目を瞑って歩き回った時は、
タンスの角に顔面から突っ込みました)
閑話休題。
代償魔法は世間一般では奇跡の力として認識されている。
さしたる苦労もなく最上級の魔法が使えるのだからそれも無理はない。
使い勝手が悪い事を知れるのは、実際に使える人間だけという事だ。
「まぁ、んなもん使えなくても問題はねぇ。
普通に訓練すりゃ普通に強くなれんだからな」
まぁ、確かにそこまで強くなりたいとは僕も思いませんね。
あれば便利だろうが無くとも困らない、それが僕の代償魔法に対する認識ですね。
「さて、魔法の話はこの辺でいいだろ。次は種族の特徴の話だ。
俺が悪魔族なのはオメェらも知ってるよな。
なら、実際何がどう人間族と違うのかわかる奴はいるか?」
それに応える者はいない。
僕は旅をしていたので悪魔族にも天使族にも会った事があるので分かりますが。
普通に生活していればまず出会いませんし、出会っても気付けないだろう。
なにせ見た目は人間族と何一つ変わらないのだ。
「んぁ~、なんだいねぇのかよ」
いえ、知ってますが二回連続は面倒なのでシラをきっているだけです。
あと、キュリアも間違いなく知ってるはずですが、
そんな素振りを欠片も見せない彼女は本当に流石ですね。
「仕方ねぇか。んじゃ、俺が説明すっからオメェらよく聞いとけよ」
そう言って、先生は話し始める。
……今更なのですが、先生が教えるのが普通……ですよね?
「まずは見た目の違いだが、およそ羽の有無以外に見た目に差はねぇ。
ちなみに天使は白い羽で悪魔は黒い羽だ。(どちらも鳥類系の羽)
でもって出し入れが自由だから閉じてる時は人間族となんら変わりねぇ」
なんとも見分けづらい事です。
「だが、悪魔族と天使族にはそれぞれ特徴がある。まぁ、簡単に言うなら、
悪魔族は身体能力が優れ、天使族は魔法関連に優れてる。
悪魔族のガキは、小せぇ頃から魔物と殴り合いで勝てるぐれぇだし、
天使族のガキは、程度の差はあれ必ず魔法が使えるようになる」
そう、それがあまり知られていないそれぞれの特徴だ。
悪魔族が大人になれば、それだけで十人長級の強さを誇るし、
天使族が大人になれば、必ずどれかの属性魔法を上級までは極めている。
天使か悪魔というだけで、大人になる頃には常人ではなくなるのだ。
「あぁ~ちなみに悪魔族も天使族も元は人間族の突然変異だとか言われてるが、
実際どうなのかは今でも判明してねぇ。まぁ、そんなんどうでもいいわな」
まぁ、これまでの話をよ要約すると、どちらも人間族より優れた人種であるという事だ。
しかし、それ以外の理由でも、彼らは一部の人間族から非常に羨まれる存在である。
何故なら…
「…あ、そういや、言い忘れてたが基本どっちの種族も不老だぜ?」
「「「ぇえええええええええええ!?」」」
そう、彼らは一定の水準まで成長すると、それから成長しないのだ。
故に人間族の女性からは非常に羨まれ、疎まれる存在なのだ。
「ついでに老化もしねぇから老衰で死んじまう人間族よりは基本長生きだなぁ」
「「「はぁああああああああああ!?」」」
長生き、というか彼らは何もなければ何百年と生きる種族である。
若い姿のまま何百年も生きる。
世の女性達が喉から手を出すほど求める物である。
ちなみに、先程から奇声を上げて、
殺意の込もった目で先生を見ているのはクラスの女子一同である。
こういった、要らぬ妬み嫉みを買うため、
天使族も悪魔族も自分からはあまりそういう事を言う事はない。
その為、あまり一般的には天使族も悪魔族も特徴を知られてはいない。
「まぁ、いくら不老で長生きつっても、
首をはねられりゃ死ぬし、何も食わなけりゃ餓死する。
死ぬ時は普通に死ぬ。まぁ、多少違うが基本は同じってこったな」
そもそも、言われなければ見た目では判別できないのだ。
余程長い付き合いならば成長も老化もしない事に気付くだろうが、
逆に言えばそれぐらいでしか気付けない程、種族としての差がないのだ。
知らない人から見れば、才能ある人間族、くらいにしか見えない。
「さて、んじゃ、次は魔物の話だ。
まぁ、これは今更いらねぇかとも思うがおさらいだしな。
誰か適当に説明できる奴、手ぇ挙げろ~」
これには殆どの生徒が手を挙げる。
そして、そんな中から先生が指名したのは、
「よし、そんじゃ、メイド」
キュリアだった。
……もしかして僕らに的を絞って選んでます…?
「分かりました。手短に済ませますので、皆様寝らずに聞いて下さいね?」
何やら聞き覚えのある前置きをして、キュリアは説明を始める。
「魔物というのは、魔核という魔力の結晶体が発生した動物や物体の事です。
理論的には世界中のあらゆる存在が魔物化する可能性を秘めており、
言うなれば魔物というのは元になった存在の突然変異であると言えます。
サルに魔核が発生すればゴブリンになりますし、
トカゲに魔核が発生すればリザードマンになります。
また、岩に魔核が発生すればウォーロックになりますし、
剣に魔核が発生すればフライングソードとなります。
どうして魔核が発生するのか? 魔核が発生すると何故魔物化するのか?
残念ながら詳しい理由は、未だに判明しておりません。
魔物についてはこれくらいです」
その場で軽く一礼してからキュリアは着席する。
「まぁ、誰でも知ってんよなぁ。ついでに、魔核は魔物達の共通の弱点だから、
ウォーロックみたいな硬ぇ奴は魔核を狙うのが戦う時のセオリーだ」
先生がキュリアの説明にそれとなく付け加えをする。
その後も先生の授業は続いていく。
しかし、先生自身も言った通り「おさらい」なので、既に知っている事が大半だった。
そして、あっという間に僕の初めて授ける授業は終わったのだった。
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つっまんねぇえええええええ!??!
自分で書いてて心底つまらんかったわ!!
でも、やらないと話が今後の話が出来ない……んぬぅぅうぅぅぅぅぅ…!
そんな作者の葛藤溢れる設定話授業その一です。
どうか、生温かい目で見守ってやって下さい。
ちなみに、
魔法とか魔物の名前は適当に付けただけなので、
もしかすると後から変えたりするかもしれません。
あくまで、かも、ですけどね。